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犬系彼氏が入院した、甘い理由
written by 呂綺
  • ラブラブ
  • 甘々
  • カップル
  • 恋人同士
  • 癒し
公開日2021年07月13日 10:23 更新日2021年07月13日 10:23
文字数
2132文字(約 7分7秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
男性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
指定なし
視聴者役柄
指定なし
場所
指定なし
あらすじ
入院した彼氏をお見舞いにきた彼女。
終始ヘラヘラしている彼は、こうなった経緯を恥ずかしそうに語る。
本編
※フリー台本です。アレンジ自由、使用自由です。書き手の「呂綺」の名前だけ、どこかに記載してもらえたら嬉しいです。


***

(タタタタタと駆けつけてくる音、そしてドアをガラッと開ける音)

あ、いらっしゃーい。お見舞いに来てくれたんだ?ありがとう!
お仕事は終わったの?お疲れ様ぁ。


【「何呑気な顔してるの?!病院に運ばれたって聞いて、慌てて駆けつけてきたのに!」】


はは、ごめんごめん。
僕が呑気な顔してるからって、そんなに怒らないで。
ほら見ての通り、僕はピンピンしてるから安心してよ。


【「どうして、こんな事になったの?」と彼女は眉を下げて心配そうに彼を見つめる】


え、なんで入院する事になったのかって?
えっとさ、実は駅の階段から足を踏み外して……
そのまま「うわぁ」って、落ちちゃったんだよね。


【彼は「えへへ」と言う感じではにかみ、彼女は呆れた顔をしている】


でもほら、お医者さんも命に別状は無いって言ってたし、頭を打ったけど脳にも異常はないって診断されたし、すぐに退院出来ると思うよー。
明日も色々検査する関係で、とりあえず入院って感じになっちゃっただけだから、何もなければ2〜3日で家に帰れるんじゃないかなぁ。


【それを聞き彼女は力が抜けて、病室にある椅子に座り込む】


心配かけてごめんね?
でもさー……うーん……怒らないで聞いてね?
君か息を切らしながら病室に入ってきてくれた時、僕ね、ちょっと嬉しかった。
はは、なんでって?
君が慌てふためく様子を、初めて見る事が出来たから。


【彼女は意味が分からないといった顔で、彼を見つめる】


もう、そんな不思議そうな目で僕を見ないでよ。
だってさ、出会った時から君はしっかり者でいつもクールだったでしょ?
そんなかっこいい所に惹かれて、僕は君に告白してこの関係が始まったけど……ちょっとだけ不安だったんだ。
好きなのは僕の方だけなんじゃないかって。


【「どうしてそういう考えになるの?」と彼女はため息をつく】


そんなに呆れないでよ。
(ちょっとだけ悲しそうに)だっていつも僕ばかりが「好き好き」言ってたし、君も言って?ってお願いしても、いつも「また今度ね」ってはぐらかされてたしさ。


【「そんなこと無いよ」】


えーはぐらかしてたよー!
いつも恥ずかしいとか言いながら誤魔化してたもん。
だから僕……ちょっと悲しかった。


【「ごめん……」と彼女は彼に謝る。すると彼は首をブンブンと横に振った】


いやいや、謝らないでよ。
大丈夫大丈夫!
だってさっき、大慌てでこの病室に駆け込んできた君を見て、「あ、僕ってすっごく愛されてるんだ!」って実感できたもん
だからね、この入院も無駄じゃなかったかもなぁなんて思った。はは。


【嬉しそうに笑う彼を見て、彼女も自然と笑顔になっていく。
そして持っていた紙袋を掲げた】


あ、色々必要な物持ってきてくれたんだね、ありがとう!
そこの棚に入れておいてくれる?
急な入院だったから、君が用意してくれて助かったよ。


【ニコニコしていた彼の顔は、何かに気づいたようにハッとする。
そして慌てて彼女を止めようとした】


…………あっ!!!ごめん、やっぱりその棚開けないで!!
って、開けちゃったぁ……。

 
【そこを開いた途端、彼女が目にしたのは、くしゃっと潰れた小さな箱だった】


あーもう、僕ってばどこまで抜けてんだよ……
それ、絶対に君に見られちゃいけなかったのに……僕のバカ……。


【「この箱、なに?」】


見られちゃったなら白状するね。
実は僕、来週の君の誕生日に……それを贈ろうと思ってたの。
開けてみて?


【彼女はラッピングを解き、その小さな箱を空けていく。
そこには綺麗なピアスが存在していた】


喜んでくれた?
君が雑誌を見ながらずっと欲しいって言ってたピアス。
限定品って聞いたから、買えるか分からなかったんだけとさ、
ラッキーな事に在庫がラスト一つって所で買えたんだよ!すごくない?
それがめちゃくちゃ嬉しくてさ、浮き足だっちゃって、結果としてこうなっちゃったの。
しかもその衝撃で、ピアス……よく見たら装飾部分がちょっと欠けちゃってるんだ……ごめんね。
僕って昔から詰めが甘いって言われるんだよなぁ……。
君にもよく、それで叱られちゃってるよね、ほんとごめん。
だから、退院したら違うピアスを買いに…………っ、え?


【彼が言葉を言い終わらないうちに、彼女はベッドに座る彼の頭を胸元に引き寄せて、ギュッと抱き締めた。
「私の為にありがとう、大好き」と言う言葉を添えて】


どうしたの?いきなり僕を抱き締めてくれて……。
え、今……僕の事大好きって言ってくれた?
ねぇ、もう一回言って?ねぇってば、お願い、もう一回だけ!
えーだめなの?なんで?恥ずかしいからって、もう!
いいもん、脳内で録音したから!
何回も頭の中で再生するから!

ん?ピアスは買い直さなくていい?どうして?
でも、これ壊れて……え?
修理して使ってくれるの?
僕の気持ちが詰まってるからって……あーもう、なんでそんな嬉しい事言うの。
もっと君の事好きになっちゃったじゃん。
責任とってよね。
 

【「ははは、責任って何をすればいいの?」と彼女は笑う】


そうだなぁ。
とりあえずまずは、僕からもギューさせて?
んーぎゅーっ

はぁ、落ち着くけど物足りないなぁ。
ねぇ、チューもしていい?
ちゃんと扉を締めてたら、誰にも見られないから。
ねーお願い。
いいの?
じゃあ、目……つぶってくれる?

END
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
犬系彼氏が入院した、甘い理由
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
呂綺
ライター情報
シチュエーションボイス女性向け台本を書いています。
得意ジャンルは、甘々、喧嘩系、ヤンデレ等。
有償販売利用の条件
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