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きろ
written by 山葵餅
  • 告白
  • 切ない
  • 幼なじみ
  • 帰り道
公開日2022年03月19日 22:00 更新日2022年03月13日 16:53
文字数
2046文字(約 6分50秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
学生
視聴者役柄
学生
場所
帰り道
あらすじ
ある日、最近話していなかった幼馴染から一緒に帰らないかと誘われる。
その帰り道でまさかのことが。
本編
なんでそんな暗い顔してるの?
久々に私と一緒に帰ってるんだからもうちょっと楽しそうな顔してよ。
それとも私と一緒に帰るのは嫌なの?
君が、今日は一緒に帰ろう、なんて変なこと言ってきたから一緒に帰ってるのに。
それに私たち、昔はよく一緒に帰ってたでしょ。
家も隣同士だし、たまに手を繋いで帰ったりもしてたし。
まぁ、それも小学校のときまでだったけどね。
なんていうか、中学に入ったらお互いに周りの目を気にしちゃったよね。
私たちは幼馴染ってだけで別に付き合ってるわけでもなかったのに、付き合ってるって言われたりもしたし。
けど今日は珍しく君と一緒に帰ることができて嬉しいんだよ。
なんかあの頃に戻ったみたいで。
あ、そうだ、昔みたいに手繋ぐ?
《視聴者の行動》
って冗談だよ。
こんなことで、そこまで顔赤くしなくてもいいでしょ。
それで、その、せっかく一緒に帰れてるんだから言いたいことがあるだけどいいかな?
《視聴者のセリフ》
え?君も言いたいことがあるんだ。
それじゃあ、お先にどうぞ。
《視聴者のセリフ》
え?引っ越すって、いつ?
来月とか、もっと先?
《視聴者のセリフ》
・来週末って本当にもうすぐじゃん。
なんでそんな大事なこと今まで言わなかったの?
確かに私は君の家族に対して引っ越すのを止めてほしいとかは言えないし、ここ最近は学校で話したりすることも無かったけど、君は私の大切な幼馴染なんだよ。
そんな人が急にいなくなるのは寂しいよ。
《視聴者のセリフ》
悪い、って別にいいよ。
そもそも君が謝ることでもないでしょ。
そう言えばお前の言いたかったことは、ってあぁ私そんなこと言ってたっけ。
えーと、何だったかな?
ごめん忘れちゃった。君の話にビックリし過ぎたからかな。
けど、そんなことはどうでもいいよ。
それよりも明日からも、昔みたいに一緒に帰ろうよ。
これから君が引っ越しちゃうまでの間、一緒に帰れるのは数えられるくらいしか残ってないんだから。
いいでしょ?

とうとう、明日引っ越しだね。
昔みたいに君と一緒に帰ることができて嬉しかったよ、私。
それで今すっごく寂しいの。
今度学校から帰るときには、私の隣に君はいないし、学校で見ることもできなくなるから。
あのさ、君が引っ越すことを教えてくれたとき私も言いたいことがあるって言ったの覚えてるかな?
実はその時、私は君に告白しようと思ってたんだ。
君が好きだって伝えようと思ってたの。
中学生になったとき、周りのみんなから私たちが付き合ってるって言われて結構嫌だったんだよね。
私と君の関係を周りが勝手に決めてるみたいに感じたから。
だけど、私が君の彼女みたいだって言われて、嬉しかったりもしたんだよね。
本当に変だよね。嫌なのに嬉しいなんて。
それから君と一緒に帰ることができなくなってすっごく後悔したの。
それで気づいたんだ、私は君のことが好きなんだって。
それなのに、私からは一緒に帰ろうよって誘うことができなくてさ。
どうしたらいいのか分からなかったんだ。
だから、今度偶然だったとしても君と一緒に帰ることができたら、告白しようと思ってたの。
それなのに君から思ってもみないことを言われちゃうんだよ。
どんな反応したらいいのか分からなかったよ。
君と帰る約束をした私を褒めたいくらい。
それで、その、君の返事を聞いてもいいかな?
《視聴者のセリフ》
そっか、君も私のことが好きなんだ。
これならもっと早く君に告白してたら良かったのかな。
それじゃあ、私と一つ約束してよ。
君はすっごく遠くに引っ越しちゃうでしょ。
そこは簡単に行くこともできないような場所だから、君が大人になったら私のことを迎えに来てほしいの。
私はずっとここにいるから。
進学先も、就職先も、この家から行ける場所にするから。
どれだけ時間が経ったとしてもずっと待ってるから。
多分だけど、十年やそこらなんてあっという間だよ。
私が君への思いに気づいたのは中学生のときだけど、君を好きになったのはもっと前からなんだと思うから。
だから、私を君のお姫様にしてよ。
《視聴者のセリフ》
何言ってるの、って知らないの?
昔から王子様はお姫様のことを迎えに行くって決まってるんだよ。
君は私の王子様になって、私は君のお姫様になるの。
ステキだと思わない?
もー、なんでそんなに笑ってるの?
絶対に約束だからね。
もし破ったりしたら許さないから。
一応言っておくけど、電話とかは禁止だからね。
声を聞いたら君のところに行きたい気持ちを抑えられないかもしれないから。
それで、たまにでいいから手紙とか書いてよ。
近況報告みたいな感じのやつ。
私も返すから。
声を聞かないとは言ったけど君のことを感じられるものは一つくらいほしいんだ。
それと明日見送りをしちゃうと泣いちゃいそうな気がするからそういうこともしないね。
それじゃあ、またね。



【何年も時間が経ったあと】[以外省略可]
久しぶり。
やっと迎えに来てくれたね。
お姫様って私が思ってるよりも大変だったんだよ。
いつ王子様が迎えに来てくれるのか分からなくて、待つだけって苦しかったから。
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
きろ
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
山葵餅
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