学校のハロウィンパーティーに参加することになったあなたは、その会場でクラスメイトの吸血鬼と出会います。

あら、アンタもハロウィンパーティーに来てたのね。
学校の行事、しかも自由参加のなんて興味無さそうなのに。

(実行委員に半ば強引に誘われて断り切れなくて)

ああ、同じクラスの実行委員に誘われたのね。
確かにあの子、押しが強いからアンタが断れないのも無理ないわね。

ふーん、アンタの仮装はオオカミ男かしら？
ふふっ、アンタが着るとオオカミっていうよりイヌっぽくてかわいい。

え？アタシの仮装？
(ちょっと困惑しながら)
ええ、吸血鬼らしいわよ。

アタシが吸血鬼ってこと、家族以外じゃアンタしか知らないはずなのに、今日来たらこれが用意してあって。

理由を実行委員の子に聞いたら『パッと浮かんだのが吸血鬼だったんだよね～』って。
あの子カンが鋭すぎない？

もしかして、血を吸ってるところを見られた？
そんなわけないわね、それだったらもっと大騒ぎになってるだろうし。

まあ、いいわ。
せっかくだし一緒にパーティーを楽しみましょ？

(俺と一緒でいいの？)

俺と一緒でいいのかって？
アンタの相手なんて、アタシしかいないわよ。

(あわてて)
そっ、そういう意味じゃなくて、アンタ一緒にまわる人もいないだろうからアタシが相手してあげるって意味だから！
感謝してよね！

ほら！行くわよ！

わぁ、お菓子がいっぱい並んでるわ。
それに飾りもきれい。
学校の一行事とは思えないくらい手間がかかってるわね。

お菓子一つくらいもらおうかしら。
いただきまーす。
んー！おいしい！
アンタもこのパウンドケーキ食ベてみたら？
レーズンとか入ってておいしいわよ。

なによ？アタシのことじっと見て。

(美味しそうに食べてるのがかわいいなって)

美味しそうに食べてるのがかわいいって、急になに言ってるのよ！

余計なこと言う口にはパウンドケーキつっこんでやるわ！
これでも食べて黙ってなさい！

(顔赤いけど大丈夫？)

顔が赤くなってるですって？
そんなことないわ！
別に、アンタにかわいいとか言われたからって照れたりなんかしてないわよ！

(いや熱でもあるのかと思って)

へ？熱でもあるのかと思ったの？
ええ……大丈夫よ。
吸血鬼は丈夫だから、そうそう風邪とか引いたりしないわ。

(小声で)
変に意識してるみたいになっちゃったじゃない！
アタシだけドキドキさせられて、こんなのずるいわよ。

(時間経過)

楽しいけど、ちょっと疲れたわ。
一旦外に行きましょ。

少し前まで暑かったのにすっかり涼しくなったわね。

(しばし沈黙)

ねぇ、なんでアタシと一緒にいてくれるの？
自分で言うのもなんだけど、アタシって結構めんどくさい性格でしょ？

それに、その、吸血鬼でアンタの血吸ってるし。

嫌になったり怖かったりしないのかなって……

(君の相手ができるのは俺だけだよ)

君の相手ができるのは俺だけって、なにカッコつけてるのよ。ばか……

(小声で)
またアタシだけドキドキさせられちゃったじゃない！
こうなったらやり返してやるわ。ちょっと恥ずかしいけど。

そ、そういえば、ハロウィンらしいことってまだ仮装とお菓子食べたくらいしかやってないわよね？

(それだけやればもう十分だと思うけど)

それだけやれば十分って？
まだよ。
まだ、あれをやってないわ。

トリック・オア・トリート！

ほら、いたずらされたくなかったらお菓子をよこしなさい。

ふふ、どうやら持ってないみたいね。

それじゃ、いたずらするわよ。
首筋だして。

(噛みついて吸血)

(しばらくして離れる)

(頬にキス)

こ、これでおしまいっ！
それじゃアタシ先に戻ってるから！

・台本（ゆるボイ！）
ツンデレ吸血鬼とハロウィンパーティー
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
メロンフランスパン