おはよう。目が覚めた？

ふふっ、寝坊助さんなんだから。

え？変な夢を見た気がするって…

あら、覚えてない？

君の夢にわたしが出てきたのよ？

とっても大事なことを告知したんだけど…

そう…なら仕方ないわね。

ここでちゃんと言ってあげる。

なんと…天帝陛下のお腹の中に赤ちゃんができました〜！

そう！君の赤ちゃん！とってもおめでたいわよね〜！

え？君の子どもよ？

だって天帝陛下の夫は君しかいないもの。

ふふふ…そうね、たしかに君と陛下は性的な関係を持ってないわ。

でもね、君と陛下が結婚することは世界中に広まっているから…

そのお祝いに、ということで隣界(りんかい)に住む精霊が陛下のお腹に赤ちゃんを授けてくれたのよ〜。

つまり、処女懐胎(しょじょかいたい)というわけ。

これでやっと君も天界に腰を落ち着けられるわね。

家庭持ちのパパになるんだもの。当然よね？

そんなの聞いてない？

それはそうよ。今言ったんだもの。

陛下もすぐに戦争を終わらせて君の元に帰りたいって、おっしゃってたわ。

悪魔どもにかまけてる暇はないからって、みんなやる気満々、士気は右肩上がり。

わたしもみんなと同じ気持ち。

早く盛大にお祝いしたいわ。

あ、婚姻の儀式も行わなくちゃだし…

うふふ、忙しくなるわ〜♪

あら、逃げようとしちゃダメよ。

まさか陛下からの愛を拒絶するつもり？

そんなことは誰も許さない。

君が陛下のお気持ちを受け取るのは義務なのよ。

もう…往生際が悪いわよ。

そんな屁理屈こねてもダ〜メ。

君と陛下の結婚は世界中から認められてるの。

それを拒否するということは…どういうことか分かるわよね？

はぁ…なんで君はそんなに子どもっぽいのかしら…

こんな子どもみたいに駄々をこねてる姿は、みんなには見せられないわ…

「こんな奴が天の英雄だなんて、世も末だ！」なんて言われそう。

え？婚姻の取り消し？

無理に決まってるでしょ、何言ってるの。

いい？君は陛下と結ばれる運命なの。

天の決定に逆らえる道理はないの。わかった？

もう、そんな頭抱えないで…

とっても喜ばしいことなんだから、むしろ両手を上げて万歳しないと。

大丈夫。もし反対する者がいたら、その方々は全員改心させるから。

このガブリエルに任せてちょうだい。

天の決定を啓示することこそ、わたしの役割だから。

君は来るべき日に備えて、英気を養っていましょうね…うふふっ♪

・台本（ゆるボイ！）
何が何でも天帝の夫にしたい大天使に監禁された〜純潔のガブリエル編〜
https://x.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎