テスト勉強を見てほしいと頼まれて、クラスメイトの自宅を訪れたあなた。
それはあなたを監禁するための計画だったのですが、彼女はポンコツで……

ねぇ、君。
そろそろテストあるし、勉強見てもらえないかな。

うん！　ありがとう！
じゃあ、放課後私の家で。

いらっしゃい！
入って入って。
お茶持っていくから、私の部屋で待ってて。
場所は、階段上ってすぐのところだからね。

上に行った。
よし、お茶に睡眠薬を入れてっと。

眠った君をあの部屋で監禁して、目一杯愛する。
ふふ、これで君は私のもの。

あれ？　
どっちにお薬入れたんだっけ？
まあ、二分の一だしなんとかなるか。

はい、どうぞ。
麦茶でいいよね？

それじゃあ、勉強始めよっか。

(時間経過)

(寝息をたてる)
はっ、寝ちゃってた。
ごめんね、勉強会私から誘ったのに。

(小声で)
私、睡眠薬入りの方飲んじゃった！？

(それより、麦茶なんか甘いんだけど砂糖でも入れた？)

え？　麦茶が甘い？

(小声で)
薬と砂糖間違えたァ！

(誤魔化す)
えっと……そう！　お母さんがこういう飲み方をするから、私も麦茶に砂糖入れるの癖になってて。

おいしくなかった？

(おいしかった)

おいしかった？　よかった。

(トイレ行きたいんだけど、どこ？)

え？　トイレ？
それなら、廊下の突き当たりの右の扉だよ。

あ、廊下の左側の扉は開けちゃダメだよ。絶対だからね。

(扉を開ける音)

(後ろから)
あーあ、そっちは開けちゃダメって言ったのに。

(壁にびっしり貼ってあるのはなんだ)

壁にびっしり貼ってあるのはなんだって？
それは全部君の写真だよ。

……まあ、全部ピンぼけしたり手ブレしたりして、なに写ってんのか全然わかんないんだけど。

とにかく、立てた計画とはなんか変わっちゃったけど、この部屋に君を監禁することができれば私のもの。

えーい！
君を押し倒して、手錠をかけてっと。

(やめろ！)

やめろって言われてやめるわけないよ。
これで君は私のもの……

手錠を引きちぎった！？
なんという怪力！

(この手錠、どこで買った？)

え？　これはホームセンターで買った、確か『けいさつセット』とかいうのに入ってたやつで……

うそ！　それおもちゃなの！？

(どうしてこんなことを？)

こんなことをした理由？
そうだよね。
ここまでされたら、聞きたくなるよね。

私、君のことが好きで好きでたまらなくて、誰にも渡したくなくって、いつでもそばにいて欲しくって、君を監禁することにしたの。

だから、君をだまして家に呼び出した。

麦茶に睡眠薬入れて眠らせた後、この部屋から出れないようにして、君への愛をずっとずっと囁き続けるために。

でも、君がこんなことをされてどう思うかまで頭が回ってなかった。
もう君に嫌われちゃったよね。
ごめんなさい。

(嫌いになってない)

嫌いになってない？
本当に？

(ポンコツすぎてほぼ無害だったし)

ポンコツすぎてほぼ無害って、嫌われなかったのはいいけどなんか複雑。

(もう監禁とかしようとしない？)

うん、もう監禁は計画しないし、写真も勝手に撮らない。

(じゃあ、付き合うか)

じゃあ付き合うかってどういうこと？
えっ？　えっ？　
まさか、私と付き合ってくれるってこと？

いいの？　こんな私を彼女にしても。

(目を離したらなにするかわかんない)

目を離したらなにするかわかんないって、それ恋人っていうより保護者のセリフだよね！？

それでも私のことだけを見ててくれるなら良い……のかな？

じゃあ、私から目を離したらダメだよ。
他の子見てたら、私なにするかわかんないから。

・台本（ゆるボイ！）
ポンコツヤンデレ少女は頑張る
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
メロンフランスパン