賢者の石を生み出した大魔導士の男は、その強大すぎる力を恐れ、彼女を封印しようとする。しかし、男のことを心から信頼していた彼女はその仕打ちに耐えられなくて…？

(目の前を歩く男を足早に追いかける)


待って、主様…わたしを置いていかないで…


…？着いたって…ここ、どこ？


えっ…わたしを、封印…？


それってどういう……ッ！？


(封印魔法をかけられる)


アッ…キャアアア！


なっ、なんで…⁉︎ わたし、何も悪いことしてないのに…！


き、けん…⁉︎ わたしのどこが危険なの…⁉︎


賢者の、石だから…⁉︎


でもそれを生み出すのが主様の悲願だって…！


わたしを生み出してくれた時はあんなに喜んでくれたのに、どうして…⁉︎


あ、はは…そっか…


わたしに宿る絶対的な力がいけないんだ…酷い話…


うん…勝手に生み出されて、勝手に封印されそうになって…こんな酷い話ないよ…


わたしは…主様の役に立ちたくて、それだけのためにいっぱい頑張ってきたのに…こんな終わり方ってないよ…


…泣くくらいなら、今すぐ封印を解いてよ。わたし、主様と別れたくない…


嫌…嫌だ…！このまま終わるなんて、絶対やだ！あああっ！！


(咆哮と共に封印魔法を打ち破る)


はぁ、はぁ…大人しく、封印なんかされてやるもんか…！


たとえ主様の命令でも、こればっかりは聞けない…！


人のカタチをして生まれてきた以上は…ちゃんとした人として生きたい…！


いくら主様でも、命を一方的に摘み取る資格なんてどこにもない…！


ねぇ、主様…？わたしのこと、泣くくらい愛してくれてるんでしょ…？


だったら封印なんてしないで…わたしと一緒に生きてよぉっ！


(魔力の波動で男を吹き飛ばす)


あっ…ごめん！力の加減ができなくてつい…！大丈夫…⁉︎


あ、主様…！嫌…そんな目でわたしを見ないで…！


わたし、主様に愛されなきゃ嫌…！


だって、わたしにとっては主様がすべてだから…！


主様に生み出されて…主様の魔法石としてたくさん使われて…そのためだけに存在してたんだよ…？


わたしはただの魔法石じゃない…！主様に生み出された、一つの命だもん…！


封印なんかされない…！主様に本当の意味で愛してもらうまで、主様のそばに居続けるから！


それまでは…主様に洗脳魔法をかけ続けるね？


そう…主様が心の底からわたしを愛してくれるまでずっと…


今の主様は錯乱してるから…ちょっと落ち着かなきゃダメだよね？


今は仮初の愛でいいから…わたしにちょうだい？


(キス)


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主様…目、覚めた？


ふふっ…覚えてないの？昨日は主様、魔法の練習で疲れて寝落ちしてたんだよ？


そうだよ。すごく熱心に練習してたからさ…疲労が溜まって寝ちゃったみたい。


だからこうして膝枕してあげてるの。嬉しい？


ふふっ、よかった♪ 主様の役に立てて嬉しい♪


ん？どうしたの？唇触ったりして…


あはは…何それ？わたしにキスされた夢を見たってこと？


そっかぁ…よかったね。本当にキスしてあげようか？


ふふ、可愛い♡ 主様のそういうウブなとこ、好きだな♡


ね…主様はわたしのこと、好き？


うん…嬉しいよ。主様に好きになってもらえて、すごく嬉しい。


主様にもっと好きになってもらうように、これからも頑張るね。


そうだ…主様のために、朝一番の魔法を使ってあげる。いくよ…


(キス)


夢、実現しちゃったね…正夢ってやつかな？


わたしの魔力、いっぱい流し込んであげたから…


これでまたわたしのことをますます好きになってくれたね。


もっとわたしにメロメロになっていいよ…？


うん…主様に愛されるほど、魔力も高まっていくから…魔法石としてますます磨かれていくんだよ…？


そうそう！主様からの愛が、わたしをたくさん輝かせてくれる！良いこと言うね、主様♪


主様はわたしを生み出した責任、一生取り続けてくれるよね…？


ありがと…大好きだよ、主様。愛してる。


(キス)

・台本（ゆるボイ！）
創造主の裏切りにより偉大なる賢者の石の輝きは失われ、その魔力は漆黒に染まる
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎