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公開日2021年06月05日 18:00
更新日2021年12月07日 22:34
文字数
1547文字(約 5分10秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
女師匠
視聴者役柄
弟子&少年
場所
古代アイルランド
あらすじ
Prev→【男性向け】女戦士の嗤い【ヤンデレ】
その王国は、暗い霧に包まれていた。
理由は、陰気な女王(演者)と、それを刺激することを恐れる臣民たちによるものである。
彼女は、かつての弟子(視聴者)との失恋を忘れられず、悲しき笑いと共に、涙を流していた。
しかし、年端もいかない1人の少年(視聴者)が、彼女を訪ねた時、止まっていた物語が再び動き出すこととなるーーー。
Next→【女戦士の嗤い】哀しき女戦士【続編】
その王国は、暗い霧に包まれていた。
理由は、陰気な女王(演者)と、それを刺激することを恐れる臣民たちによるものである。
彼女は、かつての弟子(視聴者)との失恋を忘れられず、悲しき笑いと共に、涙を流していた。
しかし、年端もいかない1人の少年(視聴者)が、彼女を訪ねた時、止まっていた物語が再び動き出すこととなるーーー。
Next→【女戦士の嗤い】哀しき女戦士【続編】
本編
(某国の王城内にある、王の間にて)
(1人、玉座に腰掛け、頬杖を突きながら)
#ため息を吐く
はぁ...。
#1回目よりも、深いため息を吐く
...はあぁ...。
(以下、独白パート)
#鬱屈した顔で
陰鬱だ...。
もはや、あの忌まわしい記憶を想起することすら、億劫な気分だ...。
だが、永久 に忘れることもないだろう...。
14年前の、あの日のことは...。
あの日、私は、生涯最高ともいえる幸福感に包まれていた...。
師匠と弟子という間柄から解き放たれ、ようやく、あやつと夫婦になれるのだと疑っていなかった...。
あやつが、捕虜となった女戦士を、伴って現れるまでは...。
その姿を見て、私は勿論、凱旋パレードに詰めかけた民衆も、愕然としていたことを覚えている...。
そして、不穏な空気が漂う中、あやつは女戦士を引き連れながら、堂々と入城を果たした...。
しかし、本当の悪夢は、その後だった...。
あやつは、女戦士配下の部族らに対し、待遇改善を約束して降伏させたことを報告し...。
さらに、あやつ自身の戦功と引き換えに、女戦士の極刑を赦免して欲しいと嘆願してきた...。
当然、私は拒否した...。
反乱部族の処遇はまだしも、その首魁である女戦士の首なくして、国民が納得するはずもない...。
そして、何より、あやつを王に迎えることが不可能になってしまうからだ...。
だが、それでも、あやつは、一歩も退かなかった...。
そうして議論が平行線を辿っていた時、いきなり、女戦士が口を開いた...。
「コイツは、王になるつもりはないよ」、と...。
私が、呆気にとられるの束の間、あいつは嗤いながら、
「アタシが、コイツの子供を身籠ってるからな」
と、言い放った...。
あの時の衝撃は、筆舌に尽くしがたいものだった...。
その後のことは、正直、はっきり覚えていない...。
私が正気を取り戻した時、周囲は無残にも荒れ果て、夥しい数の屍が散乱していた...。
後で聞いたところによれば、狂気に支配された私が引き起こした惨劇らしく、あやつと女戦士はその混乱に乗じて、逃走を成功させたとのことだった...。
臣下はすぐに追えば間に合うと訴えたが、私は、それを退けた...。
そんなことをしても、あやつが戻ってこないことを、直感的に理解していたからだ...。
より正確には、私とあやつが、共に添い遂げる未来が、訪れないことを...。
そう...私は、ただ舞い上がっていただけだった...。
あやつが、私をただの師匠として見ていたことも知らず、一人で夢想していただけだったのだ...。
#自嘲する
くくく、はははは...全く、とんだお笑い草だ...。
あまりにも情けなくて、笑いが止まらん...。
#涙を流しながら
は、ははっ、ははははは...っ。
...いかんな、笑いすぎて涙が...っく...。
SE:ドアを叩く音
(独白パートが終了し、会話パートに突入)
#涙を拭い、女王の顔に戻る
っ...入れ。
SE:ドアの開閉音
#訝しげに
...誰だ、お前は。
随分と若いが、まさか新入りの召し使いか?
...弟子入りだと?
生憎だが、弟子入りの試練を乗り越えていない小僧をわざわざ抱えるほど、我も暇ではないのだ。
もう少し、大きくなってから...。
#信じられないといった様子で
...何?
試練は既に突破した?!
SE:玉座から立ち上がる音
しかも、一人でだと!?
...信じられん。
この若さで、しかも、単身で突破するなど...。
...お前、少し顔を見せろ。
#少年の顔を見つめた後に、呟く
...似ている...。
何もかもが、初めて会った時のあやつに...。
...手紙?
しかも、お前の母からだと?
よかろう、見せてみろ。
SE:手紙を開く音
(しばらく目を通す)
#哄笑する
...くくっ...はははは!!
なるほどな。
あいつめ、中々面白いことを考える。
いいだろう。
ちょうど、我も、退屈していたところだったからな。
#少年に向き直り
...さきほどの答えは、撤回する。
お前の弟子入りを、特別に認めてやろう。
ただし、先に言っておくが、我の修行は厳しいぞ?
それでも、よいか?
...ふっ、良い返事だ。
#どこか懐かしむように
やはり、お前は、あやつによく似ているな...。
ふふふ...はははは!!
(1人、玉座に腰掛け、頬杖を突きながら)
#ため息を吐く
はぁ...。
#1回目よりも、深いため息を吐く
...はあぁ...。
(以下、独白パート)
#鬱屈した顔で
陰鬱だ...。
もはや、あの忌まわしい記憶を想起することすら、億劫な気分だ...。
だが、
14年前の、あの日のことは...。
あの日、私は、生涯最高ともいえる幸福感に包まれていた...。
師匠と弟子という間柄から解き放たれ、ようやく、あやつと夫婦になれるのだと疑っていなかった...。
あやつが、捕虜となった女戦士を、伴って現れるまでは...。
その姿を見て、私は勿論、凱旋パレードに詰めかけた民衆も、愕然としていたことを覚えている...。
そして、不穏な空気が漂う中、あやつは女戦士を引き連れながら、堂々と入城を果たした...。
しかし、本当の悪夢は、その後だった...。
あやつは、女戦士配下の部族らに対し、待遇改善を約束して降伏させたことを報告し...。
さらに、あやつ自身の戦功と引き換えに、女戦士の極刑を赦免して欲しいと嘆願してきた...。
当然、私は拒否した...。
反乱部族の処遇はまだしも、その首魁である女戦士の首なくして、国民が納得するはずもない...。
そして、何より、あやつを王に迎えることが不可能になってしまうからだ...。
だが、それでも、あやつは、一歩も退かなかった...。
そうして議論が平行線を辿っていた時、いきなり、女戦士が口を開いた...。
「コイツは、王になるつもりはないよ」、と...。
私が、呆気にとられるの束の間、あいつは嗤いながら、
「アタシが、コイツの子供を身籠ってるからな」
と、言い放った...。
あの時の衝撃は、筆舌に尽くしがたいものだった...。
その後のことは、正直、はっきり覚えていない...。
私が正気を取り戻した時、周囲は無残にも荒れ果て、夥しい数の屍が散乱していた...。
後で聞いたところによれば、狂気に支配された私が引き起こした惨劇らしく、あやつと女戦士はその混乱に乗じて、逃走を成功させたとのことだった...。
臣下はすぐに追えば間に合うと訴えたが、私は、それを退けた...。
そんなことをしても、あやつが戻ってこないことを、直感的に理解していたからだ...。
より正確には、私とあやつが、共に添い遂げる未来が、訪れないことを...。
そう...私は、ただ舞い上がっていただけだった...。
あやつが、私をただの師匠として見ていたことも知らず、一人で夢想していただけだったのだ...。
#自嘲する
くくく、はははは...全く、とんだお笑い草だ...。
あまりにも情けなくて、笑いが止まらん...。
#涙を流しながら
は、ははっ、ははははは...っ。
...いかんな、笑いすぎて涙が...っく...。
SE:ドアを叩く音
(独白パートが終了し、会話パートに突入)
#涙を拭い、女王の顔に戻る
っ...入れ。
SE:ドアの開閉音
#訝しげに
...誰だ、お前は。
随分と若いが、まさか新入りの召し使いか?
...弟子入りだと?
生憎だが、弟子入りの試練を乗り越えていない小僧をわざわざ抱えるほど、我も暇ではないのだ。
もう少し、大きくなってから...。
#信じられないといった様子で
...何?
試練は既に突破した?!
SE:玉座から立ち上がる音
しかも、一人でだと!?
...信じられん。
この若さで、しかも、単身で突破するなど...。
...お前、少し顔を見せろ。
#少年の顔を見つめた後に、呟く
...似ている...。
何もかもが、初めて会った時のあやつに...。
...手紙?
しかも、お前の母からだと?
よかろう、見せてみろ。
SE:手紙を開く音
(しばらく目を通す)
#哄笑する
...くくっ...はははは!!
なるほどな。
あいつめ、中々面白いことを考える。
いいだろう。
ちょうど、我も、退屈していたところだったからな。
#少年に向き直り
...さきほどの答えは、撤回する。
お前の弟子入りを、特別に認めてやろう。
ただし、先に言っておくが、我の修行は厳しいぞ?
それでも、よいか?
...ふっ、良い返事だ。
#どこか懐かしむように
やはり、お前は、あやつによく似ているな...。
ふふふ...はははは!!
クレジット
ライター情報
初めまして。
平朝臣と申します。
ヤンデレを題材にしたシリアスな作品が多めですが、耳かき系も少数ながらありますので、どうぞお楽しみください。
平朝臣と申します。
ヤンデレを題材にしたシリアスな作品が多めですが、耳かき系も少数ながらありますので、どうぞお楽しみください。
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