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【男性向け】女戦士の嗤い【ヤンデレ】
written by 平 朝臣
  • ファンタジー
  • シリアス
  • ヤンデレ
  • 女戦士
  • 嫉妬
  • ケルト神話
  • アルスター物語群
  • パロディ
  • オマージュ
公開日2021年06月05日 18:00 更新日2021年12月07日 22:30
文字数
2195文字(約 7分19秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
女戦士
視聴者役柄
女師匠の弟子
場所
古代アイルランド
あらすじ
Prev→【男性向け】女師匠の笑い【ヤンデレ】

女師匠によって、女戦士(演者)討伐の命を与えられた弟子(視聴者)は、 激しい一騎討ちの末、女戦士に勝利する。
しかし、彼は、女戦士を斬首するどころか捕虜とし、さらには、配下の部族まで赦してしまう。
これに対して、彼が率いる王国の軍人は猛抗議するが、それでも、彼は意志を曲げることはなかった。
結局、紆余曲折はあったものの、女戦士を捕虜にすることを認めさせ、王国まで護送することとなる。
しかし、王国まであとわずかな距離に迫った時、馬車に同乗する女戦士の口から、衝撃の事実が明かされるのであったーーー。

Next→【女師匠の笑い】悲しき女師匠【続編】
本編
(某国に向かう馬車の中において)


SE:馬車に揺られる音(終わりまで流し続けて下さい)


...もうすぐで、城に着くのか。

退屈な旅も、これで終わりだな...。

...アァン?

なんで、そこまで暢気なのか、だと?

#まるで意に介さないといった感じで笑いながら

ハン...別に、いいじゃねぇか。

捕虜だからって、しおらしくしてなきゃいけない道理なんてねぇしな。

それよりも、良かったのか?

姉貴には、アタシが一騎討ちで死んだって、ウソの報告させておいてよ。

帰ったら、ただじゃ済まされねぇぜ?

アンタこそ、ずいぶんと暢気じゃねえか。

確かに、アンタとの一騎討ちに負けて、アタシらは全面降伏したけどよ...。

アンタは、姉貴に、アタシの首を持ち帰るように言われたんだろ?

つまり、それだけ、アタシは、目の敵にされてるってことだ。

ま、それも仕方ねーか...。

姉貴との戦いに負けて追い出されたら、姉貴に反感を持つ部族にせがまれちまってな...。

姉貴に対する復讐もあったけど、あいつらも、姉貴にひどい目に遇わされてたのを知ったら、黙ってられなかったんだよ。

#沈痛な面持ちで

...だけど、その戦いの中で、大勢の無関係な国民まで巻き込んじまった...。

それを、いくら後悔して謝ったところで、悲しみや憎しみが消えることはない...。

それくらい、傷痕は深いんだよ...。

だからこそ、アタシ一人の首で、この戦争をスッキリ仕舞いにするのが一番だと、思ってたんだ...。

けど、アンタはそうしなかった。

一騎討ちで負けたアタシの首を切るどころか、捕虜にした上に、配下の部族まで許しちまった。

当然、アンタらの軍人は猛抗議さ。

それでも、アンタは、頑として譲らなかった。

おかげで、部族のやつらは、アンタにすっかり惚れ込んじまったよ。

アンタもアンタで、部族の嘆願を聞き入れた後は、一緒に大宴会まで開いてるしな。

しかも、アタシまで参加させられんだから、訳分かんねーよ...。

...それも含めて全部姉貴に説明する、って...オイオイ、大丈夫かよ...。

ハァ...なんで、捕虜のアタシが、アンタの心配しなきゃいけないんだか...。

#吐き気を催す

っぷ...んぐっ!

ハァ、ハァ...。

わりぃ...ちょっと酔っちまった...。

...心配すんな。

この程度、1ヶ月前の宴の二日酔いに比べれば、大したことねーよ。

...ん?

どうした?

いきなりバツの悪そうな面してよ。

...って、ああ、そういうことか...。

別に、アタシは気にしてねーよ。

#恥ずかしさで段々声が小さくなりながら

宴の後に、酔っ払った勢いでアンタと、その...。

#気恥ずかしさを誤魔化すように

...だああ、もう!

いちいち説明させんなよ、恥ずかしい!

あれは、もう終わった話だろうがよ、全く...。

...そういえば、アンタ、姉貴の弟子なんだってな。

どうりで強いわけだ。

姉貴には負けっぱなしだな、ホント...。

あ、でも、一つだけ勝ってるかも。

多分、アタシの方が姉貴より初体験が早いな。

...ハハハ!

なに慌ててんだよ。

もしかして、姉貴ともそういうこと、シたことなかったのか?

...って、その反応見るとマジみてーだな...。

アンタみたいな男、姉貴が唾つけてても全然おかしくねーんだけど...。

いや...むしろ、姉貴だからこそ、アンタには手を出さなかったのかもな...。

ちなみに、アンタは姉貴のこと、どう思ってるんだ?

尊敬する師匠か?

#不安混じりに

それとも...好きな女だったりする、のか...?

...恩師ではあるがそういう感情はない、か...。

#口元を歪ませながら

その答えを聞いて、安心したぜ。

最後の最後で、アタシは姉貴に勝ったんだな...。

...どういう意味かって?

教えてほしいか?

これは、あくまで、アタシの推測だけどな...。

姉貴は、アンタを、王に迎えるつもりだと思う。

要するに、アンタと結婚したいってことだ。

まぁ、驚くのも無理ないか。

でもな....アンタは、自分が思ってる以上に特別なんだよ。

おそらく、アンタを弟子にした時点で、姉貴もそう思ったはずだ。

それだけならまだ良いんだが、問題は、なぜアンタを戦場に送り出したか、だ。

普通なら、いくら有望とはいえ、可愛い弟子を、重大な戦いに関わらさせたくないはずだ。

つまり、姉貴の真の狙いは、アンタに、民衆が認めるほどの武名を挙げさせることだったんじゃないかと思う。

そうすれば、周囲を納得させた上で、アンタを王に据えることができるからな。

#嘲笑する

クヒヒッ...だがな、それも全てご破算だ。

アタシには、姉貴の計画を覆すほどの切り札がある。

それは...。

#右耳、至近距離、囁き

アンタとアタシの子供だ...。

#正面、通常距離に戻る

クヒヒ...驚いたか?

実はな、姉貴の狙いに気づいたアタシが仕組んだんだよ。

一騎討ちで負けて捕虜にされた時、アタシはアンタに一目惚れした。

だけどな、姉貴に一度ならず二度負けた上に、アンタまで奪われるのを考えたら、気が狂うほどムカついた。

だから、アタシは考えた。

どうしたら、姉貴に勝てるのかを...。

そして、思いついたんだ...。

アンタの子供を身籠ってしまえば、アンタの性格上、姉貴と結婚するのを躊躇うはずだ、ってな...。

部族の連中が宴会を提案したのも、そこにアタシがいたのも...。

そして、アンタを酔わせた上で、媚薬を盛って、アタシを襲うように仕向けたのも...。

全部ッ!

アタシの計画通りだったってことだ...クヒ、クヒヒヒ...!

まぁ、でも、まさか一発でデキるとは思わなかったけどな。

こればっかしは運任せだからな。

さぁてと...アンタはどうするんだ?

もうすぐ、姉貴とご対面だぜ?

今更逃げるわけにもいかねーだろうし、そもそも、アタシが逃がさねーけどな。

姉貴とアタシ、どっちを選ぶか...ハッキリ答えるんだな...。

クヒッ...クヒヒヒヒ!
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
【男性向け】女戦士の嗤い【ヤンデレ】
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
平 朝臣
ライター情報
タイラ トモオミ
 初めまして。
 平朝臣と申します。
 ヤンデレを題材にしたシリアスな作品が多めですが、耳かき系も少数ながらありますので、どうぞお楽しみください。
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