いつも二人で食事に出かける演者と視聴者。
しかし、この日はいつもと違うことがあり・・・

乾杯！
【グラスを合わせる音】
はー、仕事終わりのビールは美味しいですね、先輩。
って言っても先輩はソフトドリンクですけど。
先輩はお酒飲めないのにいつも私に付き合ってくれてありがとうございます。
《視聴者のセリフ》
潰れないでくれると嬉しい、ってその言い方だと私が毎回飲みすぎて潰れてるみたいじゃないですか。
潰れるのは五回に四回くらいです。
確かに先輩と飲んでるときは毎回潰れてる気もしますけど。
これはあれですね、先輩と飲んでるからこそ潰れるほど飲んでも大丈夫だと思ってるのかもしれません。
先輩は私と飲んだとき、いつも私を家まで送ってくれるじゃないですか。
だから電車で帰らないので潰れても大丈夫なんです。
あ、そう言えば先輩に初めてお酒をいっぱい飲むって知られたのもこのお店の近くでしたね。
あのときはずっと行き詰まってた仕事が終わったんでいつも以上にお酒を飲んでたんです。
外で飲んで気持ち悪くなったのは初めて飲んだとき以来だったんですよ。
《視聴者の表情》
なんで、本当かって顔をするんですか？
本当です。
それでフラフラしながら駅まで歩いてたら先輩が私のこと見つけて、声をかけてくれましたね。
家まで送ってもらいましたけど、よく考えると不用心でしたよね。
先輩も男の人なのに酔った状態で家まで送ってもらうなんて。
もしかしたら変なことされたかもしれないのに。
私はそれでも良かったんですけど。
《視聴者の表情が変わる》
あ、何でもないですよ。
気にしないでください。
それよりも職場ではお酒が苦手な感じを出して飲み会とかでもソフトドリンクしか飲んでなかったのに、先輩に見られて家まで送ってもらうなんて迂闊でしたよね。
さっきとは別の意味ですけど。
まぁ、そのお陰でこうして先輩と二人でテーブルを囲むことができてるので、結果的には良かったですね。
《視聴者のセリフ》
なんで、ってそれはその、そう、先輩のお金でたくさんをお酒を飲めるからです。
それだけです。
あ、もしかしたらこれも先輩と飲んだときだけ酔いつぶれる理由かもしれませんよ。
先輩と飲んだら酔いつぶれてしまうのは、起こるべくして起きているのかもしれませんよ。


結構飲みましたね、先輩。
私はもう満足です。
けど、今日は潰れるほど飲んでませんよ。
私が毎回そこまで飲んでたら先輩のお財布が少し心配になってきましたから。
今更ですけど。
あ、そうだ。今日は潰れてないので、先輩の家にも連れて行ってくださいよ。
初めて私を家まで送っていったとき、不可抗力とはいえ私の家の中に入りましたよね？
それなら私が先輩の家に行くのも、なんらおかしいことではないとないと思うんです。
ダメなんですか？
明日は休みですし、終電まではまだ時間がありますよ。
最終、先輩のお金でタクシーを使うって手もあります。
あ、もしかして先輩彼女でもいるんですか？
《視聴者のセリフ》
いない、って知ってましたよ、そんなことくらい。
彼女がいてここまで私と飲んでるなら彼女さんが止めてもおかしくないですもんね。
それじゃあ何一つ問題ありませんね。
さぁ、レッツゴーです。
先輩の家はこの近くなんですよね？
《視聴者のセリフ》
わぁー、やったー。
先輩からオッケーが出た。
私楽しみです。


ここが先輩の家ですか？
早く入りましょうよ。
それじゃあ、お邪魔しまーす。
やっぱり私の家より大きいですね。
それに物はあまり多くないんですし。
それでは男の一人暮らしの冷蔵庫をいざ、チェック・・・って、お酒がいっぱい？
ごめんなさい先輩、勝手に冷蔵庫を開けてしまって。
さすがにお酒が入ってるとは思ってなかったので。
それによく見たら、ツマミになりそうなものもいっぱいありますね。
もしかして、先輩ってお酒をいっぱい飲む人なんですか？
この状況で違うわけはないですよね。
けど、それならどうして飲み会とかでもお酒を飲まないんですか？
私今まで一度も先輩がお酒を飲んでるところを見たことがないんですけど？
《視聴者のセリフ》
一人で飲むのが好きだから、ですか。
それならどうして私と一緒に飲んでくれたりしたんですか？
《視聴者のセリフ》
見ていて楽しかったから、って私が飲んでるところを見て楽しんでたんですか？
全然気づきませんでした。
それじゃあ会社まで電車で一駅しかないのに車で来てるのも、飲み会に行くときにお酒を飲むのを避けるためだったんですか？
《視聴者のセリフ》
けど二人で飲むのも面白そうだと思う、ですか。
え、それってもしかしなくても私と二人で飲んでもいいってことですよね？
それならそうしましょう。
今すぐ飲みましょう。
先輩がお酒を飲んでるところなんて会社の中で私しか見たことがないんですよね？
そんな珍しいところ早く見たいです。

それじゃあ、改めて乾杯。
あ、良い飲みっぷりですよ。
けど、やっぱり先輩がお酒を飲んでるところはなんか違和感ですね。
もちろん、楽しそうに飲んでるし、好きなんだなって思えるんですけど。
それでどうですか、人と飲むお酒は？
《視聴者のセリフ》
楽しい、ですか。
それは良かったです。
それで提案なんですが、これからは先輩の家で二人で飲みませんか？
そうすれば私も先輩と一緒にお酒を飲めて嬉しいです。
あ、もちろん毎回じゃなくてもいいので、次の日が休みの日だけとかでも。
《視聴者のセリフ》
あ、いいんですか？
それじゃあ、一緒に飲めるのは今日だけじゃないですね。

・台本（ゆるボイ！）
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・台本制作者
山葵餅