ある日の放課後、幼馴染である視聴者と一緒に帰ることになった演者。
しかし、帰る前に視聴者から告白され、喧嘩にまで発展する。
その後の二人の関係は？

あれ、もう放課後だよ？
こんな時間まで何してるの？
あ、誰か待ってるとか？
でも、アンタが待つような相手、想像できないんだけど。
幼馴染としてアンタの交友関係には詳しい方だと思うけど、彼女とかもいなかったはずだし、アンタがよくつるんでる三馬鹿トリオなら、終礼が終わってすぐに遊びに行くぞって帰っていったでしょ？
ほんとに何してるの？
《視聴者のセリフ》
え？私を待ってたの？
珍しいね、私と一緒に帰ろうとするなんて。
小学校のとき以来かな？
で、そこまでして話したい用件って？
あ、その前に帰る準備終わらせるからちょっと待っててね。
《視聴者のセリフ》
え、ごめん。なんて言ったのかよく聞こえなかった。
もう一回言ってもらってもいい？
《視聴者のセリフ》
は？何、それ？私のことが好きだって言ったの？
アンタがそんな冗談言うとは思ってなかったよ。
《視聴者のセリフ》
嘘じゃないって、アンタの言ったことが嘘だってことくらい私には分かってるんだからね。
何、あの三馬鹿にでもそそのかされたの？
いくら馬鹿なアンタでも、そのくらいの分別はあると思ってたんだどな。
幼馴染の私でもまだ知らないことがあるって知れって良かったよ。
ありがとね。それじゃあ、先に帰ってくれる？
人の気持ちも考えられないような人が幼馴染だなんて、本当に恥ずかしいから。
それと、これからは絶対に話しかけたりしないでね。
《時間が経つ》
って、なんでまだ帰ってないの？
こんな話の中で、一緒に帰るわけないでしょ。
もうアンタの話なんて聞きたくないから。顔も見たくない。
最低だよ。バイバイ。

〈翌日〉
で、わざわざ私の机に手紙を入れてまで呼び出して、何の話がしたいの？
前のことなら、もう謝ってほしいとか思ってないから。
私がアンタのタイプってわけでもないのに、嘘で告白してきたアンタが悪いんでしょ。人の気も知らないで
《視聴者のセリフ》
え？まだ私のことが好きだっていうの？アンタの趣味くらい知ってるんだから。
《視聴者のセリフ》
え？なんで知ってるんだ、って、それは、その。
あぁ、もういいよ。どうせ、今日で話すのも最後になるだろうから。
私、アンタの家によく行ってたでしょ？
それで、アンタのパソコン借りたりしたときもあったでしょ？
そのときに、その、アンタの検索履歴とかを見ることもあったんだけど、それで、アンタがどういう人を好きなのかを知ることもできたから。
私とは全然違う人ばっかり調べてるなって思ったりもしたし。
それで、悲しくなったりもしたし。
もちろん、顔には出さなかったけど。
《視聴者の行動》
あのさ、急に何してるの？
抱きしめられても苦しいだけなんだけど。
幼馴染で遊んで楽しい？
どうして好きでもない幼馴染を抱きしめてるの、本当に。
《視聴者のセリフ》
好きな人と調べるタイプは必ずしも同じじゃない、って、そういうものなの？
えっと、じゃあ、私のことが好きだっていうのは本当なの？
《視聴者のセリフ》
そうだよって。
じゃあ、本当に私の早とちりだったの？
そっか、私がアンタの言葉を信じられなかっただけなんだ。
それじゃあ、どうして私のことを嫌いになってないの？
私は自分の好きな人の言葉を信じてあげられなかったんだよ。
あーあ、こんなことになるなら前に告白してくれたときに、私が自分の気持ちに素直になれてたら良かったのにな。
《視聴者のセリフ》
好きは簡単に消えないからだって、本当に？
本当に、今でも私のことが好きなの？
《視聴者のセリフ》
そっか、そうなんだ。
私も、私もアンタのことが好き。
言われてみれば、私もアンタのことが好きって気持ちは何があっても変わらなかったから。
そうだ、勇気を出して告白してくれて、ありがとう。
けど、どうして告白なんてしたの？私がアンタの告白を断ったら、すごく気まずくなったと思うんだけど。
《視聴者のセリフ》
へぇ、あの三馬鹿に私のことが好きだって話したら背中押されたんだ。
アイツらにここまで感謝する日が来るなんて、思ってもみなかったよ。
それじゃあ早速、パシャリ。
うん、上手く写ってる。
付き合えたよ、って三馬鹿に送っといたら？
そうしたら多分、明日には私たちが付き合い始めたことが、クラス中には広まると思うし。


【以下省略可】
クラス中に広まるとは思ってたけど、クラスの真ん中でキスさせられることになるなんてね。
まぁ、アンタは満更でもなさそうだったけどね。

・台本（ゆるボイ！）
早とちり
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
山葵餅