サークルの新人歓迎会の翌日。
気がつくと女子とホテルに。

あ、やっと起きたね。おはよう。ここがどこか分かる？
《視聴者のセリフ》
って、そうだよね。
やっぱりそういう反応するよね。
見知った顔に見知らぬ天井、それに極めつけは私と君が同じベッドに入ってるんだから。
よし、それじゃあ昨日のことは覚えてる？
《視聴者のセリフ》
うん、うん。ちゃんと覚えてるみたいで安心したよ。
君も言った通り、昨日私と君はサークルの新人歓迎会に参加したよね。
そこで君は、あろうことか泥酔したんだよ。周りが止めてたのに、後輩の前でかっこでもつけたかったのかな？
まぁ、そんな君を放置して歓迎会は進んでいき、私たちが気付いたときには終電がなくなっていたんだ。
タクシーで帰るっていう手段もあったんだけど、残念ながら私にも君にもそんな経済的余裕はないよね。
特に君にだけど。
それに、先輩方もお金出してくれなかったし。
まぁ、そんなこんなで、この比較的安いホテルに二人で泊まることにしたんだ。
私は椅子で寝ようとしたんだけど、君が頑なに拒んだんだよ。
私がそこで寝るなら、自分は床で寝るとか言って。
さすがにあそこまで酔ってた人をベッド以外で寝させる気にはならなかったから、一緒のベッドで眠ることになったんだよね。
ここまでは良いかな？
《視聴者の反応》
うん、良いみたいだね。
それじゃあ、ここで問題です。
私には一つだけ君に怒ってることがあるんだけど、何か分かる？
《視聴者のセリフ》
分からない、ってやっぱりそうだよね。
君がそういう人だってことは知ってたよ。
いい？
私たちは経緯はどうあれ、ホテルで同じベッドで眠ることになったんだよ。
そんなことがあったとしたら、普通はどんなことがあると思う？
《視聴者のセリフ》
そう、君が言った通りのことが起こるんだよ。
よく分かってるね。
じゃあ、私がどうして怒ってるのかは言わなくても分かるよね？
《視聴者のセリフ》
もしかして、一線を超えたのか？、ってすごい焦りようだね。
じゃあ、一応訊くけど、その一線を超えた覚えはある？
私も君も、服をちゃんと着てるけど。
《視聴者の反応》
うん、その通りだよ。
私たちは特に何かあるわけでもなく、一夜を超えたんだよ。
密室で、同じベッドで。
あのさ、私ってそこまで魅力ない？
一応、人に好意を向けられた経験はあるんだけど。
《視聴者のセリフ》
そんなことない、って嘘でしょ？
そんな気、使わなくてもいいよ。
同じベッドで寝よう、ってなった時点で、私はもう覚悟を決めてたんだよ。
好きな人と一緒にいるんだからって。
それなのに、君は。
って、あ、あの、好きな人っていうのは、その、えっと、さすがにこれは隠せないよね。
好きな人っていうのは、君のことだよ。
あぁ、なんでこんなタイミングでこのことを言っちゃったかな。
まぁ、でも、言ってすっきりしたよ。
好きな人とこんな状況になったっていうのに、一切求められなかったことにすごく怒ってるの。
いや、怒ってた、のかな？
だってそうでしょ？
二人きりで同じベッドに入ってるって状況に加えて、君はすごく酔ってたんだよ。
それで何も無かったのなら、怒るとかじゃなくて、諦める、が正しいよ。
えっと、じゃあ、これ。
ここの代金。ちょうど半分だから、もう半分は出しといて。
私、今日は二限からだから、一回家に帰りたいんだよね。
えっと、じゃあ、また大学で。
《視聴者の行動》
って、どうして私の手を掴んでるの？
君には、私を引き止める理由なんて、ないと思うんだけど。
《視聴者のセリフ》
え？こんな状況で何を言うのかなって思ったら、私のことが好きだって言ったの？
昨日のことがあるのに、それは無理があるよ。変なこと言わないでよ。
私が変に期待して、もっと傷つくだけだから。
《視聴者のセリフ》
嘘じゃない、って信じられないよ。
それじゃあ、証明してよ。

【1】Aルート
え？どうして急にキスするの？
いや、証明してほしいって言ったよ。
今できる一番の証明だとも思う。
でも、今のが私の初めてだったんだよ。
だから、これから一生をかけて責任を取ってもらうから。

【2】Bルート
私はそんな言葉を求めてないよ。
好きだからこそ何もしなかった、って何？
好きだから、大切に扱った？
そんなこと、私は求めてないよ。
好きなら、ガラス細工みたいに大事に扱うんじゃなくて、もっと信頼して、たくさん求めてほしい。
〚キスをする〛
こういうのがいい。

・台本（ゆるボイ！）
一夜を過ごして。
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・台本制作者
山葵餅