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未経験な彼女の不安
written by 呂綺
  • 喧嘩
  • ラブラブ
  • 甘々
  • カップル
  • 清楚
公開日2021年07月12日 00:14 更新日2021年07月12日 00:14
文字数
2669文字(約 8分54秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
男性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
指定なし
視聴者役柄
指定なし
場所
指定なし
あらすじ
処女である自分がコンプレックスな彼女は、彼が友人との電話で「未経験はめんどくさい」と愚痴っているのを聞いてしまい……。
本編
※アレンジ自由、使用自由のフリー台本です。
キスシーンリップ音など、自由に省略してください。



***


[彼女は男性経験がなく、少しその事にコンプレックスを抱いていた。二人は付き合って三ヶ月目の設定]


【二人で一緒にテレビを見ながら、まったりしている】


あーもうこんな時間か。
テレビ見てると、時間を忘れちゃうな。

今夜も泊まっていくだろ?
先に風呂入ってくるか?
あ、タオルは脱衣場に用意してるから。


(彼女が立ち上がり浴室に入っていく音)


【脱衣所に入っていったのを見た彼は、スマホが着信を告げている事に気づく。相手は男友達だ】


(スマホの着信音)

あれ、スマホ鳴ってる。

はい、もしもし?
あぁ、久しぶり。
え?うん、まぁ順調順調。

そっちは?

彼女とはどうなんだよ?


【延々と友人は、自分の彼女の文句ばかり言っている】


ははっ、お前ってほんと彼女に対する愚痴ばっかりだな。

は?俺?

別に俺は彼女に不満なんてねぇよ。いや、マジでマジで。
あーでもまぁ、アイツって俺が初カレらしくてさ。
まだ手ぇだしてないんだよね。

いやいや、本当だって。

え?付き合って、えーっとそろそろ三ヶ月かな。
そりゃ大事にしてるよ。
やっと付き合えた可愛い可愛い彼女だからな。

ははっ、まあな。

そりゃもちろん抱けるもんなら抱きてぇよ。
けどさ、やっぱ処女って色々面倒じゃん。
時間もかけなきゃだし、段階を踏まねぇとな。

だからまぁじっくり行くわ。

うん、ああ、じゃあな、うん、また。


(電話のあと、大きくため息をつく)


【そして彼はソファにより掛かりながら、のんきな顔をして彼女が風呂から出てくるのを待った】


***


【少しの間】


(ガチャリとドアが開く音)


【彼女が浴室から出てくる。彼はソファから立ち上がり、浴室の方へと向かった】


お、上がったか。じゃあ交代。
次は俺入ってくるから、テレビでも見ながら待ってて。


【どことなく元気かない彼女】


あれ、どうした?表情暗くないか?
気分悪いとか?


【彼女は困ったように笑った後、「なんでもないよ」と言う】


いや、その顔は「なんでもない」って感じじゃないだろ。
体調悪いなら先にベッドで休んでていいから。


【彼女は少し考え込んだ後、上目遣いで彼を見つめる。その目は少し潤んでいた】


どうした?そんなに目をウルウルさせて。
いや、その顔めちゃめちゃドキドキするんだけど。
……おっと。


【突然抱きつかれて、戸惑う彼氏。彼女は彼の胸元に顔をうずめたまま、恥ずかしそうに小さな声で「今日、してほしい」とお願いする】

 
えっ、ええっ?!どうした?
いきなり抱きついてきて「して欲しい」って。

ははっ、お前とりあえず落ち着けって。
な? 
こんなのお前らしくねえよ?



【「私は、本気で言ってるよ」と彼女は言う】



(かなり焦った口調で)いやいやいや、何言ってんの。
無理しなくていいって。

ほら、俺風呂入るから離れて。
え?やだ? 
急にどうしたんだよ。

もー、とにかく俺風呂入るからその間に落ち着け。
分かった?


【優しく彼女を引き離した彼は、やれやれといった顔で頭を掻く】


ったくお前どうしちゃったんだよ。
いきなりしたいって言われたって、もう夜も遅いしお互い明日も仕事だろ?

それにお前……経験ないんだからヤるとなると、時間掛かるだろうしさ。
流石に今からは荷が重いって。

ははっ



【彼は冗談っぽく笑いながらそう言ったが、彼女は深く傷つく。
そしてパジャマを脱いで私服に着替え始めた】



え、お前何やってんの?
は?帰る?なんで?!
「もういい」ってなんでそんな、え?
なんで怒ってんの?


【彼女は彼の方を見ないまま着替え終わった後、バッグを掴んで玄関の方に向かう。彼は慌ててその後を追った】


待てって、意味分かんねぇよ
一体何なんだよ?!

「どこかで適当に処女捨ててくる」って、はぁ?!

お前何言ってんだよ!
ふざけた事言ってんじゃねぇよ!


【彼は彼女の腕を掴み、無理やり引き止める。
すると彼女は大粒の涙をポロポロ流しながら、悲しそうな顔で振り返った】


なっ、え、泣いて……る、お前すげぇ泣いてるじゃねぇか。
なんで……

(ハッとして)あっ、もしかして、さっきの……電話の会話、聞こえてたのか?


【彼女は下を向いて唇を噛み締め、彼は激しくうろたえる。
すると彼女はポロポロ泣きながら口を開いて気持ちを伝えた。】


え?ち、違うっ!  
俺はお前の事を未経験だから面倒だとか、思った事なんて、一度も無ぇよ! 
さっきのは、その…… 

友達が自分の彼女の愚痴ばっかり言ってるから、
無理やり話を合わせてそんな風に言っただけで……

分かるだろ?  
男同士の気の使い方っていうかさ!
そういうやつなの!

それに、お前に聞かれてるなんて思ってなかったから……。

あ、いや、だとしても駄目だよな、そういう事を人に言うのは良くなかった、ごめん。


えっとさ……実は俺、いつも電話でお前の事を惚気けてばかりだったから
少しは愚痴的なもの言ったほうがいいのかなって、向こうに変に遠慮してしまったっていうか……。


本当に、悪かった。


【「私の方こそ、泣いたりして貴方に迷惑かけてごめんね」と彼女は涙を必死に拭いながら謝る】


いやいやいや、なんでお前が謝るんだよ。

は?迷惑なんてかけられてないから! 
全部何もかも俺が悪いんだって!

だから、他の男で初めてを捨てるとか、二度と言わないでほしい。
頼むよ……!


【彼女は嬉しそうに頷く】


分かってくれてありがとう。 
ほら、仲直りのぎゅーってさせて。


【彼は彼女をぎゅっと抱きしめ、その背中を優しくたたきながら、落ち着かせようとする】


さっき、お前……涙目で震えながら勇気を出して誘ってくれたんだよな?
それなのに、あしらってごめん。 

俺、内心すげぇ嬉しかったのに、不意打ち食らって動揺したっていうか……。
お前の事ずっと好きだったから、付き合えただけでも夢みたいで、なんていうか、宝物?みたいな感覚があって。

だから俺なんかが、この綺麗な身体に触れていいのなっていう遠慮みたいなのも、少しあったんだよな。


【「意味分からないよ」と、彼女は少しだけ笑う】



ははっ、意味分からないか?
まぁとにかく、大事なの。
お前の事が大好きでたまんなくて、愛してんの。

だから勢いとか、その場のノリとかで初めてのセックスはしたくない。

する時は、ちゃんとお前のいい思い出になるように、ちゃんと手順を踏んで丁寧にしたいんだよ。
分かってくれた?


【彼女は泣き止み、ウンウンと嬉しそうに頷く。それを見て、彼は愛おしさがこみ上げた】


あーもうっ、なんでお前はそんなに可愛いの?


【彼は彼女の後頭部を掴み、顔を傾けながらキスをする】
 

(舌を絡めるリップ音)


もう、絶対に傷つけたりしないって約束する。
大好きだよ。

〈終〉
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
未経験な彼女の不安
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
呂綺
ライター情報
シチュエーションボイス女性向け台本を書いています。
得意ジャンルは、甘々、喧嘩系、ヤンデレ等。
有償販売利用の条件
フリー台本です。アレンジ自由、使用自由です。書き手の「呂綺」の名前だけ、どこかに記載してもらえたら嬉しいです。
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