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世界を救おうとする勇者を愛して、冥府の国に閉じ込める無表情な女神様
written by 山鳥
  • ヤンデレ
  • ダウナー
  • アンドロイド
  • 監禁
  • 嫉妬
  • 女神
公開日2022年02月25日 11:33 更新日2022年02月25日 11:33
文字数
2514文字(約 8分23秒)
推奨音声形式
モノラル
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
機械的な話し方をする無表情な冥界の女神
視聴者役柄
世界を救おうとする勇者
場所
冥界
あらすじ
世界を救おうとする勇者。
そんな勇者、魔王軍が保持する秘宝《邪骨》を破壊するために、
魔王軍が信奉する冥界へと向かう。

冥界には恐ろしい女神がいて、勇者は剣を向ける。
だけど、女神はそんな事を気にしておらず、邪骨の破壊に協力的だった。
だがそれには条件があり……。
本編
ようこそ、世界を救おうとする勇者?
君は、私を殺すためにここに来たのか?
それとも、ここ、冥界に宿る禁断の果実を?
はたまた、冥界の試練を越え秘宝を?
まぁ、別に良い。
君がここに来てくれたのは、
私にとっても良い事だから。

まずは、ここまで一人で来るのは大変だったんじゃない?
だから、食事を………
嫌、か。
さすがに対策されているよねぇ(ボソッ)

まぁ、私も君と争う気は無い。
だから、その手に握りかけている剣を納めてくれない?
君たちで言うなら、
『平和的解決』と言うものをしたい。
ここでは、あらゆる武力抗争は許さない。
………はぁ、《その剣を下ろせ》。(威厳のある声)

どうした? 驚いたような顔をして、
手に握っていた聖剣を落としたことに驚いているのか?
まぁ、大抵は驚くだろう。
なぜならここは神の管理する死者の国ぞ?
生者の君が、この国に入国している時点で、
君の管理権は私にある。
君がどれほど抵抗し、剣を振るい、魔法を使おうとしても、
天界でも最高権威をもたらしたオリュンポスの末席として、
天界姉妹の長姉として、
君の抵抗は許さない。許させない。

分かった? 
今、私の手の上にあるのは、君の生殺与奪の権。
君の僅かの抵抗さえも、神の力を使えば、
君の命をいとも簡単に奪えるんだ。
まだ人の身である君では、私を殺すことはできない。

(指を鳴らす)

まずはそこに座れ。
平和的解決をしよう。
話し合いと言う奴だ。
知覚共有できないのが、人間の辛い所でもあるからな。

まぁ、君が剣を握った理由は分かっている。
人界では、私の事を邪神を崇められているからだろう?
それに神の身としても、半ば魔王軍にも崇められているからな。

どちらにせよ、今の私達には関係無い事。
………で、君がここに来た理由だが、
知っている。

魔王軍が保有する邪骨の破壊、だろ?
したければすればいい。
私にとっては無縁の長物、ガラクタと言うものだ。

だけど、条件がある。
条件は、私と食事をしてくれないか?
………無理、か。
まぁ、知っている。
君たちの世界では、冥界の食事は駄目なんだろう?
まぁ、知っていたが、こう何度も断られると、
私のハードにエラーが起きそうだ。

じゃあ、条件を変えよう。
酒は? 駄目と、
菓子、も駄目と、
君の命との交換も、許さないだろう。
うむ、どうするべきか………

はぁ、面倒くさい。
元より私らしくないが、失礼するよ。

(キスする)

どうだい?
神からの寵愛は、
なんだ? もしかして、初めてだったか?
なら、喜べ。
その初めて、この私が貰ってやった。

それ程顔をするとは、発熱器官にでも問題でも?
それとも体に異常が?
無いなら、大丈夫だ。
私も初めてだったからな(ぼそっ)

もう動けるぞ。
一時的な管理権を君に与えた。
冥界にいるものは傷付けることはできないが、
物を破壊する事ぐらい出来る。

では行くぞ、
邪骨の所まで案内する。
あのオブジェはこの冥界には明るすぎる。

(歩く音)

ここだ。
あそこにあるのが、君の求めている邪骨だ。
あとは君の勝手だ。

(硝子のようなものが壊される音)

破壊を選択するとは、
与えられた役目をきちんとやる、という事か。
いや、何とも思っていない。

……どこに行く、つもりだ?
……地上に戻る?
はて、何故だ?
君はこの冥界から出られないはずだが?

なぜ、とは?
私は君に生存権、一部の管理権を返しただけ。
それ以外は返却していない。
まず、冥界下りをする方が無様だと思うが?

………それに人界は危険が多い。
いや、君だけか。
君には、あまりにも危険が多すぎる。
君に隣にいる魔法使いや戦士、女騎士もいる。
ましてや召喚した国にもたくさんの敵がいる。
王様や宰相は君の命を狙っているし、
他国の官僚も命を狙っている。
それにお姫様や元の世界の、幼馴染かな?
それだけじゃないね、初めての村の村娘、
学校の後輩、義姉や妹、君の女友達、親戚の叔母さえも
君の事を一人の異性として、見ているね。
それだけじゃないね、この世界に潜む住人。
元の世界の住人。
挙句には天界さえも、君を欲しがる異性は多い?
気付かなかった?
………これも運命力か(ボソッ)

君のここに呼んだ女神だってそうだ。
最終的には、君を元の世界には戻さないが?
天界で君の事を閉じ込めるに決まっている。

だったら、この世界、
冥界で私と過ごさないか?
私自身、妻(おっと)を探していたんだ。
けど、見つからないから………。
だから、君を妻(おっと)にすることに決めたよ。

え? ならない?
魔王を倒して、元の世界に戻る?
はっ、《だから無理よ?》(威厳のある言葉)

君は、ここに居続ける。
嫌でもこの世界から抜け出せる事は無い。
さっき、君に口づけをした時に、
君の口には小さな種が入ったんだ。
君は、既にこの世界から出れない。
この冥界で、あらゆる飲食をしたものは、
この冥界から出ていくことはできない。
君の世界の神話でも、よく聞く話じゃないか。
ここに来る前に、仲間達から、
あの女達から忠告を受けなかった?
それに。この世界から出た所で、
すぐにここに戻ってくる。

……私のような女神とキスするのは悪くは無かっただろう?

それにあの女神だって最初は君の事は
ただ、才能があるから、と言う理由でこの世界に呼んだ。
失敗すれば変わりがやってくるだけだ。
だが私は違う。
君は為す、かつて、この世界で勇者と呼ばれるようなった青年と同じで、
君は与えられた役目を果たし、
我が伴侶になる。

どうかしたか?
あの女神は、君の活躍で惚れたポンコツだ。
私は君がこの世界に召喚された時から、
君と言う個体存在に惚れていたんだよ?

だから、君はここで我が妻(おっと)となる。
伴侶なり、夫となり、女王、いや王妃か。
この冥府の国の王妃となり、
死者たちから恐れられ、国母のように、
崇められる存在になる。
それの一体、どこに不満がある?

いわば神に成るんだよ?
なぜ、断る? なぜ、否定する? なぜ、拒む?
理解しがたい、不老不死になれると言うのに。

帰る、何としても、帰る、か。
………これがエラーか。
まぁ、いい。君はここから出られない。
君から全ての権利をはく奪。
私が君の所有権を保持しよう。
ここは冥界。
死者の国。
君をここから逃がさない。
誰一人として、

《剣を握ることも、戦う事も、抗う事も、私の命(めい)より許さない》
《私に嬲られる、遊ばれよ、我がものとなれ》
《我が妻となれ》
《勇者よ》
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
世界を救おうとする勇者を愛して、冥府の国に閉じ込める無表情な女神様
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
山鳥
ライター情報
山鳥のハラミです。こちらでは【山鳥】と言う名前でやらせてもらっています。
こちらでも引き続き、ボイス台本を書いていくのでよろしくお願いいたします。
有償販売利用の条件
世界観及び興味で使用してくださればよろし。
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