会社では節分を祝い、鬼の役を視聴者が行った。
家に帰ってきた視聴者はそこで同棲している演者から

〚扉の開く音〛
あ、おかえり。大変だったね、今日の鬼の役。皆に豆投げられてたし。
《視聴者のセリフ》
確かにあなたが言うように私も投げてたけど、あれはすごく楽しかったんだよ。
それにあの状況で私だけ投げない方がおかしいでしょ？
そもそも神聖なるくじ引きの結果、鬼の役があなたに決まったんだから文句とか言わないでよね。
けど大人になってからこんなことができるなんて思ってなかったんだよね。
会社でああいうイベントをするなんて、やっぱりうちの会社が変なんだよね？
まぁ、そのお陰でたくさん思い出が作れるって考えたらいいことなんだけど。
あ、それじゃあ今日一日、鬼として頑張ってくれた彼氏のために、彼女の私がご褒美をあげようか？
って言ってもこうやって側にいることくらいしかできないけどね。
あとできることって言ったら、君のお願いを聞くとか、かな？
《視聴者のセリフ》
膝枕してほしいって、そんなことでいいの？
それじゃあ、ほら。もう、何してるの？
早く寝転がってよ。何、もしかして冗談だったの？
［視聴者を膝枕する］
うんうん、そうやって素直に頭を預けてくれたら良いんだよ。
あ、ただ膝枕してるだけなのも楽しくないし、頭でも撫でてあげよっか？
ほら、ナデナデ、ヨシヨシ。どう、気持ちいい？
《視聴者の行動》
って訊くまでもないか。
あなたの顔を見てたら気持ちいいことくらいよく分かるし。
本当にいつもありがとうね。
あなたは会社では私の先輩として面倒見てくれて、家では家事を全部してくれてるでしょ。
このままだと私はあなたがいないとダメになるよ。
というかもうダメになってるのかな。
仕事どころか生きていくことも、私一人だけだとできそうにないからね。
こうしてみると、あなたは私の人生を彩る神様にも思えるけど、自分に依存させている鬼にも思えるよね。
まぁ、私が一方的に頼りきってるだけなんだけど。
あー、やっぱり私もご飯くらい作れるようにならないといけないのかな。
けどあなたの美味しい料理を食べちゃったら、私の作ったものがニ割増くらいで美味しいと思えなくなっちゃうしね。
君が昨日作ってくれた福茶もすごいな美味しかったし、恵方巻きも自分で作ろうとしてるんだよね。
昨日も台所で具材の準備してたでしょ。
ちょっと食べさせてもらったけど、あれだけでも美味しかったし。
《視聴者のセリフ》
簡単なものから教えようかって、それも良いかもね。
あなたほどじゃないにしても、あなたに食べてもらえるくらいの料理は作れるようになりたいからな。
まぁ、その話は今じゃなくてもいいよ。
それよりも今は、今日のご褒美ってことであなたに癒やされてほしいんだから、このまま私の声を聞いて寝ちゃっても良いんだよ。

あ、いつのまにか寝ちゃってる。寝顔、本当に可愛いな。
起きてるときはかっこいいのに、こういうときは無防備ですごく可愛いんだよね。
〚キスをする〛
あなたが起きてるときは、恥ずかしくて自分からこういうことをできないから、今だけね。
って、あの、いつから起きてたの？
《視聴者のセリフ》
キスしたときからなんだ。そっか、そうなんだ。
えっと、その、急にキスしちゃってごめんなさい。
《視聴者のセリフ》
どうして謝るの？って、あなた、あんまりキスしよって言ってくれることもないから、キスは好きじゃないのかなって思ってて。
私からしたいって言うのは恥ずかしくてできなかったし、嫌いなの、って訊くのも無理でしょ。
《視聴者のセリフ》
え、あなたも誘えなかっただけなんだ。そっか、それならこれからは今までよりもたくさんキスできるね。
よし、決めた。今年一年の目標はあなたに頼りすぎないこと、にする。
家事とかもできるようにするし、私のわがままもいっぱい言う。
《視聴者のセリフ》
一年間の目標決めるの遅くない、ってそんなことないよ。元々節分っていうのは今で言うところの一年間の始まりの日、つまり元日みたいな日なんだから。
それじゃあ、目標を達成するために一つお願いがあるんだけど、いいかな？
〚キスされる〛
あの、なんで急にキスしてきたの？
私まだ、キスしてほしいって言ってなかったよね。
《視聴者のセリフ》
え、あなたがしたかったからなの？そうなんだ。
あ、そろそろ恵方巻き作らないといけないよね？
あとはもう巻くだけなんでしょ？
それ、私がやってみたい。

・台本（ゆるボイ！）
節分と目標
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
山葵餅