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浮気症なクズ男が、本気で反省する
written by 呂綺
  • 喧嘩
  • 別れ話
  • カップル
  • 浮気
  • 切ない
  • 俺様
公開日2021年07月12日 00:32 更新日2021年07月12日 01:11
文字数
2540文字(約 8分28秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
男性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
指定なし
視聴者役柄
指定なし
場所
指定なし
あらすじ
浮気ばかりのクズ男な彼氏は、彼女を失って初めて心から愛していたことに気づいて後悔する。
本編
※アレンジ自由、使用自由の台本です。


は?来ていきなり何怒ってんの?
いやいやいや、顔怖いし。
どうしちゃったの?お前。

あ……それ。
この部屋に落ちてたのか? 

 
【彼女は彼の部屋に落ちていたシュシュを見つけ、無言で差し出している。彼はヤベェという顔をしつつも、あくまで誤魔化そうとする】


それ、シュシュっていうんだっけ?
お前のじゃねぇの? 
あー、違う?ふーん。

まぁいいや、はいはい浮気しましたよ!
昨日飲み屋で意気投合して、お持ち帰りしましたよー!

これでいいか?

つーかそんなに怒らなくてもいいだろ。
俺の本命はお前なんだからさ。
だいたい簡単に部屋についてくる女になんか、本気になる訳じゃねぇじゃし、ただの気分転換だよ。

そもそも俺がこんな男だって、分かってて付き合ってんだからさー
浮気の1つや2つでいちいち不機嫌になんなよ。

え?1つや2つじゃない?
数え切れないくらい?

あー、かもな。
でもさ、彼氏がモテモテなのって自慢にならねぇ?

はは、ならねぇか。


【彼女の様子がいつもと違うので、彼は少しずつ焦り始める】


つーかさ、なんでムスッとしたままなんだよ。
いつもならそろそろ「しかたないなぁ、もう」とか言いながら俺の事許してくれたじゃん。

えっ、オイオイ何?
目から涙、溢れてんぞ。


(パシンと叩かれる音)


痛っ……!ちょ、平手打ちって……どうした?
いつもの優しくて穏やかなお前は、どこにいっちゃったの?
は?私を変えたのは貴方って……もう無理って……いや、ちょっと、落ち着けよ。

え、落ち着いてる?
そうか、でもなんか、何この雰囲気。
ほら、スマイルスマイル。
お前は笑ってる方が可愛いんだから。な?


(パシンと再び叩かれる音)


おい、一度ならず二度も叩くことないだろ。
は?別れたい?

あーいいよいいよ、もう来んなよ。
俺だってこんな暴力的な女ごめんだね。

どうせお前がいなくなったって、すぐ次の女くらい作れるし。


【彼女は涙を袖で拭った後、玄関に向かう。
そして乱暴に扉を開けて出ていった】


(乱暴な扉の開け閉めの音)


(ブツブツ独り言を言うように)はぁ、清々した。
ったく、浮気くらいで何回も叩くなっつーの。
でもまぁこれで俺は晴れてフリーな訳だし、自由気ままに遊べるな。


***


【一ヶ月後】

(ピンポーンというインターホンの音)

(インターホン越しの声)あ、俺……だけど。
ちょっと直接話したい事があって。
開けてくれないか?頼む。


(ドアをガチャリと開ける音)


ありがとう。えっと、じゃあお邪魔します。


【彼は緊張しながら部屋の中に入り、ソファに座る】


もう、お前と別れて一ヶ月経つんだな。
何の用って……いや、まぁ、そう言われても仕方ないか。
えっと……あのさ、俺……その……。


【なかなか本題に入らず、モジモジする彼。しびれを切らした彼女は「何もないなら帰って」と言い出す】


いや、待って、帰れとか言わないでくれ。
お願いだ、話を聞いてほしい。

……俺、お前と別れてさ、その、調子に乗って女遊びしまくったんだよ。
そりゃ最初の一週間はすげぇ楽しくて、はしゃいでた。

けどさ、すぐに虚しくなって……遊ぶ気力も湧かなくなって……
お前が来てくれなくなった部屋の中でぼーっとするようになって。
この二週間くらい、職場と家の往復しかしてない。

えっ、あ、うん、嘘だと思われても仕方ねぇよ。
だって俺、本当に最低だったから……。

(少しずつ涙声になっていく)なんか、一人で部屋の中にいるとさ、
お前が選んでくれたお揃いの食器とか、お前が泊まりの時に使ってたバスタオルとか枕とか、見る度に……胸が、苦しくなる。
俺、お前の事本当に好きだったんだなって、痛いほど自覚して……

それと同時にお前の優しさに胡座をかいて馬鹿やってたんだって、理解して……その……。

今日来たのは、ただ謝りたかったんだ。

もう、お前が俺に愛想が尽きてる事は分かってるから、復縁をお願いするなんて調子のいいことは言えない。

けど、せめてちゃんと謝罪したいなって、思って……
こうしてやって来た訳です……。
本当に、ごめんなさい。

俺なんかにいつも尽くしてくれたのに、感謝するどころか浮気ばっかりして……
本当に、申し訳なかったと思ってます……。


【彼女はしばらく無言だったが、ため息をついた後「もういいよ」と言いながら力が抜けた】


許してくれるのか?
(ホッとしたように)あ、ありがとう。
本当に優しいんだな、お前は。

……あ、えっと、こんな事聞いていいのか分からないけど、その、新しい男とか、出来たか?


【「まだ。でも、貴方の友達の●●くんから、付き合おうって言われてる」】
 

えっ、俺の友達のアイツから、付き合おうって言われたのか?
あー確かにアイツ、前からお前の事を可愛いとか言ってたもんなぁ……。 
俺が別れたって言ったら、ちょっと嬉しそうだったし……。

お前、もしかしてアイツと…付き合ったり、するつもり……なのか?

……迷い中って、そっか、そうなのか……(ひっくひっくと本格的に泣き始める)
いや、ごめん、情けない所見せてごめん。

(鼻を啜りながら)……っ、嫌だ、俺、やっぱりお前が、俺以外の誰かと付き合ったりするの、嫌だ。


【「貴方にそんなこと言う資格ないよ」】


分かってる、俺にそんな事を言う資格がない事くらい。
でも、やっぱり耐えられねぇよ。
今すぐ復縁してくれなんて言わない、だけどせめて友達として、もう一度関係を築けないかな?

もちろん、女関係は全部切る。
というか、もう切ってる。
ほら、スマホ見てくれ!必要最低限の人間以外の連絡先全部消したんだ。

俺、お前がいなきゃ駄目なんだよ……。
生まれ変わった俺として、また最初からお前を口説き直したい。

だから、頼む……。

ソイツと付き合うのは、待ってくれ。


【「すぐに貴方を信じるのは無理。だけど、情がない訳でもないから、2ヶ月間様子を見てあげる」】


えっ、俺にチャンスをくれるのか?
2ヶ月間のお試し、期間……?
この間に、俺が誠実な男だと信じられるようになったら?

復縁してくれる?!
本当に?!いいのか?!

(心からはしゃぎながら)ありがとう!ありがとな!
本当にありがとう!


【彼は彼女をギュッと抱きしめるが、慌ててすぐに離れた】


(激しく焦りながら)ああっ、ごめん、抱き締めたりして……。
嬉し過ぎて、抑えきれなかった、ごめん。
え、いいの?
じゃあ……ぎゅー。
 
【彼は遠慮がちに抱きしめる】


(耳元で)……俺、もう一度好きになってもらえるように頑張るから。

本当に……ありがとう。


〈終〉
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
浮気症なクズ男が、本気で反省する
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
呂綺
ライター情報
シチュエーションボイス女性向け台本を書いています。
得意ジャンルは、甘々、喧嘩系、ヤンデレ等。
有償販売利用の条件
フリー台本です。アレンジ自由、使用自由です。書き手の「呂綺」の名前だけ、どこかに記載してもらえたら嬉しいです。
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