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彼に忘れられた誕生日
written by 呂綺
  • 喧嘩
  • ラブラブ
  • 甘々
  • カップル
  • 切ない
公開日2021年07月12日 00:23 更新日2021年07月12日 00:23
文字数
2053文字(約 6分51秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
男性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
指定なし
視聴者役柄
指定なし
場所
指定なし
あらすじ
自分を放置してLINEばかりする彼女に彼氏はイライラ。
だが彼女の行動には理由があった。
本編
※アレンジ自由、使用自由のフリー台本です。


(ラインの通知音)
(彼女がスマホで返信を打つ音)

【しばらくの間】

(ラインの通知)
(彼女がスマホで返信を打つ音)


【休日の昼間、彼女はラインの通知音が来る度にスマホを触り嬉しそうに返信していた。それが何度も繰り返され、彼氏は少しずつイライラしてきた】


なぁ、さっきからなんなの?そのラインの多さ。
今日はいつもと明らかに違うじゃん。
ピコンピコン煩くて、雑誌読むのに集中出来ないんだけど?

は?別にいいでしょって、普段のお前なら、俺を放置してラインに集中したりしないだろ。
構って構ってって言いながら、抱きついてきたりするくせに。

やっぱりどっかおかしいぞお前。
そのラインの相手……誰?男?女?
 

【彼女はツンとした態度で「さぁ?」と返事をする。
途端に彼は雑誌を閉じ、怒り気味にテーブルに置かれている彼女のスマホを取り上げた】


スマホ貸せ!
どう考えても、相手はただの友達じゃないだろ。
嬉しそうに何回も何回も返信してるしさ。
お前、もしかして浮気してんじゃないのか?

違うっつーなら、中身、みせろよ。


【彼女は大きくため息をついた後、全く躊躇うことなく「どうぞ」と伝える】


何淡々とした余裕の表情浮かべてんだよ。
浮気の証拠が見つかったら、ただじゃおかないからな。


【ブツブツと文句を言いながら、彼は彼女のスマホの中身を確認していく】


……ん?今日ラインした相手は一人じゃねぇのか。
男もいるし女もいる、あ……お前の母親からも来てんじゃん。
えーっと、誕生日……おめでと……う……。

(激しく焦りながら)あっ、あーっ!えっ、あ、今日って、あ、ごめ……俺、うわっ、お前の誕生日……忘れてた……。


【彼女は冷たい笑顔向けて彼からスマホを奪い取る。
そして淡々と「誕生日をお祝いしてくれたメールを、一秒でも早く返したいのは、悪いことかな?」と告げた】


あ、えっと、そうだよな。
誕生日をお祝いしてくれるメールには、少しでも早く返信したい……よな。

まして彼氏に忘れられてたら、余計……そっちを優先にしたくなるよな。
本当に、ごめん……。

お前は俺の誕生日には、プレゼントとかご馳走とかちゃんと用意してくれてたのに。
俺はそんな用意をするどころか、誕生日自体を忘れて、しかも浮気を疑って一人でイライラして。

最低だった。


【彼女は「もういいよ」と力なく言った後、一人で寝室に入っていく。
彼は慌ててその後を追った】


ちょっ、勝手に寝室に行くなよ。
待って、待てって!「もういいよ」って、全然「いいよ」って顔してないじゃん。
絶対にまだ怒ってんだろ?
だったらもっと感情的に怒れよ。

お前はいっつも冷静ぶって、俺に怒ってこないよな?!

あ、いや、俺は今お前に文句を言いたい訳じゃないんだ。
文句なんて言える立場じゃないのは分かってる。

俺の事、もう嫌いになっちゃったか?
……分かんないって、あ、マジ……か。

えっ?全然大事にしてくれない?最近は好きとかも言ってくれなくなった?いやいやいや、ちょっと待って、そ、それは……慣れ?っていうか。甘えっていうか。

大事には思ってるよ、これは本当。
それに好きだからこそ、さっきお前に浮気相手が出来たのかもって考えたらカッとなって……。

って、何言っても言い訳にしかならないよな。
本当に、ごめん。


【彼は黙ったままの彼女に対し、だんだんと焦ってくる】


どうしたら、お前の信頼を回復出来る?
もちろん、誕生日のやり直しは次の休日に絶対にさせてもらう。

けど、それだけじゃないよな?
お前が、俺に対して抱いてる不信感って……。

この際、全部言って。
全部全部治して、もう一回お前に好きになってもらえるように頑張るから。

うん、うん、

関心を持つ……?
あ、お前にもっと関心を持てってこと?
それと?
もっと愛情表現してほしい?
分かった、そうする。
いや、今までも心の中ではずっとお前に好意を向けてたんだぞ。
けど、なんか長く付き合ってると気恥ずかしくなっちゃってさ。

でもそのせいで、お前に嫌な思いさせてしまったのは、悪かったと思ってるよ。

うん。

じゃあえーっと、その、早速、なんだけど……抱き締めてもいい?
今なんか、すっげぇお前の事を抱きしめたい気持ちでいっぱいっていうか……。

ああもう、ごめん……返事待てない。


【彼は彼女をぎゅっと愛おしそうに抱きしめる】


ずっと、こういう新鮮な気持ちを忘れてた気がする。
付き合ったばかりの時は、毎日こんな気持ちだったのに……。
お前を怒らせて初めて大事なことに気づけた。 
本当に、ごめんな。

好きだよ。


【視線を絡めた彼は、舌をねじ込むキスを与えつつ、何度も好きだと伝える】

好きだよ、んっ、大好き……だ、
はぁはぁ、マジで、大切なんだよ。

好き好き、愛してる。
ん?どうした?
涙目になって……。

ごめん、キスしすぎて息苦しかったか?


【「貴方の愛情を感じて、嬉しすぎて泣いちゃった」】


え?あ、そうなのか……俺の愛情が、ちゃんと伝わって良かった。
ってか、嬉しくて泣いちゃったって……なんだよ、お前可愛すぎるだろ。

「私も好き」って……良かった……そっか。

じゃあさ、改めて両思いだって事が分かった訳だし……その、
このままお前をベッドに押し倒しちゃっていい?



〈終〉
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
彼に忘れられた誕生日
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
呂綺
ライター情報
シチュエーションボイス女性向け台本を書いています。
得意ジャンルは、甘々、喧嘩系、ヤンデレ等。
有償販売利用の条件
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