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無口な用心棒JKスナイパーにバレンタインに連れ回されて……
written by 泣きんぎょ
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公開日2022年02月12日 01:33 更新日2022年02月12日 01:33
文字数
2408文字(約 8分2秒)
推奨音声形式
バイノーラル
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
無口な用心棒スナイパー
視聴者役柄
護衛対象
場所
屋上
あらすじ
あらすじ

 あなたには用心棒を営む、奇妙な女友達がいた。
 彼女が傍に居るのもそれが縁。
 仲良くなったのもそれが縁。
 そして、今日、付き合わされているのもそれが縁。
 義理チョコを配るのだという。
 何故居るのか?
 何故そこに連れてこられなければならないのか?
 疑問のままあなたはそこで付き合わされる。
 それは、常識が足りない彼女を見張らなければならない使命感の上でのことでもあったが……彼女のいじらしい策略でもあった。
本編
本編

「風速3メートル……誤差修正……ターゲットロック」

「……発射」

「…………ん、命中。チョコレートは対象の鞄の中に……これで残りは134個」

「次弾、装填……次のターゲットを、待つ……」

 少し間をあけて不思議そうに

「…………何? 今、義理チョコ配りで忙しいんだけど……」

「…………そう、何で付き合わされてるのか分からない……そう」

「……それは……私があなたに付き合って欲しかったから、傍に居て欲しかったから」

「それじゃ……理由にならない?」

「あなたは私が命を賭けてでも護りぬく最も大切な護衛対象だから……」

「……それに、こんなことになったのは、あなたにも責任がある」

「バレンタインデー……女性から男性へチョコレートを贈る日」

「けど、私は……興味がなかったから、適当に……この日の為に作ったチョコレートマシンガンを使って、全学年の男子にばら撒くつもりだった」

「でも……それを話したらあなたが却下した」

「……一番、簡単ですぐ終わる方策なのに……」

「だから、第二案を用意した」

「今度は特注品のチョコレート射出ライフルを用いて直接、チョコレートを口の中に狙撃して終わらせようと思った」

「けど……それも却下した」

「誤嚥性肺炎になったらどうするんだ、ととても面倒なことを言って……」

「男の子だからきっと大丈夫、銃弾と同じ速度でチョコレートが口に入ってきたからって何だって言うの? きっと噛み砕ける」

「そう言ったのに……あっさり却下した」

「……私は、いけると思うのに……」

「だから、こんな面倒なことをしている」

「銃弾よりも遥かに遅いチョコレート射出機を使い、荷物の中に放り込ませる……それが不可ならトリモチを併用して身体に貼り付ける……」

「本当に、面倒くさい」

「……ん、次のターゲット……確認……発射」

少し間をあけて

「……ん、これであと133個」

「……いったい何時間かかるやら……今日中に終わらせなきゃいけないのに」

「…………ふぅ……まだ、陽は高いから、いいけど……終わるまで付き合ってもらうから?」

「いいよね?」

「……拒否権は……認めない、けど」

「……ん……発射」

少し待ち

「……着弾……対象の背部にトリモチによる接着を完了……残り、132個」

「……ふぅ……やっぱり、いよいよとなったら……念のため持ってきておいた、これ、使ってもいいよね?」

「チョコレートマシンガン……秒間120発を打ち尽くす、超々速射マシンガン」

「これなら瞬く間に配り終わる……最終的には問題ない」

「……本当に、まずくなった時にしか使わない、けど」

「…………そんなに、見つめないで欲しい」

「私を信じて」

「私は……あなたのことが好きだから」

「その、あなたが言うことを違えるような真似は、なるべくしたくない、から」

「……ぁ、発射」

少し待ち

「……ふぅ、人の流れが少し活発になってきた」

「これからこれから……」

「うん……これなら、奥の手を使うまでもなく終わる……かも」

「そして……本命を……私のありったけの想いを、最後に……ふ、ふふふ」

 気を取り直したように

「……ねぇ?私は、今、あなたの目の前で他の男の子たちにチョコレートをこうして配ってるわけだけど……感想は?」

 少し待ち

「…………何?その顔?」

「……不思議な顔をするね」

「てっきり、嫉妬と独占欲が入り混じった顔をすると思ってたんだけど……外れてしまった……がっくり」

「何で、そんな顔……ぁ、次のターゲットが……発射」

 少し待ち

「……ん、着弾。残り130個」

「……えと、何の話だっけ?」

「…………ぁ、そうだ。どうして、そんな顔、するの?」

「被害者たちが不憫でならないって、どういうこと?」

「男の子ってのは、女の子から義理チョコ一つ貰うだけで一喜一憂するものだと聞いた。ならばこれは、喜ぶべきことのはず」

「……発射」

少し待ち

「……ん、着弾」

「……ん……で、その喜ぶべきことを他の男の子たちにしてる姿をこうして見てる身としては……嫉妬しなければならない、少なくとも私はそう思う」

「だって……あなたは私のことを愛しているから」

少し間をあけて

「…………どうして、そうだって即答してくれなかったの? ちょっと、恥ずかしかったんだけど……」

「……私が好きかどうかと言ったらすぐに好きと答えなきゃ駄目」

「私が愛してるかどうかって聞いたらすぐに愛してると言わなきゃ駄目」

「こんなんじゃ、息の合ったお笑いコンビにはなれない。練習あるのみ」

「…………別に、お笑いコンビになりたいわけじゃ、ないけど」

「……ん、でも、夫婦漫才ならしてもいい……だって、夫婦だから」

「……コホン、それはそれとして」

「何で、嫉妬してくれないの?」


「私は……悔しがってくれると思った。モヤモヤしてくれると思った」

「そして……そんな想いをさせた後に……あなたには、特別だよ?と言って手作りチョコを渡せばイチコロだと思った」

「だから……こうして連れ出したっていうのに……」

「私はこんなにもあなたを独占して、私に縛り付けたい……縛り付けられたいって思ってるのに……あなたは何で独占欲も執着心も発揮してくれないの? 不公平」

「私と同じくらいに私のことを好きにな~れ」

 少し待ち

「…………どう? 効いた? 魔法の呪文?」

「…………そっか」

「効かないんだ……じゃぁ、別の……ぁ、発射」

少し待ち

「……ん、よし」

「……別の、ことで堕とそう……うん」

耳元で

「……ねぇ? ただ、待ってるのも暇、だよね?」

「本命は……本当の、チョコは終わったあとだからまだまだ上げられないけど……可哀そう、だから……ちょっとだけ、チョコ、あげる」

囁き

「ポッキーゲーム、しよ?」

 耳元で普通の声で

「互いに齧りあって、先に折った方が負けの度胸試し……」

「で・も……」

「私は何にも損しないから、そのまま唇まで美味しく頂いちゃう」

「チョコレートとにまみれた唇のまま甘い匂いを感じながら、魂がとろけるほどに舌を絡ませ合うの」

「ぬるぬる、ぺちゃぺちゃ……れろれろ……って、舌と舌でチョコを溶かし合って」

「……ん、考えただけで……ドキドキが、止まらなく、なっちゃった」

「思う存分……貪りあお?」

「そして……したいって、言うなら……何をしても、いい、よ?」

囁き

「愛してる」

離れて

「あなたの護衛は、私が生涯を通してやっていく所存しょぞん……一生、面倒、見てね?」

「私……生活力は、皆無だから……身辺警護以外は……ぁ、それと子供を産んで育てること……それ以外は、よろしくね?」

「……それ、じゃ……やろっか?」

「ポッキーゲーム……唇ごと、いただきます♡」
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
無口な用心棒JKスナイパーにバレンタインに連れ回されて……
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
泣きんぎょ
ライター情報
 ASMR、シチュボ台本を主に書いています。
 細かい指定や、指示が書いてあることがありますが、不可能な場合や不明瞭なことがあれば代替あるいは無視してもらっても結構です。
 また勢いのまま書き連ねているため誤字や脱字が見られる場合がありますのでご使用の際はお気をつけ下さいますようお頼み申し上げます。
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