彼女があなたに「これを着て」と差し出したのは、灰色の猫の着ぐるみパジャマでした。
今晩、あなたは彼女の猫として可愛がられます。

あのさ、これ着てくれない？

なにこれって思う気持ちはわからなくないけど、なにも聞かずに着て？お願い。

(わかった)

ありがとう。じゃあ、隣の部屋で着替えてきて。

(着替えて戻ってくる)
きゃー！かわいい！

やっぱり似合うと思った！
着ぐるみパジャマ！

フード！フードかぶって！
ああ、もう最高！
灰色の猫ちゃんのにして本当によかった！

一時間かけて選んだ甲斐があったよ。

あっ、写真撮んないと。

(何回かシャッター音)
(ぶつぶつ呟く)
はぁ、かわいい。かわいすぎて無理。
これ待ち受けにしよ。
こっちはパソコンのデスクトップ用っと。

ジトーってした目で君に見られてるけどそれもまた良しっ。
着ぐるみパジャマのおかげで、あきれ顔すらもかわいい！

(どうしてこんな格好を？)

え？なんで君にこんな格好をさせたのかって？
私、猫ちゃん好きでしょ？
でも、猫アレルギーで触れない。
だけど、もふりたい。
そこで聡明な私は思い付いたのです。

そう！君を猫ちゃんにしてしまえばいいんだと！

(ねだるように)
というわけで、もふらせて？

いいよって言ってくれなくても勝手にするけどねっ。
ぎゅー。
(深く息を吸う)
君の匂いがする。
それにとってもあったかいし。ふわふわしてるし。

ふふ、あたまなでなで～。
よーしよーし。
かわいいでちゅねぇ。

あごの下も掻いてあげようねぇ。
ごろごろー、にゃー。

ふふっ、次はほっぺを、むにゅむにゅ～。

どうしたの？目を細めて。
もしかして、気持ちいいの？

(からかうように)
もう、そっぽ向かないでよ。
恥ずかしいのかな？

今度は背中をなでてあげるね。
上から下へ、ゆっくり。
なーで、なーで。

眠くなってきちゃった？
じゃあ、お布団いこっか。

私についてきて～。
こっちですよ。

ほら、お布団の中に入っておいで～。
一緒にぬくぬくしよ。

(布団に入る)

また背中なでてあげる。
よーし、よーし。

もう寝ちゃった。
かわいいなぁ。

次はどうしよう？

今日の君見てたら私が着ぐるみパジャマ着てみたくなっちゃった。
それで君にいーっぱい甘やかしてもらいたいな。

あっ、二人で一緒に猫ちゃんになっちゃうのもアリかも。

またこっそり準備しとこうっと。

おやすみ、私の猫ちゃん。

・台本（ゆるボイ！）
彼女は彼氏に着ぐるみパジャマを着せてもふりたい
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
メロンフランスパン