ある日暴走している人狼の女の子を助けてあげたあなた。そこから彼女の勘違いが始まって…。

(走って逃げる足音)

つ～かまえた♡

この先は行き止まりだから、もう逃げ場はありませんよ…

もぉ～！なんでいつもボクを一目見ただけで逃げちゃうんですか？

そんなにボクと追いかけっこして遊びたかったんですかぁ！？

そんなに必死に走ってもボクは人狼だから足も速いし、鼻も利くから絶対に逃げられないですよ～

でもそんなにボクと一緒に遊びたいんなら、言ってくれればいつでもどこでもすぐに駆けつけますよ！

なんたって、ボクはお兄さんの「ペット」だからね！！

え？『お前なんかペットにした覚えなんかないし、そもそも何でいつも俺につきまとうんだ！？』って？

何言ってるんですか？ボクはお兄さんのペットですよ？

あの日の夜、ボクと誓いを交わしてくれたじゃないですかぁ！

ボクの人生の中であのときほど誰かの優しさ感じた瞬間はなかったんだよ？

一生忘れられないボクたちの大切な思い出だよね？

って、何キョトンとしてるんですか？ まさか忘れたわけじゃないよね？

あの満月の夜の日、狼に変身してしまって暴走していたボクを助けてくれたじゃないですか…

見ず知らずのボクを…人狼だと知っても怖がらずに…それどころか危険を省みずに体を張って止めてくれたじゃないですか！？

その後もボクの怪我の手当をしてくれて、ご飯まで食べさせてくれて...

そこまでしてくれるのにボクに気が無いなんて言わせませんよ？

えっ？『あの時はただの善意で助けただけで他意はない』って？

『だからお前なんかペットでも何でもないし、そもそも俺にそんな変な趣味はない』って？

あはっ…あははは…そんなわけないですよ…ボクはお兄さんの...ご主人様のペットですよね？

あの日もボクの相談にのってくれて…ボクが狼になって暴れないようにいろいろと対策を考えてくれて…ボクに「しつけ」をしてくれたじゃないですか！？

ほらこれ、 この首輪！

ボクとお兄さんの名前が入ってる特注品なんだよ！

この愛の結晶をボクにはめて、正式にボクのご主人様になって♡

えっ、『そんな訳の分からない妄想に俺を巻き込むな！もうこれ以上ペットを自称してまとわりつくのはやめろ！！』って？

噓だっ…
お兄さんがボクを愛してくれているっていうのはただの思い違い、ただの妄想だっていうの？

そんなわけない…そんなわけ…

嫌だっ…嫌だ嫌だ嫌だ嫌だっ！！

ふふっ…そうだ…そうだよ…
今までの思い出がボクのただの「妄想」だって言うんなら、これから全部「現実」にしちゃえばいいんだ…！

(押し倒す音)

こ～ら…じたばたと暴れても無駄だよ…

ボクが人狼だってこと忘れちゃったんですかぁ？

お兄さんがボクをペットにしてくれないのなら、ボクがお兄さんをペットにしちゃえばいいんだもんね♪

(布がこすれる音)

あははっ！
華奢な女の子に上から押さえつけられてされて、手も足も出すことが気分はどうですかぁ？

これ以上ボクから逃げようとするなら、このままこの場でお兄さんを食べちゃってもいいんですよ？

ｽﾝｽﾝ…ｽﾝｽﾝ...
あれ？お兄さんの首筋あたりから他のメスの匂いがする…

許せない…許せない許せない許せない！

お兄さんはボクのものなのに！！

あはははは！そんなに怯えなくてもいいんだよ！？

このまま首筋に嚙みついて上書きして…ボクのものだってマーキングするね♡

カプっ！

ほら見て、お兄さん…

首筋…しっかりとボクの噛みあと、ボクの所有物だって証つけちゃった…ふふふ♪

これでボクとの力の差、主従関係がはっきりわかったよね？

それとこの首輪…本当はボク用のものだったけれど、お兄さんにつけてあげるね！

そんなに泣き喚いちゃって…そんなにボクのペットになれたのがうれしかったのかな！？

その首輪すーっごくかわいくて、お兄さんにとーっても似合ってるよ！

これからは、ボクがお兄さん寿命が尽きるまで責任もってお世話して飼ってあげるからね♪

喜びのときも、悲しみのときも、お互いを敬い慰め合い愛し合っていこうね…ボクのご主人様♡

・台本（ゆるボイ！）
自分をペットだと思い込んでいるヤンデレ人狼ちゃん【フリー台本】
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
朱羽しゅくれ