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クラスメイトの告白を断った、その後
written by 山葵餅
  • 告白
  • 学校/学園
  • 純愛
  • 同級生
  • 片思い
公開日2022年03月31日 22:00 更新日2022年03月24日 22:15
文字数
2239文字(約 7分28秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
高校生
視聴者役柄
高校生
場所
学校
あらすじ
学校で人気のクラスメイト(演者)から急に呼び出される。そこで告白される。

そしてその後、とあることが・・・
本編
今日は急に呼び出してごめんなさいね。
同じクラスとはいえほとんど話したこともないのに、急に呼び出されてビックリしたわよね。
実は君に言いたいことがあるの。
《少しためて》
ずっと前から好きでした、私と付き合ってください。
《視聴者のセリフ》
ダメ、なのね。
理由を訊いてもいいかしら?
その、私って学校で一番人気があるって言っても過言じゃないと思うの、実際何度も告白されているし。
今まで全部断ってきてるから、彼氏がいたことはないけれど。
もちろん、告白をして断られたのも初めてよ。
《視聴者のセリフ》
自分とは釣り合わないから、ってそんなことないわ。
それに君はそんなこと気にしなくていいのよ。
私は君が私の大切な彼氏なんだよってみんなに言えるなら、それだけで十分なの。
私はずっと君のことを見てきたの。
だから私は君の魅力をちゃんと知ってるの。
君が覚えてるかどうか分からないから、私が君のことを好きになったきっかけを話すわね。

私入試のとき、筆箱を忘れたの。
よりによってこんな日に何してるんだろ、って思ったわ。
幸いなことに教科書に挟んでいた鉛筆が一本だけあったからテスト自体は受けられそうだったのだけれど、消しゴムもなくて、先の丸くなった鉛筆しか無かったの。
周りはみんな知らない人ばかりで、試験官のひとに声をかける勇気も無かったから、半ばテストは諦めていたの。
そのとき隣の席にいた君が、私が困っていることに気づいて、声をかけてくれたの。
それで何があったのかを説明したら、なんの躊躇もなくシャーペンとかを貸してくれたの。
消しゴム貸すときなんて
『シャーペンの後ろのやつって使いにくいよな、俺はもう一つ消しゴムあるから気にしなくていいよ』って言いながら笑顔で貸してくれたのに自分はシャーペンについてる消しゴムで消してるんだよ。
あれ、すっごく使いにくいって自分で言ってたのに。
それで、この人は自分のことよりも周りにいる人のことを大切にできる人なんだって思ったの。
だって、そうでしょ?
その日初めて会った相手で、しかもこれから先一生会わないかもしれない人のために自分が苦労してるんだから。
それに合格発表のときも、周りの友達が合格してたのを自分のことよりも喜んでいたのよ。
合格発表のときに君の姿を探してて良かったわ、あんな君も見ることができたのだから。
私は君と同じ学校に通えると思って、少しでも君に可愛いと思ってもらえるように、髪とかも気にするようになったのよ。

入学後は同じクラスになれたけれど、私に話しかけてくれなかったし、当然だけれど私のことは気づいてくれなかったのよね?
私もあと一歩の勇気が出なかったから何も言えないけれどね。
でも、ずっと君のことが好きだったから、誰とも付き合ったりしなかったの。
それに、たくさんの人の告白を断りながら、もしかしたら次こそは君が告白してくれるかもっていう淡い期待もしていたのよ。
だから君の魅力を知らない誰かが君のことを悪く言ったら私が許さない。
ここまで聞いたら私を彼女にしてもいいな、もっと言うと私と付き合いたいな、くらいは思ったんじゃないかな?
私の君への気持ちを全部伝えるには言い足りないくらいだけど、君の気持ちが私と付き合いたいと思うには十分だと思うんだよね。
《視聴者のセリフ》
そう、答えは変わらないのね。
ごめんなさいね、時間を取らせちゃったみたいで。
けれど、一度振られたくらいで、私はめげたりしないから。
また君に思いを伝えるわ。
そのときはまた私の話を聞いてよ。
君が私と付き合いたいと思ってくれるまで続けるけどね。


〚数週間後〛
どうしたの?
随分と疲れてるみたいだけど、何かあったの?
《視聴者のセリフ》
そう、私と君が付き合ってるという噂が流れて男子たちに問い詰められてるのね。
私としてはその噂が本当だったら嬉しいのだけれど、君は困っているみたいだし、少し手を貸してあげましょうか?
気にしなくてもいいのよ、好きな人のために何かをしたいと考えるのは当然のことでしょ?
それにもう片手では数えられないほど、君に愛を囁いているのに、いまだに君から好きと言ってもらえていないのよ。
そんな状況で、私が彼女ヅラをするのは気が引けてしまうから。
けど、出来ることなんて限られているわよね。
私が今すぐ付き合っているということを否定したところで、余計に詮索されてしまうだけだし。
《少し考える》
そうだ、それならもういっそのこと、私たちが付き合ってるということにしない?
もちろん、フリだけよ。
学校では今までよりもたくさん話して、たまに一緒に帰ったりするだけ。
君が私の彼氏だということが事実だって思ってもらえたら、男子に君が嫌がることをしないでって言えるでしょ?
あまり良い手だとは思えないけれど、この機会に私の魅力をもっと君に見せつけるのも悪くはないわね。
それでも君が嫌な思いをすることがあったら、そのときは私がなんとかするわ。
一回目の告白のときに言ったでしょ?
君のことを悪く言う人は許さないって。
それから、もし君に好きな人ができたら、そのときは私が振られたってことにして、なんとか丸く収められるようにみんなに伝えるよ。
それくらいの人気はあるつもりだから。
君に被害は絶対に出さないよ。
だから、どう?
《視聴者のセリフ》
交渉成立だね。
あ、一つ言い忘れてたけれど、君の好みがどんな性格のどんな見た目の女の子であろうと、君の好みが私になるくらいに魅了してみせるから。
だから、次に君が恋をする女の子は私だって決まってるのよ。
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
クラスメイトの告白を断った、その後
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
山葵餅
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