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遭難先での世話好き姐さんと一緒に記憶を思い出しながら生活を送っていき、徐々に保護欲が強まっていき可笑しくなっていく。
written by 山鳥
  • 監禁
  • 看病
  • 拘束
  • 遭難
  • 記憶喪失
  • 姐さん
公開日2022年02月22日 23:32 更新日2022年02月22日 23:32
文字数
2338文字(約 7分48秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
遭難先のお世話好きの姐さん(現地人)
視聴者役柄
記憶喪失の青年
場所
南の島の小さな村
あらすじ
とある砂浜に打ち上げられ記憶喪失になった貴方は、一人の現地人のお姉さんに助けられ、共に過ごします。
共に過ごしていく中、貴方は現地人のお姉さんとの生活に充実感を抱いていきます。
そして生活を共にしていく中、貴方は徐々に記憶が思い出されて行き、貴方はとある貴族の一人息子だと分かります。
それは貴方を探しに来た捜索班により分かり、現地人のお姉さんと関係が徐々に変わっていき……。
本編
おーい、おーい、大丈夫か、あんた。
……駄目だね。意識がねぇな。
……にしても、変わった服をして
一体、どこのもんなんだい?
………こんな所にいるのも風邪をひかせそうだし、
しょうがない、連れて行くか。
追剥がいない、なんて無いわけだしね。

===

お、起きたかい。
っと、急に起き上がるんじゃないよ。
あんた、三日も寝たきりだったんだからよ。
大人しくしていなきゃ。

ほら、粥だよ。
あんたは意識は起きたかもしれねぇが、
起きた手の体に急に肉なんて食わせちまったら、
体が驚いちまう。
ほらよ。
どうしたんだよ。
ほら、食いなよ。
………もしかして、猫舌なのかい?
あぁ、それはすまないね。
ふー、ふー、ほら、これでどうだい?
食べれるだろ?
ほら、あーん。

どうだい? 美味しいだろう?
ふふっ、そうかい。
そう言ってくれると、作ったかいがあったってもんだい。
で、あんた、名前は?
分からない?
じゃあ、生まれは? どこから来たのかとかは………、
そうか……分からないのかい。
………(考えこむような声)
なら、ここにいないかい?
だって、何も分からないんだろう?
なら、思い出すまでいつまでもここに居ればいいさ。
あたしが面倒見てやる。
だから、ゆっくり、ここにいなさいな。
ふふっ、

===

あーい、あんたー。
ただいまー。
ほらよっと、今日のは大物だよ。
へへっ、村の男衆に頼まれて、つい狩りに参加したけど、
やっぱ狩りって言うのは楽しいね。
いい気分転換になる。
獲物目掛けて弓矢を打ち放つ、何手のも良いけど、
あたし自身、それだけじゃないと思っているよ。
仲間と獲物の駆け引きも、狩りの楽しみの一つさ。
獲物を追いかける、罠へと誘う、囲い、鉈や弓でしとめる。
あっちもこっちも命かけているからこその、
理解できるものがあるってものさ。

………にしても、あんた。
つい先日まで寝床で横になったいたのに、
もう起き上がっていいのかい?
……そうか、動かないと体がなまっちまうかい。
確かにね。
こんな辺鄙の場所だけど、天気のいい日ぐらいは、
こうやって外に出て、動いてみるのも一興だね。

何か手伝い?
そうだね? だったら、枯れ木などを集めてくれないかい?
この獲物は、あたしが捌くからさ。
そっちは病み上がりなんだからさ、家の近くでゆっくりと枯れ木を集めてくれよ。
今日は極上のもんを作りたいからね。
その為にも腹空かしながら待ってな。

===

記憶はどうだい?
……そうかい、少しずつ思い出しているのかい。
あたしだって嬉しいよ。
あんたが一つずつ思い出せているんだから、

けど、なんで、そんな顔を?
え、どんな顔って、悲しそうな……。

何でもないって、
………そ、そうかい。
じゃあ、一狩り行って来るさ。
あんたも出来る限り遠くに出歩くんじゃないよ。

===

なんだい⁉ あんたたち!
急に内に入り込んだと思いきや、その子を連れ去ろうとして!
………え?
その子が貴族の家の一人息子?
遭難届が、出ていて、ここまで?
ま、待ってくれ!
貴族の一人息子⁉
そんなこと………あぁ、そういや、記憶が無かったんだっけ。
はは……、
え? 連れて行く?
ま、待ってくれ!
少し、待ってくれ!
な、なんでって……、
ここで保護していた身として、その子と少し話をさせてくれないかい?
(出ていくときのSE)
………ありがとうね。
あんなこと言って貰って。
あたしだけだったなら、あんたの、家臣? とやらを追い返すのは無理だったよ。
………あんたは、どうしたい?
あの人たちに付いて行くのかい?

あたしかい?
あたしは………あんたの意思を第一にしたい。
あんたは、どうしたいんだい?
そうか、戻りたいのかい。
………………、
なら、あんたはここに出ていく準備をしな。
確か、明後日には迎えに来るという話だったからね。
だからあんたも出ていくんなら。準備をしな。
まぁ、困ったらあたしにも相談しな。
一応、君の保護者、だったからね。

(カチャ、と何かを握る)

………すまない。

(ごっ、と叩きつける音)

===
すまない、すまない。

(縛る音)

………っ、あ……、
あ、起きたかい?
あっ! そんな急に動いたら!

(ぎしっ)

ほ、ほら、い、痛いだろう?
ごめんよ、手足を縛らせて貰っているから……、
暴れたりすると、痛めてしまうよ。

なんで、こんなことを?
あ、えっと………すまない。
あたしは、あんたに出て行って欲しくなかった。
あんたにここに居て欲しかった。

……っ、分かっている。
これが、あんたが求めたものじゃないってことぐらい、
けど、本当に出て行って欲しくなかったんだよ!

こんな辺鄙な場所だけど、
あんたと一緒にいたいんだよ。
あんたとずっと過ごしたいんだよ。
離れたくないんだ。別れたくないんだ。誰かに取られたくないんだ。
ここで住んで、一緒に墓の中に入ろう?
なぁ、

……だめ、なのかい?
駄目なのかい?
あたしが男臭いからかい?
それとも、こんな辺鄙な場所が嫌なのかい?
……けど、ごめんよ。
あたしと一緒にここに住んでくれ。
一緒に居てくれ。
あたしにあんたの子供を宿させてくれ。
それで一緒に暮らそう?
一緒に過ごそう?
なぁ、御願いだ。
ここを去る、なんて言わないでくれ。

……そうかい、あんたの選択はそっちにするのかい。
分かったよ。
だけど……ここから出してやるものか。
あんたをここから逃がしてやるものか。
ごめんよ、悪いと、分かっているんだ。
酷い、と分かっているんだ。
けど、それ以上に、あたしはあんたと一緒に、
ここで過ごして、生きたいんだよ。
だからごめんよ。

………

===

え、あの子かい?
さ、さぁね。
あたし自身、あの日以降、あの子とはずっと喧嘩していたから。
こんな女の前にいるのは嫌になったんだろう?
出ていっちまったよ。
全部、あたしが不甲斐ないせいなんだ。
だから、あの子はここにはいないよ。
すまないね、家臣の皆様。

去ったかい、あは、あははははははっ!
あたしは、あたしは!
あの子を、あの子を! ………あははははははは………ぐぅ、っ~~~~~!
ふぅふぅ、あはは、あたしは一体、何をやっているんだ………。
あぁ、けど、あたしは……。
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
遭難先での世話好き姐さんと一緒に記憶を思い出しながら生活を送っていき、徐々に保護欲が強まっていき可笑しくなっていく。
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
山鳥
ライター情報
山鳥のハラミです。こちらでは【山鳥】と言う名前でやらせてもらっています。
こちらでも引き続き、ボイス台本を書いていくのでよろしくお願いいたします。
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