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仲良しの後輩が強めのハロウィンアンチだった話
written by うずにわ
  • 後輩
  • 日常
  • ハロウィン
  • ハロウィン?
  • ギャグ
公開日2025年10月19日 17:15 更新日2025年10月19日 17:15
文字数
1824文字(約 6分5秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
よくお喋りする仲良しの後輩
視聴者役柄
指定なし
場所
指定なし
あらすじ
もうすぐハロウィンだね、って言っただけなのに……。

「で? だからなんだというのですか」

まさかこんなところに地雷が埋まってるだなんて思わないじゃないか。


*内容はあくまで創作です。同行者本人のハロウィンに対するスタンスとはイコールではありません。悪しからず。
本編
(『そろそろハロウィンだね』)

(何気ないその一言が発端だった)


 ……ええそうですね、先輩。

 そろそろハロウィンですね。


(……口元は笑っているが目は据わっている)


 で?

 だからなんだというのですか。


(何故こんなに圧をかけられているのだろう)

(季節のイベントが近づいてきて楽しみだねと言っただけなのに)


 ……ッはぁぁぁ〜〜〜…….。


 先輩。

 私は悲しいですよ。

 いつから先輩はハロウィンなんていう軽薄で情緒に欠ける催しを心待ちにするようになってしまったんですか。


 許せません。
 クリスマスならともかく、よりにもよってハロウィンとは!

 目を覚ましましょう、先輩。

 今ならまだ間に合います。


 さあ!

「確かにあんな得体の知れないバカ騒ぎに乗っかるなんてどうかしていた」

「イースターを無視してハロウィンだけ浮かれるのは文化に理解がない者の振る舞いだ」

 と言ってごらんなさい!

 さあ!!!


(……お前はハロウィンに何をされたんだ)

(別にいいだろう。みんなが楽しいって言っているのだから、それはそれで)


 ……ふ。
 ふふ、ふふふふ……。


 ……そう。
 その目ですよ。

 私がハロウィンに意を唱えると、みんなそんな目で私を見るんです。

 嫉妬だと言いたいのでしょう。
 僻んでいるだけだと言いたいのでしょう!

 どうせ一緒に遊ぶ友達も恋人もいないから拗ねてイジけて八つ当たりしているだけだと、そう決めつけているんでしょう!!

 そのような偏見!

 断じて許されるものではありません!!


(急にハッと冷静になって)


 ……おほん。

 失礼。
 取り乱しすぎました。
 
 つい、昔のことを思い出して攻撃的に……先輩がそんな風に私を馬鹿にしてるわけがないってわかってるのに……。

 ……ごめんなさい。


(はぁ、と今度は短くため息をついて)


 しかしですね。

 ハロウィンとかいう催しを好ましく思っていないのは嘘でもなんでもないんです。

 ここのところ毎年のように報道される渋谷の乱痴気騒ぎに辟易するのはなにも私に限った話じゃないと思いますが、それ以前に、ハロウィンの形態そのものがどうにも気に入らないんです。

 なんていえばいいんでしょうねぇ……一言で言えば、そう、「粋じゃない」んですよ。


 そもそも、です。

 仮装してお菓子をタカる……それも、「お菓子をくれなきゃイタズラするぞ」と脅しをかけて強奪するっていうのが、なんとも乱暴だと思いませんか。

 やってること覆面強盗ですよ。


 聞いたことあります?

 季節の催し……節分とか七夕とかお彼岸で、覆面強盗するのが伝統だ、なんて。

 無いでしょう?
 そうなんですよ。


 ことほど左様に……と続けるには、やや飛躍しますが。

 つまるところ、根本的に奥ゆかしさが無いんです、このイベントには。

 見た目ばっかり派手で、風情を感じない。

 だから、そんな薄っぺらなものをありがたがってはしゃぐなんてはしたない……と、私なんかは思ってしまうわけで。


(じゃあ奥ゆかしく楽しめばいいじゃないか)

(大声で騒ぐだけがハロウィンじゃあるまい)


 ……え〜?
 そんなこと言われてもなぁ。
 

 あるんですか?

 心静かに、穏やかに、十月三十一日を過ごす良い方法が。


 ……あ〜……。
 お菓子作り、ねぇ。

 うーん……。
 まあ、確かに?

 ハロウィンにちなんだかぼちゃのお菓子でものんびり作って、ゆっくりお茶を飲みながらそれを味わって過ごすっていうのは悪くない……のかも?


 でもなぁ……。
 私にはお菓子なんて作れないからなぁ……。

 話したことありましたっけ?
 カルメ焼き作ろうとしてボヤ起こしかけたことあるんですよ、私。

 それ以来台所にはなるべく近づかないようにしてまして。

 だから先輩、その作戦は……。


 ……はい?


 ……ヘ〜、意外。
 先輩、ケーキとか作れるんですね。
 写真とかあります?


 ……わぁ、かわいい!
 え、これ本当に先輩が?
 普段の振る舞いからは全然イメージできないんですけど!


 ……え。

 一緒に作ろう……って、それもしかして私に言ってます?

 教えてくれるってことですか?

 先輩が。

 ……先輩の家で?


 それって……。


(少し目が泳いでから、ほのかに顔を赤くして)


 や、やります!
 ぜひ教えてください、先輩!


 ……ふふっ……!
 それで、日はいつにしますか?
 
 こっちが教わる立場ですからね、できるだけ先輩の都合に合わせますよ。


 ……ああはいはい、月末ですね。
 多分大丈夫です。

 ええと、月末の予定は……月末……。


 月末?


(ピタ、とスマホで予定を確認していた彼女の動きが一瞬止まって)


 ……それハロウィンじゃないですか!!

 騙しましたね、先輩!!


 ……いいえ、お菓子作りはやります、やらせてもらいます楽しみです!!
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
仲良しの後輩が強めのハロウィンアンチだった話
https://x.com/yuru_voi

・台本制作者
うずにわ
ライター情報
シチュエーション台本やASMR台本を主に書いています
シチュボというかボイスドラマというか、リアリティラインは微妙な塩梅ですが、楽しんでいただけると嬉しいです
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