ある日、夜遅くに幼馴染で主人の視聴者に呼び出される。そこで、主人からとある相談をされたが、その内容とは？

【扉をノックする音、及び扉を開ける音】
失礼いたします。
どうなさいましたか、ご主人様？
このような時間に、私に部屋に来るように仰られるのは珍しいことのように思いますが？
《視聴者のセリフ》
少し話がある、ですか？
はい、何なりと仰ってください。
《視聴者のセリフ》
まずは今だけでいいから敬語を止めてくれ、と仰られましても、今の私は従者の身でございます。
確かにかつては自分の立場をわきまえておらず、ご主人様に対しての礼儀がなっていなかった頃もありました。
ですが、あれは私もご主人様もまだ小さかった頃の話でございます。
今の私は父がこの屋敷の執事長であり、私はご主人様の専属のメイドであることを自覚し、そのことに自信を持っております。
ですから、そう簡単にご主人様に対して無礼な立ち居振る舞いをすることはできません。
《視聴者のセリフ》
主の言うことに従うのも礼儀だ、ですか。それはそうかもしれません。
では、只今からかつての話し方をすることにいたします。
それで話っていうのはなんなの？
《視聴者のセリフ》
ふんふん、要するに好きな人がいるんだけど、どう気持ちを伝えたらいいのか分からないってことね。
それにしても、君に好きな人がいたなんて意外だな。
君がずっとお見合いを断っていたから、奥様はすごく心配されてたんだよ。
旦那様も口になさることはなかったけど、気にされていたとは思うし。
私だって心配していた内の一人なんだけどね。
君が結婚したくないって言ったらどこかから養子を貰うことになることでしょ？
君の判断ならできる限り尊重するけど、できればメイドとして君の子どもの成長を見ていたかったからね。
だから、君に好きな人がいるってことは本当に嬉しいな。
私の予定では死ぬまでここで働くことになってるから、君と君の子どもと君の孫と、できればひ孫の顔くらいまでは見てみたいからね。
ってごめん、私の話になっちゃったね。
それで好きな人のことだけど、学校の誰かなの？
《視聴者のセリフ》
一応、って。何なの、その煮えきらない返事は。
まぁ学校の人なら私が手伝えることも多いかもしれないし、丁度いいかな。
君のクラスメイトの顔と名前は全部一致するからね。
《視聴者のセリフ》
なんで、って私、クラスは違うけどそれくらいのことなら頭に入れてるよ。
もし君に何かあったとき、すぐに対応できるようになっておかないといけないでしょ？
それで、話を戻すけど誰のことが好きなの？
《視聴者のセリフ》
内緒って、それじゃあ手伝いにくいよ。
まぁ言いたくないなら別にいいけど。
それじゃあ、どうやって告白するかを考えようか。
《視聴者のセリフ》
なんでって、私がまだ告白してないって考えた理由？
それなら簡単だよ。
私は誰よりも君のそばにいたんだよ、何か慣れないことをしたのなら分かるって。
そんな素振りなかったし、そもそもこうやって呼び出してる時点でまだ告白できてないことくらい簡単に想像つくよ。
私みたいに長い付き合いじゃなくてもね。
それでどうやって告白するかだけど、これが一番の難関だってことは言うまでもなくないよね？
告白しろって言うのは簡単だけど、告白することが大変だってことは分かってるから。
実際、私だって片思いしてる相手に告白できてないしね。〚呟く〛
《視聴者のセリフ》
あ、もしかして聞こえてた？
いや、まぁ、私だって一応女の子だし好きな人くらいいるっていうか。
けど、今はそんなこと関係ないでしょ？
今重要なのは、君の好きな人の話だよ。
それでどうやって告白するかだけど、って聞いてるの？
《視聴者のセリフ》
告白しないって何言ってるの？
好きな人なんでしょ？
私はその人のことを知らないから、その人の気持ちまでは分からないけど、告白してみないことには進まないんじゃない？
《視聴者のセリフ》
確かに私も告白できてないけどさ。
よし、それじゃあ私が告白したら君も告白するって約束する？
《視聴者の態度》
なんでちょっと渋ってるの？

【1】私が先に告白される場合
そっか、君が先に告白するんだ。
分かった、それじゃあ結果報告待ってるね。
じゃあ、おやすみなさい。
《視聴者のセリフ》
待ってって、どうして今止めるの？
これからの方針も決まったことだし、今すぐに話すべきとこはないように思うんだけど？
《視聴者のセリフ》
え、今、私のことが好きだって言ったの？
あ、あぁ、練習なのかな？
それならもうちょっと雰囲気を大事にしたほうが良いと思うよ。
あと、練習するなら一言欲しかったかも。
一瞬でも本気なのかと思って、今ちょっと恥ずかしい気持ちになってるから。
《視聴者のセリフ》
え？練習じゃないの？本当に？
それが嘘だったら最低だってこと分かってる？
《視聴者が抱きしめる》
抱きしめるってことは、嘘じゃないってことでいいの？
私信じるよ。
君が告白したんだったら、私も好きな人に告白しないといけないね。
よし、ギュー。これが私の気持ち。
私も君のことが好き。
これからは専属のメイドとしてじゃなくて、君の妻として側にいたい。
それでもいいんだよね？
そのための関門として旦那様方にお許しを得られるかっていうことがあるけどね。

【2】私が先に告白する場合
私が先に告白するってことで良いんだね。
それじゃあ、よし、心の準備ができた。
私はずっと君のことを好きだったの。
君の専属メイドになる前から、ずっと好きだったんだと思う。
けど、気持ちに気付いたのは君のメイドになった後だったから口にすることができなかったんだよね。
けど、それから何年もこの気持ちを忘れられなかったから、こうやって口にできて良かったよ。
これでちゃんと忘れられる気がするから。
《視聴者が抱きしめる》
ねぇ、どうして私のことを抱きしめてるの？
こんなことされたら、これからどうやって君と話したらいいのか分からないよ。
《視聴者のセリフ》
私のことが好きだって言われても困るよ。
私は君と結婚することができないんだよ。
だから、忘れるしかないんだよ。
お願いだから、私に忘れられない気持ちを植え付けようとしないでよ。
《視聴者のセリフ》
絶対に結婚するから、って私はそんなこと望んでないよ。
結婚するってことは私が他の家に養子になるか、君が私と同じような立場になるしかないんだよ。
分かってるの？
どっちもできることじゃないよ。だから諦めよ。
《視聴者のセリフ》
今旦那様方を説得するって言ったの？
それは恐らく最も難しいことだよ。
だから絶対に無理なんだよ。


【以下省略可】
【1】と【2】どちらからでも続けられます。

それにしても驚いたよね。
旦那様が当時メイドだった奥様に一目惚れして、ご両親の反対を押し切ってご結婚なさってたなんて。
もしかしたら、私たちの子どもも従者と結婚したいって言うかもね。

・台本（ゆるボイ！）
ずっと側にいたメイド
https://x.com/yuru_voi

・台本制作者
山葵餅