何度も何度も、数え切れない人に告白してきた視聴者。そのたびに玉砕する視聴者に演者がかける声とは？

また振られたんだって。
これで何回目？
もうそろそろ数えるのも面倒になってきたんだけど。
それに、励ましてあげたいけど、そろそろかける言葉のレパートリーがなくなってきたんだよね。
もういい加減諦めたら？
《視聴者のセリフ》
何を？って、告白して誰かと付き合うことをだよ。
というか毎回毎回、告白してる人が高嶺の花過ぎるとは思わないの？
なんだっけ、今回は一年生で一、ニを争う可愛さの子で、前回はクラスどころか学年で一番人気の女子。
その前は確か、生徒会長にも告白してたよね。
それ以外にも、学校にファンクラブがある子にまで告白してたような気もするし。
傍から見てると全員タイプは違うけど、人気ってところが一致してるんだよね。
だから、そういう人相手に告白してる感じがするっていうか。
あのさ、変な質問かも知らないけど、あの人たちのこと、本当に好きなの？
《視聴者が口籠る》
って、なんで言葉に詰まってるんだよ。
告白している以上は好きだって即答してほしいんだけど。
（そうじゃないと、告白もしてもらえてない私が、どんな顔でお前と話せばいいのか分からないだろ）〈小声〉
あ、何でもない。
それじゃあ、彼女がほしいだけなのか？
それなら、お前から告白する必要はないだろ？
相手に好きだって思わせればいいんだよ。
それで、告白をされる側になる。
それに、周りを探せばもうすでにお前のことを好きだって奴もいるかもしれないぞ。
例えば私とかな。
って、冗談だけど。
《視聴者のセリフ》
本当に冗談なのか？ってどういう意味だよ？
なんで私がお前のことが好きだって思ってるんだ？
《視聴者のセリフ》
え、なんて？
声が小さすぎて聞こえなかった。
もう一回言ってくれ。
《視聴者のセリフ》
は、お前今なんて言ったのか分かってるのか？
いや、ごめん。
私の聞き間違えかもしれないし、もう一回言ってもらえるか？
《視聴者が言おうとする》
あ、やっぱりいい。
その顔見たら私のことが好きだって言ったのは、よく分かったから。
えっと、うん、私もお前のことが好きだ。
けど、それじゃあなんでお前は私のことが好きなのに、私以外の奴に告白なんてしてたんだ？
《視聴者のセリフ》
何それ？
つまり私に告白を止められて、ついでに告白までされると思ってた、と。
なんだ、そんなこと考えてたのか。
けど、それは無理があるんじゃないか？
私はお前が、好きな人が告白するのなら止められないな、って思ったし。
初めて告白するか悩んでるって言われたときも背中を押した気がするし。
ただ、家に帰ってから無茶苦茶泣いたけど。
なんで私のことを好きにならないんだよって。
ただ、それでもやっぱり、好きな人の気持ちを否定することだけはできなかったから。
さすがに、そんなことを考えてるなんて想像もできないしね。
それじゃあ、絶対に付き合えないような人にばっかり告白してたのも、そういう理由？
《視聴者のセリフ》
やっぱりそうなんだ。
私たちがお互いに、もうちょっとだけ自分の気持ちに素直になれてたら、こんなことにはならなかったのかもね。
これからは、彼女としてよろしく。

・台本（ゆるボイ！）
気持ちに正直に
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・台本制作者
山葵餅