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三途の川の向こう側で女の子がめっちゃ手招きしてくる……!?
written by らくがき
  • 別れ話
  • 甘々
  • 切ない
  • 片思い
  • 少女
公開日2024年01月29日 19:00 更新日2024年01月29日 17:20
文字数
1511文字(約 5分3秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
三途の川のお姉さん
視聴者役柄
不慮の事故で生死を彷徨う僕
場所
冥界の狭間
あらすじ
不慮の事故で生死の境を彷徨っているあなたは、三途の川の向こう側で手を振ってくる少女に出会います。
彼女はとても楽しそうに話しかけてくれるので、なんだか少し楽しい気分になります。
しかし、現世に戻る旨を伝えると、彼女は心の底から悲しそうな様子で送り出してくれるのでした……。
本編
おーい。おーーい。

こっちこっち~~!

こっちですよう。

私の声、聞こえてますかー?

え? なんですかぁ~? よく聞こえませーん。

もっとこっちに近寄ってくださーい。

(主人公は女の子のほうへと近づく)
(SE:足音)

はい、これで少し話しやすくなりましたね。

……ここは一体どこなのかって?

よくぞ聞いてくれました。

ここはあの世とこの世の境目。

そして、私たちの間に流れているこの川こそが、『三途の川』です。

つまるところ、私の立っているこちら側が冥界で、あなたの立っているそちら側が、ギリギリ現世(うつしよ)ということになりますね。

どうして自分がこんなところにいるかわからない……?

ふーむ、どうやらあなたは交通事故に遭って、生死の境をさまよっているみたいですね。

人生、不運なことはつきものですからね、仕方ないですよう。

ほらほら、あなたもこっちに来てくださいな。

……え、絶対に行きたくない、ですか。

まあまあ、そうは言わずに、ちょっとくらい良いじゃないですか。

先っちょだけでいいですから。ほんの少しだけ~~!

……むう、ダメですか。

でも、こちら側には物凄く楽しいものがたくさんありますよ?

あの世にはたくさん時間がありますからね。

迷える魂たちが飽きることのないようにいろんなものがあって、娯楽施設も完備されてるんですよ!

遊園地なんかもあるんですよ。ジェットコースターからお化け屋敷まで何でもそろってます!

え、お化けになりかけてるのは自分のほうだ……ですか。

まあ、それはたしかに否定しませんが。

それに、遊園地には現世でも行けるから大丈夫……?

本当ですか?

あなたって、友達とかいなさそうじゃないですか。

それなのに、遊園地に行けるんですかぁ~?

あ、顔を逸らしましたね。

やっぱり図星でしたか。

ふふっ、でもでも~、あなたがこちら側に来るんだったら、遊園地、私が一緒に行ってあげますよ。

もしかしたら、手も繋いであげちゃうかも。

……その手には乗らない?

そうですか、やっぱりきてくれないんですかぁ。

残念だなぁ……

(※じゃれあうように無邪気な感じで)
ふふっ、でも私、あなたとお話するのとっても楽しいです!

もっとたくさんお話しできるようになるのが楽しみだなあ。

いつになったらこちら側に来てくれるんですか?

(少しの間:5秒くらい)

(※驚きと困惑が隠せない様子で)
……え、こっちには……こない?

本当に来ないんですか?

三途の川が見えてるのに、本気で現世に戻ろうとしてるってことですか?

家族が心配しているし、生きている間にやりたいことがまだたくさんある……ですか。

(数秒の間)

そりゃ、そうですよね。

誰だって死にたくない……ですよね。

私、ずっとここに一人でいて……正直とても寂しかったんです。

だから、あなたを見つけた時、とても嬉しくて、思わず声をかけちゃいました。

……あなたとお別れしたら、私、またひとりぼっちです。

お別れ……したくないです。

……それなら、一緒に現世に帰ろう……ですか?

(※とてもうれしそうに)
……嬉しい……です。

とっても嬉しいですっ!

(数秒の間)

(※できるだけ冷静を装って)
……だけど、それはできません。

あなたといるのはたしかに心地がいいし、いつまでも一緒にいたいけど……

でもやっぱり、私にはその資格はないんです……。

だって私、死んじゃいましたから。

(※少し悲しそうにぽつりと呟く感じで)
そろそろ時間か……

あーあ、なんだか私、あなたのこと飽きちゃいました。

あの世に連れて行こうと思ったけど、やーめた。

あなたはまだ現世で過ごしていてください。

死ぬのはまだ先でいいです。

え、寂しい?

何馬鹿なことを言ってるんですか。

本当に死んじゃいますよ。

私はいつまでも、あなたのことをここで待っています。

いつまでもいつまでも、待っています。

だから、いつか会えるそのときまで、さよなら。
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
三途の川の向こう側で女の子がめっちゃ手招きしてくる……!?
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
らくがき
ライター情報
2024年からフリー台本を書き始めた、新米のフリー台本書くマンです。
pixivでもフリー台本を投稿しています。

まずは100本を目標にいろいろなジャンルの台本を書こうと思っています。
読む人が読みやすく、いい台本をたくさん作りだせるように頑張ります!
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