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田舎で不思議な少女と再会して…
written by はやぶさ
  • 癒し
  • ロリ
  • のじゃロリ
  • お姉さん
公開日2022年09月01日 02:44 更新日2022年09月17日 19:47
文字数
3159文字(約 10分32秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
指定なし
演者人数
1 人
演者役柄
不思議な少女、ロリババア→お姉さん
視聴者役柄
大学生~20代前半の社会人
場所
帰省先の田舎
あらすじ
サムネはTrinArtで作成しました。
https://ai-novel.com/art/

・あらすじ
帰省した田舎の古い蔵で不思議な座敷童子みたいな女の子と再会する話。

・キャライメージ
座敷童子、ロリババア→お姉さん

・聞き手イメージ
大学生~20代前半の社会人

過去に公開していたものを加筆修正しました。
演じ手→女性、聞き手→男性を想定して書いていますが、性別、口調を変更してもいけると思います。
本編
// SE:鈴の音
// 最初はロリ
「おや、珍しい……」
「もう何年も帰ってこなかったのに、どういう風の吹き回しかの?」
「なんじゃ?わしの事が分からんのか?」
「わしは坊の事を片時も忘れたことなど無かったというのに……」
「それなのに坊はわしの事を忘れてしまったのか……」
「お姉さんは悲しいぞ……くすん」
「……なんて、冗談じゃよ」
「坊がわしのことを覚えていないのは仕方がないことじゃよ」
「みな幼き頃はわしの事が見えて遊びに来てくれるんじゃがのう……」
「大きくなるにつれ段々と見えなくなり忘れてしまうのじゃ」
「まぁ分かりやすく言うと座敷童子みたいなもんじゃよ」
「わしは坊の爺様が赤子の頃よりもずーっと前からここに住んでおるのじゃ」
「しかし不思議じゃのう……」
「大人になってもわしが見えるのは坊が初めてじゃよ……」
「まあ、何はともあれまたこうして会えて話ができて嬉しいよ」
「お帰り……坊」
「それにしても随分と大きくなったのう……」
「わしが最後に見た時はまだこんなに小さかったというのに……」
「今じゃあ立派な青年じゃな!」
「どれ、久しぶりに頭でも撫でてやろうかの?」
「ほれ、よしよしよし……」
「ふふ、昔はこうやってよく撫でていたものじゃがな……」
「ふふふ、本当に大きく立派になったなぁ……」
「ん?どうしたんじゃ急に顔を赤くして?」
「ああ、すまんすまん!つい昔の癖で頭を撫でてしまったわい!」
「いやぁ~、昔を懐かしんでおったからついついやってしまったわ~」
「いやなに、気にするでない!むしろもっと撫でて欲しいくらいじゃ!」
「なんなら毎日でも構わんぞ!」
「ほっほ!そうかそうか、ならこれから毎日坊の頭を優しく撫でてやろうではないか!」
「うむ、そうしよう!」
「ふふふ、楽しみじゃな」
「おっと、そろそろ時間かのう……」
「では、また明日も来るといい」
「待っておるぞ、坊」
「それじゃあの……」
〜次の日〜
// SE:鈴の音
// ここからお姉さんに変更
「おや、今日も来てくれたのか」
「いらっしゃい」
「どうしたんじゃ?」
「そんな所に突っ立ったまま変な顔して」
「どちら様ですかって……」
「なんじゃ、またわしの事を忘れてしまったのか?」
「ああ……そうか、昨日とは違う姿になっておったんじゃった」
「そう、わしじゃよ」
「坊が大きくなってわしだけが童(わらし)のままではしゃくだったからのう……」
「大きくなりたいと願ったんじゃ」
「それで朝起きたらこうなっておった」
「どうじゃ?別嬪さんじゃろ?」
「ふふふ……、坊のお気に召したようで良かったのじゃ」
「いつまでもそんな所にいないでこっちに来たらどうじゃ?」
「折角来たんじゃ、今日もわしの暇つぶしに付き合ってくれるかの?坊」
「そうじゃのう……今日は何をしようかのう……?」
「そうじゃ、膝枕をしてあげよう」
「さあ、おいで坊」
「ふふ、そんなに緊張せんでもいいじゃろうて」
「ほら、ゆっくり横になるがよい」
「よいしょっと……」
「よしよし、いい子じゃ……」
「ふふ、坊は本当に可愛いのう……」
「まるであの頃のままじゃな……」
「懐かしいのう……」
「坊がまだ小さくてわしの姿が見えていた頃はよくこうやって頭を撫でてやったものじゃ……」
「ほんに懐かしくて愛おしいのう……」
「このままずっとこうしていたいくらいじゃ……」
「坊は今幸せか?」
「もし、幸せなのであれば何よりじゃ……」
「しかし、坊にはまだまだ沢山の未来がある……」
「これからも楽しい事ばかりではないだろう……」
「もしかしたら辛い事も沢山あるかもしれん……」
「それでもどうかその歩みを止めないで欲しい……」
「そしていつか坊にも愛する人ができ、子を成し、家族を作り、幸せに暮らす事ができるよう……」
「わしはいつもここで祈っておるからな……」
「だから坊は安心して前を向いて歩き続けておくれ……」
「大丈夫、きっと出来るさ……」
「だって、坊はもう立派な大人なんだからな……」
「坊ならこの先どんな事があろうとも乗り越えられるはずじゃ……」
「それに坊の周りにはたくさんの人がおるじゃないか……」
「みんな坊の事を慕ってくれて大切に思ってくれる……」
「もちろんわしもその一人じゃよ」
「だから何も心配はいらない」
「いつでもわしが祈っていることを忘れないでおくれ……」
「……そろそろお別れの時間かな……」
「坊と過ごす時間はあっという間じゃのう……」
「寂しいが仕方ないことじゃな……」
「それではまた会おうぞ、坊……」
「愛しておるよ……」
「……なんてのう、冗談じゃ」
「坊は相変わらずうぶじゃのう~」
「顔が真っ赤っかではないか!」
「くふふ、相変わらず可愛らしいのう」
「さて、もうこんな時間じゃ名残惜しいが今日のところはこれでおしまいとするかの」
「ではまた明日も楽しみにしておるぞ、坊」
「おやすみ、良い夢を……」
〜最終日〜
// SE:鈴の音
「おや、坊。いらっしゃい」
「今日で最後じゃな」
「分かっておる、寂しくなるのう……」
「まあ、致し方ない事ではあるがな……」
「来年……それは無理じゃな、実はこの蔵は取り壊される予定なんじゃ」
「そう……爺様には聞いておらんかったか……」
「この蔵も随分と老朽化してきてしまったからのぅ……」
「いつ崩れてもおかしくないから取り壊しが決まったんじゃよ」
「わしはこの蔵と共に朽ち果てるのも悪くないと思っておったんじゃがな……」
「今までありがとうな、坊……」
「本当に楽しかったよ……」
「ふふ、また泣きそうになっておる」
「まったくしょうがないやつじゃなぁ~」
「ほれ、よしよしよし……」
「もうすっかり大きくなってしまったが、やはりわしの知っている坊の姿で安心するわい」
「おっと、すまんすまん!つい嬉しくて撫ですぎてしまった」
「ほら、泣いていたらせっかくの男前が台無しになってしまうぞ?」
「ふふ、本当に坊は変わらないのう……」
「泣き虫で甘えん坊で……あの頃のまんまじゃ……」
「そんな所も含めて全部大好きだったよ……」
「坊……わしを……忘れないでくれ……」
「……いや、すまんすまん!ちょっとしんみりしてしまったのう!」
「つい湿っぽくなってしまっていかんなぁ……」
「ほれほれ!もっと元気を出さんかい!」
「こんな日くらい笑って別れようではないか!」
「そうそう!その方がわしも嬉しいのじゃ!」
「うむうむ、やっぱり坊はそうでないとな!」
「おっと、忘れるところじゃったわい!」
「これを渡しておかねばな」
// SE:鈴の音
「この鈴はお守りじゃ!」
「肌身離さず持っておくのじゃぞ?」
「そして絶対に無くしてはならんからな?」
「うむ、良い子じゃ……。大事にするのじゃぞ」
「うん?なんじゃ?」
「わしの名前?ああ、言ってなかったかのう?」
「わしの名前は鈴音すずねというのじゃ」
「どうじゃ?いい名前じゃろう?」
// SE:鈴の音
「この鈴の音を聞いてわしを思い出してくれたらうれしいのう」
「それじゃあそろそろ時間じゃな……」
「それじゃあ、最後にもう一度だけ頭を撫でてやろう……」
// 頭を撫でながら
// SE:鈴の音
「ああ……温かいのう……」
// SE:鈴の音
「とても心地が良いのじゃ……」
// SE:鈴の音
「……なあ、坊……一つお願いをしてもいいかの……?」
// SE:鈴の音
「……わしのことを……忘れてくれ……」
// SE:鈴の音
「………頼む……」
// SE:鈴の音
「……どうか……」
// SE:鈴の音
「……わしのことを忘れてくれ……」
// SE:鈴の音
「………」
// SE:鈴の音
「それじゃあな、坊……」
// SE:鈴の音
「お別れじゃ……」
// SE:鈴の音
「達者でな……」
// SE:鈴の音
「……」
// SE:鈴の音
「……」
// SE:鈴の音
「……」
// SE:鈴の音
「さようなら、坊……」
// SE:鈴の音
「元気でやるのじゃぞ……?」
// SE:鈴の音
「……」
〜3か月後〜
// SE:ドアを開けて閉める音
// SE:鈴の音
「……おや、坊おかえり」
「なんじゃ?何を驚いた顔をしておるのじゃ?」
「なんで家にいるんだ?って顔をしておるのう」
「ほっほ、あの蔵は確かに取り壊されたのじゃ」
「でも最後にもう一度坊に逢いたいと願ったら叶ってしまったみたいじゃな」
「いや~、まさか叶うとは思ってなかったからびっくりじゃわい!」
「というわけで今日からここに住むことにしたからよろしく頼むぞ?」
「ああ、これからはずーっと一緒じゃ……」
// SE:鈴の音
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
田舎で不思議な少女と再会して…
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
はやぶさ
ライター情報
主に女性演者様向けの台本を作成しています。
有償販売利用の条件
販売する場合は名前(はやぶさ)と台本URLの表記をお願いします。
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