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レスからの不満
written by 呂綺
  • 喧嘩
  • 嫉妬
  • 別れ話
  • ラブラブ
  • 甘々
  • 同棲
  • カップル
  • 切ない
公開日2021年07月12日 00:29 更新日2021年07月12日 00:29
文字数
2721文字(約 9分5秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
男性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
指定なし
視聴者役柄
指定なし
場所
指定なし
あらすじ
ずっとレスなマンネリカップル。
ある日彼女が他の男に告白され、彼氏は焦りだし……。
本編
※フリー台本です。アレンジ自由、使用自由です。書き手の「呂綺」の名前だけ、どこかに記載してもらえたら嬉しいです。


***

おお。もう帰ってきたのか、おかえり。
思ったより早かったな。

今日同期の皆と飲んで帰るって言ってたから、12時は越えると思ってたわ。

……どうした?随分おとなしいじゃねぇか。

飲み会、楽しくなかったのか?
違う?
だったらなんで、そんなに思い悩んだ顔してんだよ。


【彼女はコートを脱ぎバッグを置きながら、ため息をつく。そして突然「私達って、最後にキスしたのいつだったっけ?」と訊ねた】


は?俺達が最後にキスをしたの?
あーいつだったかな。


【「じゃあ私を抱きしめてくれたのは?」】


最後にお前を抱きしめたの?
いや、覚えてねぇよ。
つーかどうした?いきなりそんな事聞くなんてさ。


【「私達、いつからセックスレスだったっけ?」】


いつからレスだった……って、
あーもう半年くらいしてねぇかもな。

まぁ学生ん時から5年も付き合って一緒に住んでたら、そうなるのも仕方ねぇだろ。

は?せめてキスやハグはしろって?
いやいや、今更そういう甘い雰囲気なんて作れねぇよ俺。
もうさ、俺達ってそういうベタベタしたもんを超えた一心同体っていうか、落ち着いた関係じゃん?


【彼女は俯き、悲しい顔になる。そして泣きそうな声でこういった。
「私はこんな関係で落ち着きたくない」】


なんだよ、その不満そうな顔は。
俺はこんな関係嫌じゃねぇよ?
お前とこの部屋でまったりしてさ。
このまま結婚なんかして、のんびり生きていけたら最高だなって思っ……


【「飲み会で、告白された」】


え?今、なんて言った?
飲み会で、告白された……とか、聞こえたんだけど。

(少し動揺しながら)ははっ、まぁお前って黙ってればそこそこ綺麗だもんなぁ。
性格は生意気だけどー?

で、告白されてどうした?


【「強引にだけど、キス……されたの」】


(激高して)はぁ?キスされたって……なんだよそれ!
お前、隙有りすぎなんじゃねぇの?!


【「正直ドキドキした」】


(困惑した様子で)え……ちょっ、今なんつった?
正直ドキドキしたって?

……ふざけんなよ、浮気じゃねぇか!
はぁ?俺に怒る権利あるのって、あるに決まってるだろ!

俺、お前の彼氏だぞ?!

え……今更ずっと嫌だったとか、なんで言うんだよ。
こんだけ一緒にいたら、落ち着くのは自然の流れだろ?
だいたいイチャイチャしたかったんだったら、お前から誘ってくれたらよかったじゃん。 


(クッションを投げる音)


……いてっ、クッション投げつけんな!
は?お前はちゃんと俺を誘ってた?
えっ、あー……あぁ、そういえば、お前がくっついてきても、適当にあしらったり……面倒な態度とったりしたかもしれねぇけど……。

俺は、エッチとかしなくても気持ちが繋がってるって信じてたし、必要ねぇかなって思ってた部分もある……。


【彼女は目に涙を浮かべ、彼を睨みつけている】


おい、なんで涙目になってんだよ。
お前、まさか……その告白してきた男と付き合うつもりなのか?!

おい、どこいくんだよ?!風呂入ってくるって……

今、話してんだろ?!

あ、ちょっ……


(ドアがバタンと閉まる音)


【彼は彼女が入っていった浴室の扉を見たまま呆然としている】


(ブツブツ文句を言うように)ったく……んだよ……
いきなり、嫌だったとか……言いやがって
まぁ、確かに最近は付き合い始めに比べて、全然イチャイチャとかしてなかったよな……。

でもなぁ、今更そういうのって、恥ずかしいんだよなぁ……。


(ピコンとラインの通知音)


ん?アイツのスマホか。
……まさか、キスしてきたっていうクソ野郎じゃねぇだろうな。

おっ、アイツ、スマホにパスかけてねぇじゃん。
本当はこんなの、ダメだって分かってんだけど……今は緊急時ってことで。


(スマホをスライドさせる音)


【彼は緊張した面持ちで内容を確認していった】


どれどれ、えっと……あっ、コイツか。

「今日はいきなり告ってキスなんかしてごめん。でも俺は本気だから、彼氏と君が別れるまでちゃんと待つから。俺なら、君を誰より大切に出来る自信がある」……だぁ?!

は?何なんだよコイツ、調子に乗りやがって!


(ドアがガチャと開く音)


【風呂を出た彼女がリビングに帰ってくる。彼氏は彼女をみながら、苦笑いした】


悪い、勝手にスマホ見てるわ。
お前に告ってきた男、俺達が別れるのを待ってるってさ。

俺らは別れねぇっつーの、なぁ?
いつまでも待ちぼうけしてろっつんだよな?

(動揺しながら)……いや、何黙り込んでんだよ。

(涙声で)やだぞ、俺は……っ!別れるなんて絶対にやだからな!

なんでって……お前の事が好きだからだよ! 
嘘じゃねぇよ!
誰にも渡さねぇよ、絶対に!


【「今更、どうしたの?」】


そりゃお前からしたら、今更って思うかもしれねぇけど
俺は俺なりに大切にしてたつもりだったから、動揺が半端ない。

……今、誰かに盗られそうって危機感抱いたせいで、心臓がすげぇ痛い。
手先も震えてる。

頼むよ、俺から離れないでくれ。


【彼は彼女を強く抱き締めた後、後頭部を掴んで強引にキスをする】


(キスをしているリップ音)


ハァハァ、久しぶりにキスしたけど、お前の唇って柔らかいよな?
こうして至近距離で見ると、肌も綺麗で色白で……。
なんでこの半年、この肌に触れなかったんだろうな。

俺、すげぇ勿体無い事してた……。


【彼は再び無理やりキスをするが、彼女は軽く抵抗していた】

(激しいリップ音)


抵抗すんなって、いっぱいキスさせろ。
ずっとしてなかったからか?
なんか、興奮して収まらねぇ。

お前も息上がってんじゃねぇか。

(キスをしながら)好き、好きだよ。
お前が大好き。 

(心配そうに)お前は?もう、俺に愛想つかしちゃったか?


【「まだ……気持ちは残ってる」】


今……俺への気持ち、まだ残ってるって言ってくれたのか?
良かった……本当に良かった。

ごめん、そうだよな、恋人に触れてもらえないって、女として辛かったよな。
お前の気持ち、汲み取ってやれなくて悪かったよ。
ごめん、本当にごめん。


【「告白も断る。不安にさせてごめんね」】


告白……断ってくれるのか?!本当に?!

(号泣しながら)よかった……ううっ、よかっ……ひっく、うるせぇ、泣いたっていいだろ。

本当に怖かったんだぞ……!もう!

はぁ……好き、大好きだ……。

(モジモジしながら)あの、さ……えっと、俺今から風呂入るんだけど……
その後、えー、あの、だから

(頭をガシガシかきながら)あークソ、久しぶりだからどんな風に誘えばいいのか分かんねぇ!


【落ち着くために深呼吸する彼】


えっとですね、風呂上がったら寝室に直行するので、ベッドで俺の事を待ってて……下さい。

は?俺、赤くなってる?!
うるせーよ、だって仕方ないだろ。

もうっ、そんなに楽しそうな顔でこっち見んな!


【やれやれとため息をついた後、彼は彼女を再び抱き締める】


ぎゅーっ。

(耳元で)大好きだよ、今夜はいっぱいイチャイチャしような?


〈終〉
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
レスからの不満
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
呂綺
ライター情報
シチュエーションボイス女性向け台本を書いています。
得意ジャンルは、甘々、喧嘩系、ヤンデレ等。
有償販売利用の条件
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