先輩の家でおうちデートをすることになったあなた。
せっかくのおうちデートにもかかわらず先輩はご機嫌ナナメの様子。
何かを忘れているみたいだけど思い出せない。
気付いたときにはもう遅くて……

【先輩の家】

（ドアを開ける音）

やあ、よく来たね。

ようこそボクの家へ……って、おいおい。

二人っきりの時は敬語をやめてくれって言っただろ？

学校では“先輩と後輩”という関係だから仕方ないが、
ここは私の家なんだからさぁ……頼むよ。

さん付けではなく、下の名前で呼んでくれ。

//幼気な様子で
ほーら、はーやーく。

//少し間を開けて
うーん、まだ少し抵抗がある様だけど……

今日のとこは良しとしようか。

さぁ、楽しい楽しいおうちデートを始めよう！

……と、いきたいんだけどね。

君さぁ、何か忘れていないかい？

いや、「手土産を持って来てほしい」というワケではないんだ。

なんといえばいいかな……

うーん、大切な日？

そうだな、ボクたちにとって大切な日だ。

じゃあ聞くよ、今日が何の日か覚えているかい？

//少し間を開けて
そうか、覚えていないのか……

残念だ、本当に残念だよ。

いくら君が忘れっぽい性格だからといっても、
まさかこんなに大切な日まで忘れてしまうとは思わなかったよ……

//幼気な様子で
いやーざんねんだなー。

……と、どうだ？

こんなことを言っているうちに思い出してきたんじゃないか？

……そうか。

念のため聞いておくが……

ボクをからかっているわけではなく、
本当に思い出せていないんだよな？

はぁ……おうちデートはまた今度だね。

今日は予定変更、君を徹底的に躾けることにするよ。

//距離遠めで
……って、こら！

（逃げようとした彼氏を押し倒す）

//囁き
……逃げんな。

そう、それでいい。

じゃあ、まずは答え合わせからかな。

押し倒したまま話を聞くのはアレだから座ってくれ。

//語気を荒らげて
椅子じゃない、床にだ。

早くしろ、まったく……

少し自覚が足りないんじゃないか？

自分がどれだけ罪の重いことをしたのか分かっているのかい？

まあいい、話を戻すよ。

先月ボクから何か貰ったよね？

流石にそれくらいは覚えているだろ？

//少し間を開けて
正解、じゃあ何でチョコレートを貰えたのかな？

そう、“バレンタインデー”だったからだよね。

それで本題に戻るわけだが……

//低音で
今日は何の日だったかな？

ふっ、ハハハッ！

やっと思い出せたようだね。

そう、今日はホワイトデーなんだ。

でも君は“お返し”を忘れてしまった……

百歩譲って貰ったのが義理チョコなら仕方ないかもしれないけどさ、
ボクが君にあげたのってちゃんとした“本命チョコ”だよね？

ボクは朝早くからチョコのラッピングをして、
君に渡す予行練習までしたというのに……

何度も言うようだが、本当に残念だよ。

だからこそ躾けが必要なんだ。

これは決して理不尽なんかじゃない、
ボクたちの関係を維持する為の正当な手段なんだよ。

キミなら理解してくれるだろ？

それとも……

//脅す口調で
またボクを失望させるつもりなのかい？

//少し間を開けて
良かった良かった、なんとか最悪の事態は避けられたようだ。

まあ、躾けをすることに変わりはないけどね。

いいかい？

少しでも早く躾けを終わらせたいのなら、
出来る限りの従順な姿勢をボクに示すことだ。

一見簡単そうに聞こえるかもしれないけどねぇ、
これから君は人間として扱われないんだよ？

要するに……

ボクがいないと生きていけないくらい従順な犬になるまで、
徹底的に調教するってことだ。

勿論拒否権なんて君にはない、
あるのは君がボクに従属を誓う主従関係だけだ。

分かってると思うけど、
もし仮に逆らったり、何かボクの気分を害すようなことをしたりしたら……

“お仕置き”だからね。

返事は？

//少し間を開けてから脅す口調で
犬なんだから返事は「ワン」だろ？

ふふっ、それでいい……

じゃあ始めようか。

頼むから壊れないでくれよ、
ボクの愛を全部受け止めきるまではね。

・台本（ゆるボイ！）
王子様系先輩はホワイトデーのお返しを忘れてしまった後輩君にご立腹なようで……
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
堕罪サラ