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ヤンデレアラクネの強制操演 かつての約束
written by 泣きんぎょ
  • 甘々
  • シリアス
  • ファンタジー
  • 純愛
  • ヤンデレ
  • 人外 / モンスター
  • 友達
  • 拘束
公開日2021年06月22日 23:36 更新日2021年06月22日 23:37
文字数
3850文字(約 12分50秒)
推奨音声形式
バイノーラル
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
アラクネ
視聴者役柄
狩人
場所
あらすじ
あらすじ

 恐ろしい化物が出る……と噂の森が近くにあった。
 あなたはその噂の化物を討伐するために森へと入って行く。
 理由は、村を守るため……しかし、それ以上にそこが思い出の地だから。
 昔、まだあなたが子供の頃にこの森には秘密の友達がいた。
 その子は……一人ぼっちで、同じくいつも独りぼっちであったあなたと自然と気が合うようになった。
 森で秘密の逢瀬を堪能した。
 しかし、それも別れが来る。
 あなたは村を出ることになったから。
 挨拶も出来ずに、ただ手紙だけを残して……きっと届くと信じて、チャチなアクセサリーと一緒に。
 置いて出ていった。
 村に帰ってきた今となっては、それはあなたにとって守りたい思い出の一つだから。
 あなたは狩りへと赴く。
 しかし、そこで待っていたのは……かつての友達。
 蜘蛛少女のアラクネが成長した姿でそこに居たのだった。
本編
本編

 物が投げ付けられる音

「この森に踏み入ろうとする者よ……去れ。ここは貴様ら人間の荒らして良い場所ではないのだ」

「我が聖域を汚すことは許さぬ……疾く去れっ!」

 疾く 読み とく

「……ほう、我が力を知りつつも挑んでくるか?」

「そなたは人の中では勇者と呼ばれる類であろうな……だが、わらわにとっては愚か者だ。その蛮勇、後悔しながら死んでいくが良いっ!」

 剣戟音

「くっ、くくくっ、中々の踏み込みよな……今までの人間とは桁が違うというか……だが、なぁ?」

 糸が巻き付く音

「ふっ、わらわを侮ったな? 正面にしか警戒心を向けないからこうなるのだ。愚か者め」

「アラクネの生む蜘蛛の糸……人の力で撃ち破れることなどないと知るがいい」

「では、お別れだ」

「なぁに、殺しはせぬ。ただ……すこ~しばかり恐怖心を植え付けられる羽目になるだけだ」

「殺してくれと懇願したくなるほどの恐怖をなぁ」

「くふふ、身動きも取れぬまま……為されるがままに味わう恐怖に震えるがいい」

「ふはははははははははっ!」

「さて、では行くぞ……?」

 言いかけて、途中で気付くように

「貴様、何を見ている?」

「……ん?これか? この首飾りが気になるのか?」

「ふぅん……何を言い出すつもりかは知らぬが先に教えておいてやろう」

「これはな……わらわの宝だ」

「唯一の友が、一人になってしまうわらわのために、と気遣って手ずから作ってくれたかけがえのない宝物なのだ」

「ふふ……ふふふふふっ♪ぁあ、今あ奴はどうしておるかのう? きっと、年頃の格好よい男になっているに違いない……なんせ、わらわの大切な友だからなぁ……それはもう引く手あまたの絶世の美男子へと成長を遂げているに違いない」

「ふふ、ふふふふふふっ♪ 早く、もう一度会いたいものだ……お互いの成長した姿を存分に見せっこしようぞ……ふふ、ふふふふふふっ♪」

 ひとしきり浸るように笑ってから
 思い出したように

「……ぁあ、忘れていた。そういえば蛮勇の愚か者を捕えていたのだったな」

「で? このわらわの大切な首飾りについて聞いて、お主はどうするというのだ?」

「ふん、貶すか?」

「化け物にお似合いのみっともない装飾品だと、わらわの宝を侮辱してみるか?」

「今まで来た、愚か者のようにな?」

「……ふん、あのような輩……あ奴との約束が無ければ即座に首を刎ねているものを……」

 話しかけられて気付かないまま相槌を打つイメージで

「ん、ああ、そうだ。あの者との約束でな……決して人を殺さぬと誓約を……?」

「お主が何故そのようなことを知っておる?」

「…………っ! まさ、か」

 撫でる音

「お、おぉ、この肌触り……それに」

 クンクンと匂いを嗅ぐ音

「この、心安らぐ暖かな香り……覚えがある……知っている」

「あぁ……ぁあっ! よく見れば……そうだ、面影がある……わらわの知る、あの者に、よく似ておる」

「ふふ、ふふふふふっ♪ 成長しておるから分からなんだ……何と、強く逞しく成長したものか」

 嬉しそうに

「待っていたぞ♪わらわの、生涯唯一の友♡」

「ふふ、ふふふふふふふっ♪」

「あぁ、すまない。拘束はすぐ解こう。久しぶりに語らい合おうじゃないか」

「こうして会うのは実に何年ぶりであろうな?」

「わらわには千年にも万年にも感じられたぞ?」

「あの時……お主が、この首飾りと手紙を残して消えた時からな?」

「ふふっ、あぁ、そうだな……久しぶりにあそこに行って存分に語らい合おうじゃないか?」

「わらわたちの、秘密の逢瀬の場にな♡」

 少し間を空けて

「……ふっ、懐かしいな……昔はこうして、肩を並べてよく話したものだ」

「どうだ?あの時みたいに、わらわのことをくぅちゃんと呼んでもいいんだぞ?」

「……まぁ、わらわの真の名は別にあるのだが……アラクネ、蜘蛛女だからくぅちゃんだと譲らなかったのだよな? ふふ、今にして思えば子供らしい意地の張り方だな♪」

「けれど……そうだな。今にして思えば、親しみを込めてあだ名を読んでくれる者など、お主しかおらなんだな」

「……あの頃は楽しかった」

「わらわは、毎日お主と会うのを楽しみにしていた」

「遊ぶ時間を心待ちにしていた……」

「そして、別れの時間を心の底から嫌っていた」

「ずっとこの時間が続けばいいと思っていた」

「ずっとずっと……お主とのこの暖かな時間が続けばよい、と本当に思っていた」

「大好き、だったんだ……失ってなお焦がれるほどに」

 感傷的に言ってから
 向こうから質問されたふうに

「……ん? 森の化物? 何の話だ?」

 少し間を空けて
 納得するように

「……あぁ、それなら確かにわらわのことだな。先にも言った通り、わらわはここに踏み入ろうとする人間を遠ざけてきたからな。お主との思い出の場所を荒らされるのが我慢ならなかったでな」

「……うむ、すべてわらわの仕業だな」

「この森を、守りたかった……」

「あぁ、あ奴らは本来不可侵であるはずのこの領域を切り拓いて村を広げようとしたのだ」

「元より、魔物が住む森である、と古来より線引きがなされているこの森をな」

「それが、わらわには許せなかった」

「あやつらは容赦なく森を切り開いていくだろう……木々を切り倒し、森であった痕跡すら無くし……そこに生きる生命すらも全て追い出しつくして……」

「…………まぁ、別にそれだけならわらわとしても構わなかったのだがな」

「あいつらは……きっとこの場所すらも踏みにじるはずだ」

「この……わらわとお主が過ごした思い出の場所を、な」

「それが……わらわにはどうしても許せなかった」

「どうしても、守りたかった……」

「でないと……お主との約束の場所がなくなってしまうからな」

「わらわは、お主ともう一度会いたかった……だから、こうしてここを守ってきたというわけだ」

「覚えているだろう? あの時の……お主が村を去る前にわらわに宛てた手紙」

「必ず帰ってくる、だから、その時はまたここで会おう……この森で語り合おう……そして、その時こそ一生を添い遂げよう、とな」

「ふふ、ふふふふふふっ♪」

「なぁ?今日はそのつもりで来たのであろう?」

「離れ離れになったわらわとお主はこうしてまた一つとなり……伴侶として生涯を送る時がようやくやって来たわけだ」

「ぁあ……お主は、しっかりと約束を守ってくれたのだな?」

「……もう、帰る時間に怯えなくても良いのだな?」

「ずっとずっと……一緒に、過ごせるのだな?」

「うむ、一緒に楽しく遊ぼう」

「楽しく過ごそう」

「あの時のように……いや、あの時以上に!成長した今でなければ出来ないことも交えて永遠にっ」

「さぁ、今こそ誓いの口づけをしよう……共に添い遂げる、誓いを」

 嬉しそうに語り掛けてから
 不思議そうに

「……む?そうでは、ない?」

「……それは、どういう意味だ?」

「わらわに、会いに来たのではないのか?」

「約束を果たしに来たのではないのか?」

「……何?それは、子供の頃のこと、だと?」

「…………それが、何だというのだ?」

「わらわは確かに約束したぞ?」

「確かに……手紙にもそう書いてあったぞ!?」

「…………そう、か。大人になったから立場も出来た、帰らわないわけにはいかない……か」

「……そうだな。一理ある。わらわは魔物で、お主は人だ。生きる世界が、あまりにも違いすぎる……共には生きることが出来ない」

「……そうか。お主は、大人になったのだな?」

「…………そうか」

気落ちしたように二回目の「そうか」を口にしてから
 そのままの調子で

「あぁ、そうだな……会えてよかった。楽しかったよ……そうか、明日も仕事があるから帰るのか……そうか」

「あぁ、分かった……子供だったあの頃のお主は大人になり、もうわらわとは一緒には居られぬ、というのだな?」

「なら……うむ」

耳元で

「わらわも大人のやり方でやらせてもらおう……成長しきった、魔物のやり方でな?」

 離れて

「帰るというなら好きに帰ればいい。出来るのであればな?」

 糸の音

「ふふ、どうした?帰るのではなかったのか?」

「はは、そうだろう? 身体が動かないであろう?」

「お主の身体にはわらわの糸が巻き付いておるからな?……もはや、わらわの意のままというわけだ」

 糸の音

「ほれ、こっちへ来い。わらわの身体に触れるが良い」

「……はぁ、暖かな手の平だな。お主と触れ合うのは、いつぶりか?」

「そうだ……そのままわらわの身体を撫でまわせ。わらわの気が済むまで、わらわの心を満たし続けよ」

「うん……うん。温かい……望んで止まなかったお主の手……愛する男の、暖かな手だ」

「ぁあ……気持ちいい……これまでの孤独、寂しさが、溶けていくかのようだ」

「うん、わらわもな?ずっと……ず~~っとお主の身体に触れたかったぞ?」

 触る音
 耳元で

「なぁ?お主は、わらわのことは嫌いか?」

「わらわは好きだぞぉ?愛してる……」

「もうお主を、村に返したりなどせぬ」

「手放したりなどせぬ……」

「お主はもう……ずっとず~~~っとわらわのものだからな?」

 離れて

「案ずるな、時間はこれからいくらでもある……お主がわらわに愛を告げるその日まで……わらわはこうして、お主を愛し続ける……伝え続ける」

 囁くように

「お主のことが、こんなにも好きだということをな♡」

離れて

「では、わらわの魅力に堕ちるその日まで……共に遊び続けよう」

「共に過ごそう」

「もう、お主はわらわの操り人形だ。どうあっても逃れることは出来ぬ」

「ほれ? わらわの額に口づけをせよ」

「肩を抱いて、首筋に頬ずりせよ」

「うん♪ そうだそうだ……全ては、わらわの意のままだ」

「嫌だというのなら、早く堕ちてしまうがよい」

「わらわの伴侶となれ」

「それを拒むのであれば……」

 耳元で

「この森で一生、わらわのお人形として楽しいお人形ごっこをしながら生きていくのだな?」

 離れて

「わらわはどちらでも構わんぞ?」

「どちらにせよ……お主がわらわの傍に居るのだからな♪」

「……まぁ、欲を言えば、自発的にわらわを愛してくれる方が嬉しいけれどな?」

 茶目っ気たっぷりに言う感じで終了
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
ヤンデレアラクネの強制操演 かつての約束
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
泣きんぎょ
ライター情報
 ASMR、シチュボ台本を主に書いています。
 細かい指定や、指示が書いてあることがありますが、不可能な場合や不明瞭なことがあれば代替あるいは無視してもらっても結構です。
 また勢いのまま書き連ねているため誤字や脱字が見られる場合がありますのでご使用の際はお気をつけ下さいますようお頼み申し上げます。
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