あなたはクラスの女子、それも自分とは到底釣り合わない高嶺の花に告白された。
次第に意外な一面が見えていく彼女。
この告白、何かがオカシイ……

（ドアを開ける音）

遅れちゃってごめん。

ちょっと先生に頼み事されちゃって……

最近よく頼まれるんだよね、プリントの整理とかアンケートの集計とか。

「私がクビになっていないのはあなたのお陰」なんて言われちゃったよ。

ほんと大袈裟だよね、資料にあった間違いをたまたま見つけただけなのに。

ところでさ、どれくらい待った？

え、今来たところ？

流石に嘘でしょ、だってもう30分もオーバーしてるよ？

気を遣ってくれるのは嬉しいけど、呼び出しておいて遅刻したのは私なんだし……

普通なら「遅い！」って怒るとこなんだよ？

ホント、君は優しいよね。

//小声で
まあ、だから好きになったんだけど。

あっ……いっ、今のは聞かなかったことにして！

って言っても、無理……だよね。

君、さっきから顔赤いし……

さっきのアレ、絶対聞こえちゃったでしょ。

あの、もう分かってると思うけど……

私ね……君のことが好きなの。

今日君を呼び出したのも、告白する為で……

えっと、その……

実は私、君の笑顔にいつも元気を貰ってて……

君の笑顔は、うーん、なんて言うか……

た、太陽みたいで……

あぁ、言葉が出てこないや……

私って皆から優等生みたいに思われてるけどさ、
実際は自分の気持ち一つさえ、
満足に伝えることが出来ない劣等生なんだ……

どう？ 幻滅しちゃった？

ここまで話しちゃったし、もうフラれる前提だけど……

思い出作りに言わせてもらうね。

好きです、私と付き合ってください。

（少し間を空ける）

……え？

ごめん、聞き間違いかもしれないからさ、
もう一度だけ言ってくれない？

うん……ほんとに、ほんとに私でいいの？

そっか、ありがとう。

こんな私で良ければよろしくお願いします。

はは、ちょっと硬かったかな？

でもこれで、私は君の彼女になれたってわけだね。

じゃあ早速だけど、スマホ出して。

え？ 私以外の女の連絡先を消すからに決まってるじゃん。

君がそのつもりじゃなかったとしてもね、
私が“君が浮気してる”って思ったらそれは浮気なんだよ？

もう、しっかりしてよね。

だからさ、スマホ出して？

（スマホの操作音）

……よし、これでOK。

次はこの位置情報アプリをインストールしてっと……

（スマホの操作音）

これで君の居場所がいつでも確認できるね。

あっ……さっきの録音、ちゃんと出来てたかな。

うん、出来てる。

バッチリ君の返事が聞こえるね。

これで言質も取れたし、後は……あれ？

おーい、大丈夫？

なんだか顔色悪いけど……

あっ、彼氏の具合が悪い時にお世話してあげるのも彼女の役目だよね！

ほらこれ！ 栄養ドリンク！

亜鉛が沢山入ってて、元気いっぱいになるんだって！

この前ネットで見つけて買ったの！

ちょっと、遠慮なんてしなくていいよ。

私、君の彼女だよ？

これくらい当たり前だからさ……ほら、飲んで。

どう？ 味に関してはイマイチだったかな……

え？ 「体が熱い」……？

大丈夫、それは体が元気になろうと頑張ってる証拠だよ！

でもさっきより息が荒くなってるのはちょっと心配だね……

どうしたらいいんだろう……

そうだっ！

私の膝枕で寝れば少しは楽になれるかも。

よいしょっと……はい、頭乗せて。

//ここから最後まで距離近めで
どうかな？ まだ苦しい？

そっか、まだまだ足りないんだね。

じゃあ次は……

（キスの音）

ぷはぁ……ふぅ、これだけすれば十分かな。

はい、今度はこれを飲んでみて。

そう、ビタミン剤みたいな物。

きっと元気が出ると思うよ。

うん、良かった、良く効いてるみたいだね。

えへへ、元気になった君の顔、大好きだよ。

あっ、そうだ。

これからはさ、一緒に登下校しようよ。

君に何かあった時、すぐに駆け付けられるようにしたいし。

それに私達、付き合い始めたばかりだからさ……

周りにも私達が恋人同士だってアピールしなくちゃいけないしね。

よし、そうと決まれば早く帰ろ！

私の彼氏くん♪

・台本（ゆるボイ！）
「高嶺の花」だった子から告白されたけど何かがオカシイ……
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
堕罪サラ