2月13日、バレンタインデーの前日に急に幼馴染から呼び出される。
呼び出された理由は視聴者が毎年、演者へのチョコを数え切れないほど運んでいることへの労いとして、義理チョコを渡すつもりらしいが・・・

さて、わざわざ君に来てもらったのは君も知っての通り、明日は一年間でボクがもっとも幸福になる日、つまりバレンタインなんだよ。
バレンタインというのは良い物だよね。
女であるこのボクが、学校中のどんな男よりもチョコを多くもらい、優越感に浸れる。
女の子たちの中にはもちろんボクに対する憧れから渡している子もいるかもしれないけど、本気で付き合ってほしいって言ってくれる女の子もいるんだよ。
なんでか分からないけど、ボクにチョコをくれる女の子は皆クラスと名前を書いてくれてるしね。
だから、去年ボクにチョコを渡してくれなかった子が誰なのかも分かるんだよ。
学年の中で一人だけだったけどね。
本当に、モテるっていうのは辛いよね。
ボクに女の子と付き合う趣味はないって言うのに。
まぁ、今日はその前哨戦としてボクから君に義理チョコを渡すことにしたんだ。
ちなみになんだけど、君は去年チョコを何個貰ったのか覚えてるかい？
《視聴者のセリフ》
うん、そうだよね。去年は結局一つも貰えなかったよね。
まぁ、去年どころか今年まで本命チョコは貰えたためしがないと思うけど。
それなのに女の子からボクに渡してほしいって頼まれたチョコの数は数え切れなかったよね。
しかも学年が上がる毎にその数は増えていくんだから。
さすがに、毎年そんな感じだと君が女の子という存在を信用できなくなりそうだからね。
その前に手くらいは打っておかないといけないだろ？
ほら、ボクも一応女の子だし、ボクからあげたら君が喜ぶかなって思ってさ。
それに幼馴染のよしみっていうのと、毎年荷物運びをさせてしまっていることへのお詫びもね。
さっきも言ったけど、これは本当に義理チョコだから。
間違っても、ボクがこのチョコで君への恋愛感情を表してるなんて思わないでね。
それじゃあ、また明日。今年こそは記憶に残るバレンタインになるといいね。

〚バレンタインデー当日〛
あ、今年も大量だね。
まぁ、全部ボクに対してのチョコなのは知ってるけど。
そこでなんだけど、ボクから君に渡したいものがあるんだ、ってあれ？
君の手元にチョコが一つ残ってるよ
《視聴者のセリフ》
え？それはボク宛のチョコじゃなくて、君への本命チョコなの？
何言ってるんだよ。君その人にはからかわれてるんだよ。
だってよく考えてみなよ。
今まで、君が本命チョコをもらったことはないんだよ。
つまり、君に本命チョコを渡す人なんてこのボク以外にいるわけないんだよ。
だからこれ、ボクから君への本命チョコ。
こういうの初めてだから、ちょっと恥ずかしいけど。
本当におかしいよね。
今日緊張せずに本命チョコを渡すために、昨日義理チョコだって言ってチョコを渡す練習をしたんだけどな。
実はボク、君のことがずっと好きだったんだよ。
気がついたら君のことを好きになってたから、いつから好きなのかは分からないけどね。
受け取ってくれないか？
《視聴者のセリフ》
君は今なんて言ったんだ？
本当にそのチョコをそいつから貰ったのか？
《視聴者のセリフ》
なんで、って。
実は去年、たった一人の女の子だけがボクにチョコを渡さなかったんだけど、その一人っていうのがその子なんだよ。
だから名前を知っていてね。
一応聞いておくけど、もし仮にその子が本命チョコとして君に渡しているとするよね。
君はなんて答える気なのかな？
《視聴者のセリフ》
そうか、今はまだなんて答えるか決めてないんだね。
それじゃあ、ボクの告白に対してはなんて答えるつもりなの？
《視聴者のセリフ》
そうだよね、ボクの告白に対しても良い返事は聞かせてくれないよね。
よし、それじゃあ今からデートをするよ。
ボクが彼女として横にいることがどういうことなのか、教えてあげるよ。

・台本（ゆるボイ！）
バレンタインと幼馴染と
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
山葵餅