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クールで取っ付きづらいツンツン美少女はあなたにデレデレな面倒くさい限界オタクでした♪
written by 泣きんぎょ
  • 告白
  • 学校/学園
  • 純愛
  • 学生
  • 同級生
公開日2021年08月22日 22:08 更新日2021年08月22日 22:08
文字数
6226文字(約 20分46秒)
推奨音声形式
バイノーラル
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
限界オタク
視聴者役柄
ネット小説を書いてる人
場所
空き教室
あらすじ
あらすじ

 ネット小説を書いてるあなたは、授業中に思い浮かんだことをすぐに書きたくて休み時間に空き教室へと忍び込んでそのままノートパソコンを起動して書き始めてしまう。
 しかし、その場所はある女子の憩いの場。
 クールで、どこか取っ付きづらい……冷たい印象のあるその子がよく来る場所で。
 見つかったあなたは、冷たく語り掛けられる

「誰?こんなところで何してんの? そこ、私の席なんだけど」

と、見下すような冷たい目で怜悧な声で
 しかし、その内容を見た途端態度が一変する。
 彼女はあなたの面倒くさい限界オタクであった。
本編
本編

ガラガラ、と扉の音

「ふぅ……疲れた。まったく……授業ってどうしてあんなに退屈なんだか……」

「人が一杯いて……鬱陶しいのよね、ったく」

 足音
 気付いたように

「……先客?」

「……あたし以外に来る人居たんだ、ここ……チッ、失敗したな。別のとこ行けばよかった……はぁ」

「ねぇ?あんた、誰?こんなところで何してんの?そこ、あたしの席なんだけど」

「……ねぇ?聞いてんの?」

「……ったく……ま、いっか。隣、失礼するから……はぁ、居心地悪ぅ」

「……近くに人が居るのって、どうしてこう不快なのかしらね?」

「……あ~ぁ、やだやだ……なんでこうなるかな……」

「ねぇ?別に、近くに座ったのは、あんたのことを意識してるから、とか好きだからとか……そんなんじゃないから。分かってるよね?」

「変な勘違い、しないでよね?」

「あたしはね、これでわざわざ遠くに座るのが負けたような気分になって嫌なのよ」

「元々はあたしがいつも座ってる席なのに……たまたま座られたからって別のところにわざわざ離れて座るなんて……なんか、やじゃない」

「むかつく……」

「つまり、そういうこと……分かる?」

 タイピング音

「……あの、さ。さっきから話しかけてるんだからさ、少しは反応しなさいよ。無視するのは幾らなんでも失礼じゃない、ったく……」

「さっきから何、パソコンでカタカタカタカタやってんのよ?」

「ま、話さないって言うんならあたしはそれでも別にいいけど……」

「あんた、早く終わらせなさいよね?そこ、あたしの席なんだから」

 タイピング音、不意に不規則になって止まる

「……ん?終わった?早かったわね、じゃ、さっさと」

「……はぁ?横にあたしが居るから集中できなかった? チッ、人のせいにしてんじゃないっての、まったく……」

「集中できなかったのは自分のせいでしょ?」

「私が横に居ようと書けばいいじゃない、それで集中できなかったのはあんたの集中力が足りなかっただけ……そうでしょ?」

「まったく……自分の力不足を人のせいにすんなっての」

「だいたい、さっきからあんた何やってたのよ?」

「ちょっと見せてみなさい……よ……え」

 ここから信じられないものを見た感じで

「これ……え?」

「えぇぇぇぇぇぇぇ!?」

「あ、あ、あ、あの!あのあの!もしかして、その、ネットでこの、作品を書いて……る?」

 相手が答えるくらいの間を空けて

「わぁ……わぁぁぁぁぁぁっ!」

「あ、あ~~~、うぅぅぅ、え、えと、どうしよう!凄すぎて、なんか、言葉、でないんだけど……あの、えっと、その!」

「あ……ご、ごごご、ごめんなさい!さっきはとんでもないことを言ってしまって!」

「あ、あの!あ、あたし!えと、あぁぁ、あのっ!せ、先生の作品!大好きです!そのっ、なんていうか、こう……えと、尊い~っていうか、好き、っていうか……あぅぅ、えっとぉ」

「うぅぅぅぅぅっ……駄目、ヤバすぎてもう言葉が出てこない……限界、死ぬ……」

「でも、幸せ……会えて良かった……こんな身近に作者の先生が居るだなんて……もう……もうっ!や、やばすぎて、ヤバいっ!」

「……ひうぅぅぅ、ご、語彙力がぁ……いつにも増して、酷いことにぃぃぃ」

「………え?あ、いや!そんな、勿体ないっ!そりゃ、先生って呼びますよ!だ、だって!私の、その、大好きなお話の創造主さんなんですから!」

「敬語で喋りますし、その!ホント、えっと、り、リスペクトだしっ!その、えええっと、なんていうか……」

「す、好きです!大好きです!もう、凄すぎて蒸発しそうです!」

「は、あぅぅぅぅぅぅぅ、ふぅぅぅぅぅぅぅっ……うぅぅぅうぅぅぅぅ」

「もっと、ちゃんとした言葉で伝えたいのにぃ……どうして、あたしってこう……好きなモノを前にすると、こうなのよぉ~……うぅぅ」

 何かを言われたように少し冷静な調子で

「……あ、はい……っと、じゃなくて、うん。えと、普通に、ですか? えと、普通に……」

「コホン……まぁ、さっきのでだいたい分かったとは思うけど、あたし、あんたの大ファンなわけ。毎日ネットで更新されてる最新話を見てるし、なんならもう五十回以上は通しで見返してるし……控えめに言って大好きってこと」

「……控えめに、ね?」

「本当は……もっと、言葉を尽くして、いろいろと伝えたいんだけど……その……うぅぅぅぅぅぅっ!だ、だめだぁ~~、普通なんて無理だよぅ……」

「う~~~~~……えっと、本当に、最初みたいな喋り方で、大丈、夫? その~、し、失礼じゃ、ない?で、すか? あの……その……」

 最後は尻すぼみに

「だ、だって……さっきまで知らなかったし……だから、あんな口きけただけだし……」

「あたし……本来は、コミュ障だから。喋りたくなくて一人で黙ってたらなんか……冷たい感じでカッコいい、とか意味の分からないこと言われて……はぁ」

「うん……だから、教室、居心地悪かったのよ」

「だから、ここに来た……いつもいつも、一人でぼんやりしてた……つまんなかったのよ、全部」

「でも……それが、まさかこんなことになるとは、ね……」

「ねぇ?あんたは……えっと、先、生は?」

「あ、先生じゃない方がいいの?じゃ、じゃあ、ふ、普通に呼ぶけど……あんたは、どうしてここに?」

「いつも、居なかったじゃない?」

「会わなかった……じゃない?」

「……うぅ、知ってたら、もっと早く会いに行ってたのに……」

「どうして今日に限ってここに居るのよ?」

「もっと前から居てくれてもよかったじゃない!」

「あたしは、ずっとずっと会いたかったのにっ!」

「……って、あ、はは、何言ってんだろ?あたし」

「これじゃ情緒不安定ね……ごめん」

「あたしが言いたかったのはね? もっと早く会いたかったってこと、ずっとずっと前から会いたいって思ってたの」

「あんたの書くお話が……あたしを救ってくれたから」

「あんたの書くお話……あたし、ホントに好きでね……あ~~、落ち着いてきたから、今ならちょっと言えそうなんだけど……」

「明るくって、楽しくって……あたしを、一人の時間から遠ざけてくれた……物語の中で本当にあたしがその冒険を一緒にしてるような気分になって、楽しい気持ちにしてくれた……嬉しい気持ちにしてくれた……だから、ずっとずっと前から直接会ってお礼を言いたかったの」

「感想欄とかにはもうとっくに書いたし、毎日書いてもいたんだけど……直接、顔も知らない作者の人に……言いたかったのよ」

 耳元で

「ありがとう……あんたのおかげで、あたしは一人から救われた……誰も居ないけど、独りぼっちだって思わなくなった……寂しいって思わなくなった……全部……全部、あんたの書くお話のおかげだよ」

囁き

「ありがと……いつまでも、いつまでも、大好きで、あなたの書くお話にときめいてる大ファンです」

離れて

「……ん……あはは、は……なんだか、改まって言うと、顔が熱いわね。真っ赤になってるの、自分でも分かる……けど、本心」

「あたし、あんたがこの世界に生まれてくれてよかったって思ってる」

「一緒に同じ時を過ごせてよかったって思ってる」

「しかも、こんな近くに居るだなんて……えへへ、な、なんだか、運命!感じちゃうよねっ?」

「こんなところで……たまたま会って、それで、二人っきり、とかぁ……うは、うはははは!」

 誤魔化すように笑って

「ね?あたしたち……つ、つきあっちゃおっか?」

「そ、そそ、それで!あたしのために毎日毎日お話を書いてくれたら嬉しいなぁ~~なんて~……あ、はは、はぁ」

「……ごめんなさい、調子に乗りました」

「うぅぅ、だってだって!先生がこんなとこ居るのが悪いのよっ!」

「そんなのっ!嬉しくなってプロポーズの一つや二つや三つや四つや五つや六つ!しちゃうでしょっ!?」

「大好きですっ!先生っ!」

「その作品への原動力を教えてくださいっ!」

「どうしてあんな魅力的な作品が書けるんですかっ!」

「あの、ヒロインの子はちゃんと主人公のところに戻ってくるんですか!? も、もう離脱して20話が……」

「う、うぅぅ、あ~~!でも待ってっ!聞きたくないっ!裏側知らないで純粋な気持ちでずっと見てたいかもっ!大好きだからっ!」

「あたし、裏側知っちゃうと駄目なのよぉ~~……色々なことが思い浮かんじゃって~~~……あ~~~、うぅぅぅ、でも、知ってみたいし……どうしたら~~~、うぅぅ」

「……はぁ」

「ごめん、引いたでしょ?」

「ちょっと一皮むいたらあたしってこんななのよ……大好きな作者さまとはまともに話せないし、言ってることは支離滅裂だし……もぅ、ほんとう、駄目……限界が低すぎよ、あたしぃ……うぁぁぁぁぁ~~~」

「でも……うん、今日だけは、ここに来て良かったって思ってる。ここに来るのが習慣になっててよかったって思ってる……だって、そうじゃないと今日……ここであんたに会えなかったから」

「……コミュ障で、教室に馴染めなかったのもちょっとはよかったかな、なんて……たはは」

「……けど、凄いわよね。あんたが作者様だったってことは、さ。学校生活を送りながら、それ以外の時間で毎日書いてるってことじゃない? 毎日更新だし……それなのに文字数はそれなりにあるし……よく出来るわよね? それって、大変、じゃないの?」

「……へぇ~、そっか……好きなことのためにやってるから、苦行じゃないんだ?」

「なんか、いいね?そういうの……うん、カッコいい」

「あたしは……そういうの無いからなぁ……そういうの、本当に憧れる」

「あたしが毎日打ち込むことなんて……」

 気落ちするように下がり気味で言ってから気が付くように

「あ……そういえば、あった。いっつも、あんたの作品を見てた」

「毎日毎日、熱中して……最新話を呼んでから、いろいろと妄想して……また一から呼んで、それからまたニヤニヤして……ふふふ、こうして口にしてみると、ほんと、あたしってあんたのことだけ考えて生きてるみたいね~」

「この人はどんな作品を読んだり見たりして、これを創り上げたんだろう?」

「どういうことに影響を受けたんだろう?」

「どんな人なんだろう、とかさ」

「読んでると、いろいろ考えちゃうのよ……」

「で、まぁ……実際に会ってみたら、いろいろ納得っていうか、ね?ふふっ♪」

「一心不乱にキーボードを打ち続けて、話しかけられても気にしないように頑張ってキーボードを打つけど、結局は止まっちゃって……って、それはあたしのせいなわけなんだけどさ……もう、ほんと、ごめんなさい」

「えっと、で、まぁ、何が言いたいかって言うと、ね?」

「きっと、いろいろと努力してる人なんだろうなぁって思ってたのよ」

「努力して、お話を書けるように技術を向上させて頑張って……自分に力がないことを自覚しつつも、それでも努力で腕を磨いて頑張ろうとして、さ」

「……だって、お話の中に出てくる登場人物がそんな感じだったから」

「強大な敵を目の前に、一度は敗北を喫していても、誰かを守るために立ち上がり……確実の勝算がなかろうと都合よく新しい力に目覚めたりなんかしてなかろうと、立ち回り方を考えて頑張って立ち向かって……確固たる勝利の目が見えてなくても、誰かの為にその敵の前に姿を現すの……で、前回とは変わることがないからやっぱりやられそうになるんだけどさ、それでもおびえずひるまず戦って……」

「勝つために戦うんじゃなくて、守るために戦うんだなって姿が、凄い印象的だった」

「出来るからやるんじゃなくて、挑戦するんだって……そういう、なんていうのかな? 書いてる人の、心にある部分が見えたっていうか、さ」

「……へへへ、だから、好きなのよ。あんたのお話」

「強い人が、勝てるから戦うんじゃないのよ」

「そこらに居る、普通の人と変わらない、そんな人が……頑張って、努力して、挫けずに立ち向かっていく…………あぁ、そういえば、感想欄で他の人が泥臭くて笑った、とか書いてたっけ?」

 暗い声で

「……ふざけるなよ、万死に値する。そこがいいんだろうが、分かってないなゴミめ。読み込みが足らんぞ、下らない感想を寄せるな、最低な評論家気取りの屑が」

 早口で出来れば一息で言い切ってからハッとしたように

「……とまぁ……うん、炎上させたくなかったからあたしとしては無反応でスルーはしたんだけど、本心はそんな気持ちだったっていうか……庇ってなくても、あたしとしてはそんな気持ちだから、決して見捨てられたって思わないで欲しいっていうか……味方だって思って欲しいっていうか……う、うぅぅ」

 しどろもどろな感じでいってから
 少し落ち着いた感じで

「んと、と、とにかく!あたしとしては言いたいことはそんな感じっていうか、ね?」

「……で、何を言いたいかっていうと……そういうところが良かったんだろうなぁって」

「なんていうか、ね? すっごく強い人がさ、強大な敵を相手にして、それでそれよりももっと強い力でバ~ン!と一撃で解決しちゃったらさ……なんか、味気ないじゃない」

「そこに対する苦悩とか、戦いに際しての焦りとか、気持ちとか……そういうところがすっごく書いてあるからさ? あぁ、この人はここで確かに生きてる人なんだなぁってそういう感じになって、さ……多分、実際にはないんだろうけど、そういう世界があたしの知らないどこかにあって実際に起きてるんだってそういう気分になって、すっごく!……えと、すっごく、その……なんていうか……か、感動?的、な……はぁ」

「なんでこう、肝心なとこで言葉が出てこないんだろ? ここはバッチリと褒めなきゃいけないところなのに……うぅぅ」

「ごめんね、不出来なファンで……あたし、口下手で語彙力全然ないから」

「だから、書ける人って本当にすごいと思う」

「あとがきとかでさ、やっぱり文才ないなぁ……文才欲しい、とか書いてあったけど」

「あたしは、あると思う!」

「あんたはとってもとっっても!凄い人だって思うからっ!」

「ホント、自信を持って!」

「で、あたしにもっともっとお話を見せて!」

「大好きだからっ!」

「うぅん……そりゃ、ね?毎日書いてるのは凄いし大変だから、その内休憩といって長時間止まっちゃったりとかもありそうだなぁ……なんて、少しは思ってたし。仕方ないなって思ってたけど……もう、あんたのお話抜きじゃ生きられない身体になっちゃったから……」

「……はぁ……さっき書いてた最新話も早く完璧な形でネットで見たい……あ、あたしが邪魔しちゃったから今日はもう更新無し、とか……ないよね?」

「ほら?あたしの、胸に手を当ててみて」

 心音(不可なら無しでも可)

「ね?こんなに、ドキドキしてる……早く見たいよ~って心臓もときめいてる……」

「か、顔だって……もう、こんなに熱いし……うぅぅぅ」

 耳元で

「ね、ねぇ?本当は、毎日実際に見てる光景だから毎日書けてるとか、そういうことない?」

「だ、だから、毎日書けてた、とか……あたしが邪魔しても関係ないとか、そういうこと、あったり~……」

「……あ、やっぱりないんだ? 自分で考えて集中して書いてるんだ……あ、あはは~」

離れて

「ご、ごめんなさい!本当にっ!ごめんなさいっ!」

「あたしが邪魔しちゃったせいでっ!」

「……あ、あのっ、こんなこと言うのその虫が良すぎるとは思うけど……遅れてもいいから今日も更新してください、新しいお話を載せてください!」

「あたし、本当に、楽しみに、してるから……」

「あんたのことも……あんたが書くお話のことも、大好きだから……」

「お願い、します……」

「……うぅぅぅぅ、なんでこう、自分本位なこと言っちゃうんだろ……ほんと、やになる……でも、本当に、その……好きだから……その、えと、あ、あはは、は……」

 チャイムの音

「……あ、もうお昼休み終わっちゃいそう……予鈴が」

「な、なんか、あたしばかり喋っちゃってた、ね?ごめん……」

「あの、えっと……それで、ね?」

「えと……こんなこと言うの……図々しいかなって思うんだけど、その……」

「あ、あたしと!れ、連絡先を交換してくださいっ!」

 少し待ってからおずおずと伺うように

「……だ、だめ、かな?」

 相手が答えるくらいの間

「わ、わっ!ありがとうございますっ!せ、先生の邪魔にならないように節度をふまえて使わせてもらいますからっ!その、えっとっ!」

「大好きっ!これからもよろしくお願いしますっ!」

 限界化して叫ぶように言って終了
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
クールで取っ付きづらいツンツン美少女はあなたにデレデレな面倒くさい限界オタクでした♪
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
泣きんぎょ
ライター情報
 ASMR、シチュボ台本を主に書いています。
 細かい指定や、指示が書いてあることがありますが、不可能な場合や不明瞭なことがあれば代替あるいは無視してもらっても結構です。
 また勢いのまま書き連ねているため誤字や脱字が見られる場合がありますのでご使用の際はお気をつけ下さいますようお頼み申し上げます。
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