0
【BL台本】失いたく無いからこそ、嫉妬する
written by 呂綺
  • 喧嘩
  • 嫉妬
  • 甘々
  • 恋人同士
  • BL
公開日2021年07月13日 10:18 更新日2021年07月13日 20:27
文字数
2292文字(約 7分39秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
男性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
指定なし
視聴者役柄
指定なし
場所
指定なし
あらすじ
社会人と学生のBLカップル。
他の男に車で送ってもらった学生くんに、社会人くんが嫉妬して冷たい態度をとる。
本編
※こちらはフリー台本です。アレンジ自由、使用自由です。書き手の「呂綺」の名前だけ、どこかに記載してもらえたら嬉しいです。

***

[設定]
A:社会人、口下手で強気な性格
B:大学生、優しい性格


***

(ガチャっと扉が開く音)


A「ただいまー……って、は?まだあいつ帰ってきてねぇのかよ。
もう20時だぞ。今日は大学の講義、午前中で終わるって言ってたくせによ」


【Aはハァとため息をついた後、スマホを取り出しBにメッセージを送る。だが既読にはならない】


A「んだよ、既読にならねーし。どこで何してんだ?あいつ……ん?なんか外から声が……」

(カーテンを軽く開ける音)

A「はぁ?あいつが知らない男の車から降りてきた……。どういう事だ?」


【しばらくの間を空けた後、ガチャッという音がしてBが帰ってくる】


B「あ、先輩!先に帰ってたんだ。ただいまー」
A「何呑気な顔してんだよ。お前、俺を怒らせたいのか?」
B「え?」


【BはなぜAか怒っているのか分からず、困惑している。
Aは舌打ちした後、Bの方に近づき冷たい目で見下ろした】


A「こんな時間まで、どこで何をしてた?さっき車を運転してた男は誰だ?ラインも既読にならねぇし、不機嫌になるのも当然だろ」
B「図書館で勉強してたんだよ。もうすぐゼミの論文の提出期限だし……。さっき送ってくれたのは大学の友達で、僕が歩いて帰ってたらたまたま拾ってくれただけだっては」
A「ふーん」


【Aは納得していない態度を取り、Bはオロオロしながら必死に弁解する】


B「こんなに遅くなっちゃったし、疑いたくなるのも分かるよ。社会に出ちゃった先輩とは、これからも時間のすれ違いがあるかもしれないけど、出来たら僕の事、信じて欲しいな……」
A「2人が並んで車に乗ってる所見せられて、そんなの簡単に信じられる訳ねぇだろ……っ、ほらカバン見せろよ。本当に勉強してきたのか確かめてやる」


【Aはそう言ってBのかばんを奪い取り、中身を確認していく。すると中から付箋やラインマーカーで事細かく彩られているノートなどが出てきて、Bが必死に勉強をしてきた形跡をしっかりと残していた】


A「あ……この中、勉強道具ばっか……じゃねぇか。(だんだん気まずそうに)しかも、すっげぇ勉強した痕が残って……る」

B「(悲しそうに)僕……嘘なんて、ついてないよ?もし……不安なら図書館の入退室記録とか調べてもいいよ。今日は朝からさっきまでずっとそこにいた記録が残ってると思うし、それに防犯カメラとか……」
A「もういいって、分かったから」
B「……うん」


【二人の間にしばらく気まずい沈黙が流れる。
すると空気を変えるようにBが声を出した】


B「じゃ、じゃあ僕お風呂入ってくるね」
A「あ、ああ」

(Bが駆けていく音と扉が閉まる音)

【Bが浴室に入っていくのを見送っだAは、頭を抱え始めた】


A「あぁ、俺のバカ!なんでさっき素直にごめんって言えなかったんだ?勝手に疑って傷つけたのに、動揺して咄嗟に謝れなかった……アイツ、すっげぇ傷ついた顔してたのに……。俺、最低だ……」


***

【しばらくの間を開けた後、Bが浴室から出てきた】


B「んーっ、さっぱりした。ねぇ、先輩も入ってきたら?」


【BはAに気を使わせないように、明るく振る舞う。
するとAは真面目な顔をして謝り始めた】


A「さっきは……悪かった」
B「え?」
A「なんか……同じ大学にいる時はここまで嫉妬なんてしなかったのに……俺だけ先に卒業して社会に出て、お前と過ごす時間が減ったらさ、妙に疑心暗鬼になってしまって……だからって、キツイ言い方で問い詰めたのは良くなかった……本当にごめんな」
B「いいってそんなの気にしないで!それに、先輩……心配しないでよ。僕には先輩だけだよ?僕の気持ちを信じて」
A「分かってる……分かってんだけど!それでもやっぱり他の男と親しくしてると、怖いって思ってしまう。だからさっきも、強く追及しちゃったんだよ……」
B「怖い……?」
A「お前を他の男に盗られんのが怖い、やだ、絶対渡したくねぇよ……」


【Aはそう言うと、Bの体を強く抱きしめる】


A「(ぎゅーっと抱きしめながら)俺は……お前が、大好きだから」
B「先輩……っ、僕も大好き!」


【Bは無邪気にそう言うと、Aの身体を抱きしめ返す。
途端にAは顔を赤くした】


A「ちゃんと最初からそう説明すれば良かったな。嫌な言い方をして、お前を傷つけた。俺、昔から口数少な過ぎて色んな誤解を生む質でさ」
B「……うん」
A「何が言いたいかと言うと、まぁ、その、俺はお前が大事だって事を……とりあえず理解してくれたら、嬉しい」


【だんだん気まずそうに声が小さくなるAを見て、Bは思わずクスクスと笑ってしまった。
そして顔を上げて、心からの笑顔を見せる】


B「ははは、うん。先輩の言いたい事はよく分かったよ」
A「分かってくれて、ありがとな」
B「僕は……先輩がほんとに大好き。だからもう疑わないで?だって大学に入学して一目惚れした時から、ずっと先輩一筋だったんだよ?」
A「……!あーもうっ、お前ってほんと可愛過ぎ!ぎゅーっ」
 

【愛おしさがこみ上げたAは、さらにBを強く抱きしめる】


A「お前さ、今日みたいに帰りが遅くなる日は俺に連絡しろよ。仕事が終わってたら、車で迎えにいく」
B「え?」
A「何度も言わせんな。やっぱり、やましい事がなくてもお前を他の男の車に乗せるのは、なんかやだから」


【真っ赤な顔でそう言うAに、Bは嬉しくなりニコニコした顔を見せる】


B「先輩ってさ、そんなに僕の事が好きなんだね?」
A「はぁ?いきなり何言い出してんだ?そういう事は普通、自分から聞かねぇもんだろ」
B「違うの?」
A「……違わねぇよ。だからこうして一緒にいる」
B「(嬉しさのあまり声が出ない)――――ッ、僕も先輩、好き好きーっ!だーい好き!」



END
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
【BL台本】失いたく無いからこそ、嫉妬する
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
呂綺
ライター情報
シチュエーションボイス女性向け台本を書いています。
得意ジャンルは、甘々、喧嘩系、ヤンデレ等。
有償販売利用の条件
フリー台本です。アレンジ自由、使用自由です。書き手の「呂綺」の名前だけ、どこかに記載してもらえたら嬉しいです。
利用実績(最大10件)
呂綺 の投稿台本(最大10件)