耳かきがくせになってる弟くんの部屋に、とつぜんお姉ちゃんがやってきて『耳かきしすぎ』と綿棒を取り上げた。弟くんは綿棒を没収されて耳汚いなったらどうするのかと聞く。そんなときはお姉ちゃんが耳かきすると言ってくるけど……。

１：お姉ちゃんがやってきた
（場所：弟くんの部屋）
（SE：勢いよくドアを開ける音）

（位置：正面　少し遠め、しゃべりながら近くに移動）
（偉そうに）
あ～！　また耳かきしてる～。
やましいことなんてないって顔してもダメ～。

耳かきって気持ちいいけど、やりすぎは耳に悪いんだよ～。

綿棒没収～、没収しま～す。

じゃあ、耳汚いなったらどうするのかって？

（嬉しそうに）
そりゃ～もちろん、

（位置：正面　近く→右　至近距離）
（優しい声でささやく）
お姉ちゃんがしてあげる……。

（位置：右　至近距離→正面　近く）
（自慢気に）
不安にならなくていいよ～。
お姉ちゃんのお耳管理だよ。
お姉ちゃんの器用さ、知らないでしょ？

えんぴつとお箸の持ち方もキレイだし、
プラモデルだって作れるし、
キーボードでもフリック入力でも、
ブラインドタッチでできるんだよ～

関係ない？　あるの～。

そこまで疑うなら証明するよっ。

（位置：正面　近く→右　中）
（SE：ベッドがきしむ音）
（楽しそうに）
今から耳かき、してあげる。
勝手にひとのベッドに乗って偉そうに～、
とか文句言わないっ。

弟くんはお姉ちゃんに甘えるものなの～。
（SE：太ももを軽く叩く）
（優しい声で）
ぽんぽん、おいで。

（SE：弟が枕に乗る音）
（位置：右　中→やや上　近く）
頭は枕じゃなくて……ここでしょ？
（SE：太ももを軽く叩く）

（ねだるように）
お姉ちゃんのひざまくらっていう
最高の寝具があるんだから、
こっちに頭乗っけてよ～。

（位置：やや上　近く→やや右　近く）
（あおりながら）
ぷいっとそっぽ向いちゃって、
恥ずかしいの？

弟くんはつよつよ男の子なのに、
お姉ちゃんにひざまくらされるの
意識しちゃうの？

別にお父さんにもお母さんにも
友達にも言わないよ。

（少し呆れて）
それでもツンツン態度……。

（優しいため息）
ふぅ……。
（優しい声で）
必要以上に耳かきしちゃうのは、
イライラしてるからだって聞いたことあるんだ。

弟くんはいろいろいっぱいがんばってるもんね。

（SE：弟が照れ隠しに動いて、布と髪がこすれる音）
（偉そうに）
いっひひ……。
弟くんのがんばりをお姉ちゃんが知らないと思った？
だってお姉ちゃんなんだよ。
理由になってないとか言わせないからね。

（優しい声で）
いろいろがんばってる弟くんは、
がんばらない時間を作るのが大事かなって思うんだ。

お姉ちゃんに甘えるだけの時間を作って、
身も心も休めようよ。

もし、そんな風に考えるのが難しいなら、
お姉ちゃんが甘えてきたと思って相手してよ。
お姉ちゃんが部屋に来るからやりたいことに集中できない。
追い返すにはお姉ちゃんのワガママを聞くしかないって。

（嬉しそうに）
「しかたないな～」って
そうそう。それでいいんだよ。

（精いっぱいの優しい声で）
お姉ちゃんのひざまくらにおいで。

２：お姉ちゃんの右耳かき
（SE：弟の頭がひざの上にやってきて、髪がこすれる音）
（位置：右　近く）

（くすぐったくも嬉しそうに）
んっ、ちょっとくすぐったいけど、気持ちいい？かも？

（嬉しそうに）
そ～れ～に～、
自分からお姉ちゃんに右耳を向けられてえらいぞ。

顔をそらしただけ？

（あおるように）
照れ屋さ～ん、かわいい弟くんだこと～。

（10秒くらい息遣い）

お姉ちゃんを見るのが恥ずかしかったら、
目をつむってていいんだよ。
ちょうどいいから目を休めると思って、ね？

こういうふうに言うと聞いてくれるんだ。
あ、目を開けちゃダメでしょ～。
ぎゅ……。

（優しい声で）
ちゃーんと自分でまぶたを閉じてて。
耳かきするときはからかったりしないから。

うん、いいこ。
それじゃ始めるよ。

まずはお耳の外側から、
（SE：右耳の外側耳かき、続ける）
（ささやき声、続ける）
……すりすり。

自分でするのと違うよね。
くすぐったいかも……しょりしょり。

（10秒くらい息遣い）

（物足りなさそうに）
ん～、でも普段から耳かきしちゃってるから、
あまり汚くないなぁ。
やりがいないかも……さわさわ。

（優しい声で）
ごめんね、心配させちゃったね。
耳かきやめたりしないよ。
耳かきの音を楽しんでくれれば、
それでいいかなって思うんだ。

感触だけじゃなくて、音も気持ちいいもんね。

（10秒くらい息遣い）

人間の感覚っていい加減で、
音とか匂い、目で見たとかだけでも、
実際に触られてたり、味わってたり、
その場にいるみたいに勘違いしちゃうらしいよ。

（10秒くらい息遣い）
（SE止め：右耳の外側の耳かきここまで）
だから耳かきしなくても……、

（位置：右　近く→至近距離）
（くすぐるようなささやき声で）
さわさわ……しゅっしゅ……すりすり……
せこせこ……そそそそ……。

（位置：右　至近距離→近く）
（くすくす笑いながら）
（ささやき声、ここまで）
って感じでも耳かきされてるみたいに
気持ちよくなれるかもしれないね。

あ～、弟くんもしかして……
（位置：右　近く→至近距離）
（くすぐるようなささやきで）
わたしの声で気持ちよくなっちゃった？

（SE：弟がモゾモゾして布と髪がこすれる音）
（位置：右　至近距離→近く）
（楽しそうに）
ちょっと、逃げないの～。
むぎゅ。

（位置：右　近く→至近距離）
（弟の頭に抱きついてこもった声で、続ける）
弟くんの耳を傷めずに気持ちよくしてあげるために、
こうしてお姉ちゃんが工夫を凝らしてるんだから。
いろいろ試させてよ～。

（誘惑するように）
そ～れ～に～、
耳の中も綿棒でこすこすしてほしいでしょ？
こっちが本命なのに、やめちゃっていいの？
ぜったい気持ちいいよ？

（SE：弟がうなずいて髪がこすれる音）
（楽しそうに）
そうこなくちゃ。
ん？　息しづらいから離してほしかった。
えへへ、ごめんね～。

（SE止め：弟を開放する。こもった声ここまで）
（位置：右　至近距離→近く）
はい、位置調整～。

お姉ちゃんに見やすい位置に頭を戻して……
（SE：弟の頭がひざの上で動いて髪がこれる音）
（くすぐったくも嬉しそうに）
んっ……。ひざの上で動くたびにくすぐったい……。

でもでも、お姉ちゃんはくすぐったいのと
気持ちいいのが同じくらい。
弟くんはどうかな？
気持ちいいのはお互い様かな？
あ、恥ずかしいと思うから答えなくていいよ。

（楽しそうに）
さぁ～て、お待ちかねの耳の奥に
綿棒しつれいしちゃうよぉ……ずずずずずっ。
※「ず」は五回ですが、気持ちいいと思う数を言っていただければ良しです。

（位置：右　近く→至近距離）
（SE：右耳穴の耳かき、続ける）
（ささやき声、続ける）

じゅりじゅり……じょりじょり。
耳かきしてあげてるお姉ちゃんも、
今弟くんが気持ちいいんだなって思っちゃうくらい、
いい感じで耳かきできてる。

ほぉ～ら、お姉ちゃんの言った通り、ずりずり……
って、お姉ちゃんに耳かき任せて正解でしょ？

まだわかんない？
ごうじょー（強情）だなぁ……ごりごり……。

そんなこと言ってても……くるくる……。
って、お姉ちゃんにわからされちゃうぞ……。
ぞりぞり……ずりゅずりゅ……。

ぜったい負けないなんて、
ちょっとテンプレすぎる答えだけど……。
（SE止め：右耳穴の耳かき、ここまで）

（右耳に耳吹き）
ふ～。

（楽しそうに）
えへへ、気持ちいいでしょ？

（右耳に連続で耳吹き）
ふっふっふ～。

お耳ふ～は仕上げだよ～。
からかってるとかじゃないからね～。

もっとしてほしくなっちゃった？

（はにかみながら）
だ～め。
左耳もキレイキレイしなくちゃなんだから。

（ささやき声、ここまで）
（優しい声で）
くるって反対向いて？
あ、起き上がらなくていいよ。

寝返りうって。

一度起きて寝るなんて疲れちゃうから、
ごろ～んってして。

（おねだりするような声で）
お姉ちゃんの太ももを
弟くんの髪でくすぐってほしいな。

（照れくさそうに）
あはは。お姉ちゃんも変なお願いしたなって思ってる。

（優しい声で）
でもね、お姉ちゃんの太ももに甘えてほしいから、ね。

（楽しそうに）
はい、ごろ～ん。


３：お姉ちゃんの左耳かき
（位置：左　近く）
（気持ちよさそうに）
ん～。弟くんがひざの上でゴロゴロ♪
くすぐったいのが、気持ちよくなってきちゃった♪

耳かきと同じかも。

（あおるように）
なにその顔～？
もしかしてえっちとか思っちゃった？
お姉ちゃんのおひざでゴロゴロしたいって思っちゃった？

（10秒くらい息遣い）

さっさと左耳もしてくれって？
も～、おねだりさんなんだから～。

（優しい声で）
まっ、耳かきしてほしいならいいよ。
かわいい弟くんのために、してあげる。

さっきと同じで、お耳の外側から……
（位置：左　近く→至近距離）
（SE：左耳の外側耳かき、続ける）
（優しいささやき声、続ける）
かしかし……。
左耳はちょっと汚れ残ってるね。

けしけし……左耳はやりづらいのかな。
こういうときはお姉ちゃんにまかせてくれれば……、
左右どっちもキレイキレイなるよね……こしゅこしゅ

だ～か～ら～、お姉ちゃんに、お耳管理任せてよ。
くりくり……毎日はお耳に悪いから、
お姉ちゃんが定期的に、かさかさしてあげる。

あ、でも弟くんは耳をキレイにしたくて、
耳かきしてるんじゃなかったね。
なんか矛盾した言い方だけど、うん、
そうだったそうだった。
（SE止め：左耳の外側耳かき止める）

（くすぐるような声で）
かさかさ……きれいきれい……くりくり……
けしけし……こりこり……。

（位置：左　至近距離→近く）
こうして言葉で耳かきならどうかな？
これなら毎日してもお耳に悪くないよ。

（楽しそうに）
お姉ちゃんも楽しいから、いい提案だと思うな～。
頭なでなで、いいこいいこ、わしゃわしゃも
オプションでつけられるよ？

……えっちなお店みたいだって？
（ささやき声、ここまで）
（あおるように）
弟く～ん、なぁ～んでそんなこと知ってるのかなぁ～？

お姉ちゃんは言われて気がついたよ。
えっちなお店なんて言わなきゃ、
弟くんは恥ずかしい思いをしなかったのにね～。

（位置：左　近く→やや上　近く）
（SE：弟が動いてふとんがこすれる音）
ごめんごめん。
おふとんに逃げないでよ、も～。

（優しい声で）
左耳の中はやさ～しく、
こりこりしたげるから～。

（10秒くらい息遣い）
（位置：やや上　近く→左　近く）
……うん、気持ちよくだったね。

（SE：弟の頭がひざの上で動いて髪がこすれる音）
戻ってきてくれてありがと。
それじゃ……

（位置：左　近く→至近距離）
（SE：左耳穴の耳かき、続ける）
（ささやき声、続ける）
耳の中にくるくるくる……。
綿棒を回しながら入れられるの、
よかったでしょ。

今思いついた。
（自慢気に）
こういうことできるなんて、
お姉ちゃんは耳かきのセンスあるかも♪

（優しい声で）
でも、やりすぎちゃうとよくないかも。
くるくる綿棒は、お姉ちゃんのとっておきにしよう。

こしこし……こすこす……こそこそ……。
左耳の中も、ちょっと耳垢ある。

からかったりしないから、
動かないでね……。

かさかさ……かしかし……取れた……。

（SE止め：左耳穴の耳かき、ここまで）
えへへ……弟くんの左耳もキレイにできたよ。

仕上げに……
（耳吹き）
ふ～。

（SE：弟の頭がひざの上で動いて髪がこすれる音）
はい、動かない。
（連続で耳吹き）
ふっふっふ～。

お姉ちゃんにお耳管理を任せてもらえたら、
お耳ふ～も、いっぱいしてあげる。
耳かきよりはお耳に悪くないと思うんだけど、
一応調べておくね。

不思議そうな顔してる。
なんでそんなに耳を傷めないように気をつかうのって？

（偉そうに）
弟くんってば、
そもそもお姉ちゃんがここに来た理由忘れてない？

弟くんに耳かきするためじゃなくて、
弟くんが耳かきし過ぎなのを注意しに来たの。
（ささやき声、ここまで）

（位置：左　至近距離→正面　近く）
（楽しそうな声で）
というわけで、綿棒はぜ～んぶ没収するよ～。
（SE：綿棒の入ったケースをガサゴソ）
持ってたら弟くんは自分で耳かきしちゃうでしょ？

ほら、ワガママ言ってもダメ～。

その代わり……
（位置：正面　近く→右　至近距離）
（ささやき声、続ける）
弟くんのお耳がせつなくなったらいつでも、
お姉ちゃんがお耳にささやいてあげるよ。

耳かきは月に一度っ。
わたしも楽しかったからまたしてあげる。

ホントに楽しかったから、
お姉ちゃんも毎日だって耳かきしたいよ。

（ささやき声、ここまで）
（位置：右　至近距離→正面　近い）
（嬉しくももどかしそうに）
おねだりしてもダメ～。
あまりお姉ちゃんの心を揺さぶらないでよ～。

い、いくら弟くんに耳かきするの楽しくても、
弟くんの健康的なお耳のためなんだから……。

（位置：正面　近い→左　至近距離）
（ささやき声）
お互い我慢しようね。

・台本（ゆるボイ！）
お姉ちゃんがお耳管理したいって言ってくる
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
雨竜三斗