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ボクっ娘耳かき棒職人の激重失恋耳かき~耳かきが違法になった世界で~
written by あまに
  • 耳かき
  • ファンタジー
  • 切ない
  • 片思い
  • 幼なじみ
  • ボクっ娘
公開日2023年03月02日 10:35 更新日2023年03月08日 10:16
文字数
1832文字(約 6分7秒)
推奨音声形式
バイノーラル
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
幼馴染(耳かき棒職人)
視聴者役柄
一般人
場所
幼馴染の家
あらすじ
ここは耳かきが違法になったディストピア。
貴方は自分の耳かき棒のメンテナンスのために、耳かき棒職人のもとを訪ねます。
幼馴染である彼女に耳かきをしてもらううちに、次第に昔の話に花が咲いていき……
本編
……うん、綺麗に使ってるね。
ほんのちょっと曲がってるけど、このくらいならすぐに治せるよ。

でもいいのかい?
ずっとこれを使い続けなくても
僕が新しい耳かき棒を作ってあげるよ?
キミならいい耳かき師に……

はあー、僕の誘いを断るのができるのなんてキミくらいだよ。
ま、無理強いはしないけどさ。

じゃあさ、せめて耳かきしていきなよ。
この前新作を作ってね、試したかったんだ。

は……?妻を待たせてる……?
……ほんとに仲が良いんだねえ。
いいじゃないか別に、たまには浮気しても。
……冗談冗談。

でも耳かきは本当にさせてくれよ。
こんな辺鄙なところ、なかなか遊びに来る人がいなくてさ、ね、頼むよ。

……やった!じゃあこっちこっち。
キミに見せたいものがあるんだ。
(手を引いて奥の部屋に行く)

ふふ、この本棚、実は隠し扉になってるんだよ。
秘密基地って感じでワクワクするよね。
扉を開けるとその先には……

(扉を開ける)

……じゃーん、僕専用の耳かき部屋だよ。
寝室を改装したんだ。
ベッドもソファーも布団も用意してあるし
そこの箪笥には耳かき棒がぎっしり。
……ちょっと狭いのが玉に瑕だけどね。

さあさあ、好きなのに横になって。
(大げさに) ……あ、それとも僕の膝枕がいいかい?
……反応くらいしておくれよ。

(ベッドに横になる)
……お、お目が高い!
そのベッドはわざわざ職人に作ってもらった特注品だよ。
……どうせ全部特注だろって?
……どうしてバレたんだい?

……ま、気を取り直して、耳かき、やっていこうか。
新作のかき心地はいかに、ってね。

(耳かき開始)

ふふ、キミに耳かきをするなんて、本当に久しぶりだね。
僕らが教師をやってた頃以来じゃないかい?
もう何年前になるのかな……懐かしいね。

あの頃は良かった。こんな風に隠れなくても
人々は自由に耳かきをすることができた。

僕はあの学校が好きだった。
大好きな耳かきを仕事にできるのも楽しかったし
同じように耳かきが好きな人たちの中で働けるなんて
僕は幸せだなって思ったんだ……

……それがまさかこんなことになるなんてね。
教え子たちは次々に捕まっていくし
僕らは表の世界を追われることに。
僕らの目指してた楽園は、いったいどこに行っちゃったんだろう。

…………え?教師になった理由?
あれ、言ってなかったっけ?キミの後追いだよ。

キミが「これからは耳かきの時代だ」なんて言うの
正直最初は馬鹿馬鹿しいと思ってたけど
まあ、こんな馬鹿についていくのも悪くないかなって。

……いや、キミが罪の意識を感じることはないよ。
結局は僕の判断だし、後悔はしてないんだ。
教師として過ごした数年間、とても楽しかった。

それに、今でも耳かき棒職人としてこの界隈に残り続けてるあたり
僕はやっぱり耳かきが好きなんだなって。

(耳かき終了)

ふー……はい、おわり。
あ、おしまいのキスはいるかい?
……冗談だって。

じゃあ反対向いてくれる?
……うんうん、いいね。
じゃあこっちもやっていくよ。

(耳かき開始)

……さっきの話だけどさ
キミだってこの道を選んだこと、後悔したわけじゃないだろう?
耳かきについて教えてるときの君はすごく輝いて見えたし
それに、愛しの妻にも巡り合えたわけだしね。

……ま、あの子は別格だったからねえ。
キミが惚れ込むのもわかるよ。

耳かきの飲み込みも速いし、声も良い。性格も可愛いくて容姿も抜群ときた。
教師としては失格なのかもしれないけれど、正直ちょっと嫉妬しちゃったな。

……僕も十分魅力的だって?
………………リップサービスが上手いじゃないか。
こりゃモテるわけだねえ……

……ところでさ、この耳かき棒、何か気づくことはないかい?
……あ、やっとわかった?
そう、この感触、そのまさかだよ。
僕も作ったんだ、『愛用の耳かき棒』 愛棒 
……ようやく決心がついた。僕も戦うよ。

……僕が死んだら誰がメンテナンスするか……?
……大丈夫大丈夫、弟子に全部教えておいたから。
いやーこれがまた可愛いやつでねー。キミにも紹介したかったなー。

……もう見てるだけってのは嫌なんだ。
それに、この世界に未練もないしね。

……ああ、キミたちと一緒にはいけないよ。
あんまり固まるのは危険だろうし
それに……一人の方が気が楽だからね。

…………うん、これで正真正銘、僕もキミたちの仲間入りだね。
……あ、キミ以外か、ははは。

(耳かき終了)

(小声) ふふ……少しくらい引き留めてほしかったな……
ふー……
はい、おしまい。

え?……さあ、なんのことかな?
そんなことより、ほら、キミの耳かき棒。返しておくね。
……あのくらい一瞬で直せるさ。僕を見くびらないでおくれよ。

ほら、早く帰った方がいいんじゃない?
愛しの妻が待ってるよ。

僕はこの秘密基地をもう少し堪能していくから。
……うん、じゃあ彼女によろしく。
それじゃ……またいつかどこかで、ね。
(扉を閉める)
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
ボクっ娘耳かき棒職人の激重失恋耳かき~耳かきが違法になった世界で~
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
あまに
ライター情報
耳かき音声台本を書きます。
トンデモあほあほ世界観が好きです。
たまに続き物っぽいのを書きますが、基本単体でも使えるようにしてあるので適当につまんでいただければ幸いです。

台詞回しやアドリブ等、ご自由に改変していただいて構いません。
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