冬休みが終わり、クラスの気になる人と私は冬休みの間にどんなことをしたのかを話す。
その話の中で、好きな人の話になり・・・

❴朝礼前❵
あ、おはよう。久しぶりだね。
まぁ久しぶりって言っても、冬休みの間会えなかっただけだけど。
私、冬休みって嫌いなんだよね。
〘視聴者のセリフ〙
君は冬休みが好きだって言ったけど、どんなところが好きなの？
〘視聴者のセリフ〙
へぇ、寒い朝に起きて学校に行くのが嫌なんだ。
それはちょっと分かるよ。できれば朝布団から出たくないよね。
けど冬休みってさ、休みなんて全然ないのに有り得ないくらい宿題出るでしょ。
それに休みになってるからクリスマスの日に好きな人に会うこともできないし。
けど一番嫌いなところはそんな短い休みですら、その人と会えなくなるのが苦しいしところなんだよね。
「好きな人いるのか？」って、私にも好きな人くらいいるよ。
私もちゃんと恋する乙女なんだから。
まぁ、私の一方的な片思いだけどね。
だから会えないんだ。休みの日に遊びに行こ、とか誘うこともできないし。
それにその人に好きな人がいるのかどうかも分からないんだよね。
それよりも君は随分と私に好きな人がいることに驚いていたみたいだけど、何か気になる理由でもあるの？
〘視聴者のセリフ〙
うん、うん、そうだよね。私が友達だから気になっただけだよね。そうだよね。
あ、話変えよっか。私、クリスマスには何もなかったけど初詣には行ったんだ、クラスの友達と。
〘視聴者のセリフ〙
何言ってるの、君が呼ばれてないのは当たり前だよ。
あ、ごめん。言い方悪かったよね。
女友達だけで行ったから君かいないのは当然だよってことを言いたかっただけだから。
それでまぁ、初詣に行っておみくじを引いたんだけど、末吉だったんだよね。
中々パッとしないものを引いたなって思ったんだけど、中には良いものもあったんだよ。
例えば勉強とかは良い感じになるって書いてあったし。
だけど、恋愛関係のことは良いこと書いてなかったんだよね。
だからやっぱり私は片思いで、実らない恋をしてるんだよな、って思ったんだ。
ってまたこの話になっちゃった、ごめんね。
あ、そうだ、君は何かないの？冬休みにしたこととか。
「何もしてない」って、君は随分と味気ない冬休みを送ってたんだね。
けど、その言い方からすると、君にも彼女はいないんだね。
〘視聴者のセリフ〙
何言ってるの、私が君のことを好きなわけじゃないよ。
ただ、私が片思いをしてるのに、友達の君には付き合ってる人がいるのは嫌だなって思っただけ。
それで、彼女のいない君にも好きな人っているの？
〘視聴者のセリフ〙
へぇ、いるんだ。その人ってどんな感じの人？
《チャイムの音》
あ、もうすぐ朝礼始まるね。答えは後で聞かせてほいしな。
もちろん、君が答えたくないなら答えなくてもいいしさ。

❴放課後❵
まさか、答えを聞くのが放課後の教室になるとは思ってなかったよ。
中々答えてくれなかったから、スマホにメッセージでも送るのか、もしくは答えないんだと思ってたから。
まぁ、君の好きな人が誰なのか分からないけど、私は全力で応援するし、その恋が実るようにできる限りの手伝いもするから。

【1】両片思いの場合〔Aパターン〕
それじゃあ君の好きな人について聞かせてよ。
〘視聴者のセリフ〙
君の話を聞いている限りだと、その好きな人っていうのは、その、さ。
あ、もちろん違っていれば違っていると言ってくれて構わないんだけど、私だったりするのかな？
あ、いや、ごめんね。今のが私の勘違いだってことは分かってるんだよ。
ただ、それでも君の言った特徴が私に似てるなと思ったんだよね。
だから、その、今の特徴だけだと私には分からなかったからできれば名前も教えてくれないかな？
〘視聴者が抱きしめてくる〙
あのさ、急に何してるの？私は好きな人を訊いたんだよ。
それなのに抱きしめてくるっていうのはおかしいと思うんだよね。
これじゃあまるで私のことが好きだって言ってるみたいだし。
「そうだよ」って、君の好きな人は私だってこと？そっか、そうなんだ。
こんなこと、私が君のことを好きでもない限り、ただの変質者だよ。
けど良かったね、これをしたのが私に対してで。君は変質者にならずに済んだよ。
「どういうこと？」って、察しが悪いな。こういうことだよ。ギュー。
これからは恋人としてよろしくね。
それにしても、おみくじっていうのは以外とあてにならないものだね。

【2】両片思いの場合〔Bパターン〕
それじゃあ君の好きな人について聞かせてよ。
〘視聴者のセリフ〙
君の好きな人って委員長ちゃんなの？
「なんで？」って話を聞いてる限りだと委員長ちゃんが一番ピッタリだと思って。
〘視聴者のセリフ〙
へぇ、やっぱり委員長ちゃんなんだね。
君の好きな人が誰なのかも聞いちゃったことだし、私も好きな人を言わないといけないね。
私の好きな人っていうのは君なんだ。
あ、すごく驚いた顔してる。けど、本当のことだよ。
それにしてもおみくじって正しいんだね。
恋愛のところに、一難ありって書いてあったんだ。
これはもう一難なんてものじゃないけどね。
〘視聴者のセリフ〙
急に何言ってるの？私のことが好きだなんて、冗談でも言わないでよ。
君は今、委員長ちゃんのことがすきだって言ったばっかりでしょ？
そんな嘘は励ましにもならないよ。
「本当のことを言うのが怖かったから」って。
私もその気持ちは分かるから強くは言えないな。
けど、それが本当のことだって証明してほしいな。
「どうすればいいんだ？」ってそんなこと、自分で考えてよ。私は目を瞑ってるから。
〘視聴者が抱きしめてくる〙
へぇ、ここまでお膳立てしてするのがハグなんだね。
この意気地なし。キスくらいしてくれても良かったのに。
けど、ありがとう。私のことが好きなんだってちゃんと伝わったよ。
だから、これからよろしくね。

【3】片思いの場合
それじゃあ君の好きな人について聞かせてよ。
〘視聴者のセリフ〙
君の好きな人って委員長ちゃんなの？
「そうだよ」か。顔、真っ赤だよ。
私に言うだけでそこまで顔赤くしてたら、告白なんてできそうにないね。
よし、それじゃあ君の恋を全力で応援しないとね。
あ、一つ言っておくことがあったんだ。
私の好きな人に好きな人がいるのかどうか、分からないって言ったでしょ。
あれ、嘘なんだ。まぁ嘘というか、最近知ったんだけどその人にも好きな人がいるみたい。
まだ片思いらしいから、その人の恋が実らないと私は先に進めないかもしれないんだよね。
だから、君の恋も全力で応援してるよ。何かできることがあったら、手伝いもするし。
委員長ちゃんとは初詣にも一緒に行ったからね。それじゃあ、バイバイ。
《扉を閉める音》
なんだ、やっぱり片思いだったんだ。

・台本（ゆるボイ！）
冬休みが明けて
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
山葵餅