死は穢れ、故に彼女に死を教えてはなりません。あなたは幼いお狐様の世話役として、振り回されながらも一緒に楽しく暮らしています。彼女はそれを永遠のものにしたいと思っていますが、人の命は短いものです。

おにいちゃん！おさんぽ行こ！

(お掃除が終わるまで待って)

お掃除が終わるまで待って？
やだ、いまから！

(裾をひっぱりながら)
ねぇ、行こうよ～。

(わかったわかった、じゃあ行こうか)

おさんぽ行く！？
えへへ、やったー！

(外に出る)

きょうはお天気がよくてあったかいね。

あっ、きれいなお花。
たくさん咲いてるね！

ちょっと摘んでくる！

(二本だけ摘んでくる狐様)

(二本だけでいいの？)

二本だけでいいのって？
いいの、こっちのちょっと大きいのがおにいちゃんで、小さいのがわたしだから。

おさんぽから戻ったら、いっしょの花瓶に差すの。

(時間経過　帰宅)

楽しかったぁ。

花瓶にお水を入れて、お花を差してっと。
ふふ、二つ並んでかわいいねぇ。

ねぇ、次は縁側で尻尾のお手入れして！

(いいよ、おいで)

おにいちゃんのお膝の上に座ってっと。

(毛をブラシでとかす)

ん、気持ちいい。

わぁ、ふわふわだ～。
おにいちゃん、お顔を尻尾でなでなでされるの好きだよね。

(尻尾で顔を撫でる)
なでなで、なでなで。

(尻尾に抱きつく)

ひゃん！？
もう、急に尻尾に抱きつかないでよ～。
あはは、さわさわしないで～、くすぐったいよ～。

(急にうつむいて)
おにいちゃん。
わたし、おにいちゃんとこうしていっしょにいるの楽しいよ。

でも、いつまでおにいちゃんはわたしといっしょにいてくれる？

前も、その前のおにいちゃんも、みんなだんだんしわしわになって、遊んでくれなくなって、そのうち急にどっか行っちゃうの。

それって、わたしがわがままだからなのかな。
だからわたしのこと、キライになっちゃったのかな。

(嫌いになんてなってないと思うよ)

キライになってない？
じゃあどうしてみんな居なくなっちゃうの！？

(他のお狐様のところに行かなくちゃいけなくなったんだよ)

他のお狐さまのところに行ったの？
そっか……

ねぇ、おにいちゃん。
おにいちゃんには、ずっといっしょに居てほしいな。

(いいよ)

(とびきり嬉しそうに)
いいの！？
やくそくだからね！
おにいちゃんだいすき！

・台本（ゆるボイ！）
ロリなお狐様に優しい嘘を
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
メロンフランスパン