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彼女放置で、別の娘の相談に乗った結果
written by 呂綺
  • 喧嘩
  • 嫉妬
  • 別れ話
  • ラブラブ
  • 甘々
  • カップル
  • 切ない
公開日2021年07月12日 00:55 更新日2021年07月12日 00:55
文字数
2800文字(約 9分20秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
男性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
指定なし
視聴者役柄
指定なし
場所
指定なし
あらすじ
彼女よりも後輩女性の相談を優先した彼氏。
彼女はそんな彼に呆れて離れていくが……。
本編
※アレンジ自由、使用自由のフリー台本です。

 
(面倒臭そうに)え?プリン?いや、今はいらない。
後で食べるから置いといて。
いや、有名店のプリンとか知らないから。 
コーヒー?だから、いらないって。

(ため息をついて)
なぁ、さっきから話しかけ続けるの、やめてくれる?
見てわかるだろ?今、LINEしてんの。
文章打つのに集中出来ないんだけど。


【「さっきからラインばかりしてるよね?私を放置して」】


いやいや、何ムスッとしてんだよ。
しょうがねぇだろ、向こうからどんどん連絡が来るんだから。
仕事場での後輩だし、無碍にできないんだよ。

そりゃこうして二人で過ごす貴重な時間に、お前を放置してラインしてるのは悪いと思ってるよ。
けど、俺を頼って相談してくるやつを放っておけないだろ。

それに、ただ相談に乗ってるだけで、やましい事はないって。

(ラインの音)

あっ、ちょっと待って。
えーっと、実はこの子さ、彼氏との関係に悩んでるんだってさ。
彼氏が浮気症なんだって、その男最低だよな。


【「あなたも似たようなものだよね?今の状態」】


……は?俺が似たようなものだって?
いやいや全然違うだろ!
俺は他の女と二人っきりで会ったりしてねぇし、何よりお前一筋だし。

だーかーらー!
ただこうやってラインや電話で、愚痴を聞いてやってるだけなんだって!

だいたい言わせてもらうけどな、お前だって仕事関係の連中に愛想振りまいてニコニコしてるじゃねぇか。
それで色んな奴に気に入られて、よく口説かれてるって噂で聞いてるよ。 

お前の方こそ浮気してんじゃねえの!?  


【彼女の顔が本気で怒ってるのを見て、だんだんやばいと思い始める彼】


あ、いや、ごめん、悪い。今のは言い過ぎた。
(だんだん気まずくて声が小さくなる)仕事場で、人間関係を円滑にする為に愛想よくするのは当たり前だよな、うん。
お前が誰に口説かれても、適当にあしらってるのも知ってる……。

ごめん、今のは売り言葉に買い言葉で……。

(かなり焦りながら)え?あ、ちょっと、何してんだよ。

何バッグ掴んで帰ろうとしてんだよ!
は?しばらく俺と距離を置きたい?! 

いや、落ち着けって!

そりゃお前といる時に、ずっとスマホ弄って他の女とやりとりしてたのは悪かったと思ってるよ。
でも悪い事をしてる訳じゃないんだからさ、ちょっとくらい我慢してくれてもいいだろ。

え、なんだよ今の俺とは分かりあえない……って……。
俺がさっき言い過ぎた事、怒ってるのか?

(思いついたように)あ、そうだ!
ほら今から一緒にプリン食べようか?
それで仲直り!……って、オイ、こっち見ろって。


【「ずっとその子とラインしてなよ、そっちの方が大事なんでしょ」】


ち、違う!
お前よりこの子を優先してるわけじゃないって、そう言ってるだろ!
ただ、相談に乗ってるだけだって何回言ったらわかるんだよ!

は?「しばらく連絡しないで」ってなんだよ?!
あっ、ちょっと待てって……!

(扉が閉まる音)

マジ、かよ……。

【一人部屋に残された彼は、呆然とする。
そしてすぐに彼女に電話をかけた】

(電話の呼出音)
出ない……え、嘘だろ。

(ラインの通知音)
あ、ライン……。

は?「連絡しないでって言ったでしょ」って……うわ、本気で怒ってるじゃねぇか……。
(納得してない様子で)……んだよ、浮気したわけでもないのに……意味分かんねぇし。

(投げやりに)クソ、あーもう知らねぇ、好きにしろってんだよ。


***


【2ヶ月後。町中で彼女の姿を偶然見つけた彼】

あ、おい、おいってば。
久しぶり、2ヶ月ぶり……か。
偶然だな、お前も仕事帰り?

……そっか。

駅まで一緒に歩いてもいい?
……ありがとう。


【お互いきまずく、会話が弾まない】


最近どう?仕事、うまくいってるか?
ああ、そっか、お前頑張り屋さんだもんな。
え、俺?俺はまぁボチボチかな。

……あー……あのさ、俺謝りたい事があるんだけどさ。
えっと、お前との喧嘩の原因になったあの子、な。

職場で三股してるような子だった。
相談っていいながら男に擦りよるのが手段っていうか、そういう感じだったらしい。

え、俺?
俺はお前に怒られてから、なんかだんだん冷静になってきて、ラインの返事返さなくなってさ、
その子のターゲットから自然に外れてた。


【彼女は冷めた顔で、ふーんと言う】


言っとくけど、俺は下心なんて全然無かったからな?
いや、それは本当だって。 
まぁ、後輩にいい顔したいっていう八方美人的な感情はあったかもしれないけど、恋愛感情は全然なかったよ、マジで。

元々依存系の女は、マジで好みじゃないし。
俺はお前みたいなしっかりしたタイプが好きだから。

今思えば、なんでお前との大事な時間を削ってまで相談に乗ってたのか、後悔しかないよ。
って、今更謝っても遅いよな、ごめん。

あ、駅……見えてきた。 


【彼は彼女の方をちらりと見ながら、緊張しつつ口を開いた】


えーっとさ、実は今……たまたまうちの冷蔵庫に例の有名店のプリン、ちょうど2個入ってんだよな。
だから、食べに来ないか?


【「たまたま?」と怪しみながら彼を見つめる彼女】


いや、本当にたまたま……いや、その、あーもう、分かった、白状する!

お前と距離置いてから、毎日例のプリンを2個買っては、冷蔵庫に詰めてたの!
いつお前が来てくれてもいいようにっていうか、あの日のやり直しがしたくて……。
おかげでこの二ヶ月、毎日プリン二個食べてんだぞ俺。


【「ははは、なにそれ」】


あ、笑ってくれた……。


【「じゃあ、お邪魔しようかな」】


え、いいの?俺の家来てくれんの?
やった、本当に嬉しい。
ありがとな、じゃあ行こうか?


***


(扉を開く音)

あがって。
なんか、お前がこの部屋にいると落ち着く。
いやいやいや、他には誰も入れてねぇよ。
だって俺は、お前と別れたつもりはなかったから。


【頭をかきながらそういう彼を見て、彼女は思わず抱きついてしまう】


っと、どうした?いきなり。


【彼は嬉しく思いながらも、突然のことに戸惑う】


え、お前泣いてる?
いや、なんでお前が謝るの?
全部俺のせいなのに。

いや……あれは、お前が怒るのも無理ないよ。
感情的になるのもしかたないって。

ん?本当はもっと早く連絡取りたかったの?
えーしてくれたらよかったのに。
あーまぁそっか、自分から連絡するなって言った手前、なかなかしにくいよな……。 
俺も、素直に謝れなくて……連絡を躊躇っててごめん。
冷静になればなるほど自分の行動が恥ずかしくなって、お前に合わせる顔がなかったから。

でもこの2ヶ月、寂しかったよ。
お前に会いたくて会いたくて、(強引にキスをする)んっ、たまらなかった。

(激しいリップ音)

んんっ、はぁ、やっとこうして抱き締める事ができた。
ぎゅーっ。
 

【彼は彼女を強く抱きしめる】


もう絶対に、お前を蔑ろにしたりしない。
寂しい思いも絶対にさせない。
何よりお前を優先する。
だから、また俺の所に戻ってきてくれる?


【彼女は嬉しそうに頷く】


良かった……本当に良かった!
あーもう、大好きだ。

じゃあさ、とりあえず……冷蔵庫にあるプリン、復縁記念に仲良く一緒に食べるっていうのはどう?


〈終〉
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
彼女放置で、別の娘の相談に乗った結果
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
呂綺
ライター情報
シチュエーションボイス女性向け台本を書いています。
得意ジャンルは、甘々、喧嘩系、ヤンデレ等。
有償販売利用の条件
フリー台本です。アレンジ自由、使用自由です。書き手の「呂綺」の名前だけ、どこかに記載してもらえたら嬉しいです。
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