クラスメイトに告白された。
配信者にガチ恋をしているため告白を断ると、彼女がその配信者の中の人で――。

pixivでも公開しています。

地の文……大人しい少女の声。
<>の文……配信者としての声。少しイジワルなボクっ子。

「二種類の声に翻弄される」をイメージして制作しました。
ご参考になれば幸いです。

＊＊＊

ごめんね、急に呼び出して。
言いたいことがあって。

その、好き、です。
付き合ってください。

びっくりさせてごめんね。

でも、あなたはいつもこんな私にも気を使ってくれるから。
嬉しくって……。

……やっぱり。
私、地味だもんね。

ごめん、フォローさせて。
やっぱりあなたは優しいな。

うん、いいの。

でも、その、あなたの好きな人、教えてくれる？

え、配信者？
ガチ恋勢……？

う、うん。
と、友達が詳しくて。

どんな子なの？

これって……。

<つまり、ボクだったら好きになってくれるってこと？>

びっくりしてるね。
……幻滅した？

まだ分からない？
私がその配信者の中の人ってこと。

いつも、ありがとうね。
そして、さようなら、かな。

……どうしたの？

もしかして、<ボクとだったら付き合いたいの？>

図星、か。
そんなに動揺しないでよ。

でも、それだったら――。

<君の前ではボクを演じるから、ボクと付き合ってくれない？>
<ボク、君のこと大好きなの。だから、さ。いいでしょう？>

ダメ？

<配信者と秘密の恋ってドキドキしない？　するよねぇ。君、好きでしょ。そういうの>

君が望む言葉を囁いてあげる。

<どうかな？>

まだ、考え中ってところかな？
少し、ごめんね。

<ふふ、驚いちゃってる>
<ねえ、いつも画面越しのボクとこうやって触れ合ってるの良くなあい？>
<魅力的じゃなあい？>

やっぱり、私、あなたのことが好き。
付き合いたい。
だから――。

<君のこと、大好きだよ>
<何でもしてあげる>
<愛してる愛してる愛してる愛してる>

卑怯だけど、私の恋人になってくれるよね？

ふふ、ありがとう。

<大好きだよ>

・台本（ゆるボイ！）
大人しいクラスメイトが推しのボクっ子配信者だった。
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
シノト