ある夜、インターホンが鳴って玄関を開けると、そこにいたのは活動再開したばかりの推しでした。
彼女には何かあなたに伝えたいことがあるようです。

(インターホンが鳴る)
(玄関を開ける音)

こんばんは！
会いに来ちゃった。

(誰ですか？)

あれ？　私が誰だかわかってない感じ？
古参の君には、声で気が付いてほしかったんだけどなぁ。

じゃあ、これ聞いたらわかるかな。

(咳払いをしてキャラになりきる)
先輩、私のこと、いつまでも愛してくれますか？

昨日投稿したシチュボのセリフだよ。
これでわかったでしょ？

(もしかして、○○さん？)

そうそう！　いつも応援ありがとうね。

君ってこんな顔してるんだ。
ほっぺつんつんしてもいい？

(ど、どうぞ)

つんつん。
わぁ、本物だぁ。

(立ち話もなんなので、上がりますか？)

お家に上がっていいの？　それじゃあ、お邪魔するね。

お茶？　いえいえお構いなく。
って、お盆持ってる手が震えてるよ？　緊張し過ぎじゃない？

(からかうように)
ふーん、そんなに私のこと好きでいてくれてるんだ？
うれしいなぁ。

緊張してるのもあるんだろうけど、なんか固くない？
活動休止する前からの仲なんだから、もうちょっと砕けてもいいのに。
リプくれるときとか、もっと軽いじゃん。

まずは、敬語禁止。

うんうん、いい感じ。

次は、私のこと呼び捨てにしてみて。

呼び捨てにされるのいいかも。君の彼女になったみたい。

(からかうように)
顔赤くなってる。もしかして照れてるの？
ふふ、かわいい。

いつもはほとんど文字でしかやり取りしてないから、こうして直接話せるのうれしいなぁ。

(どうして家に？)

君の家に来た理由？
君への感謝を私の言葉で直接伝えたくって。

私が復帰配信したときのこと、覚えてる？
そう、誰も見に来てくれなかった、あの配信。

私が活動休止している間に、みんな別の推しを作って私から離れちゃってた。
そりゃそうだよね。全く活動していない人が過去の人になって、忘れられるのは当然。

だけどさ、最後みんな言ってたじゃん『いつまでも待ってます』って。
実際は、誰も私のことなんて待ってなかった。
誰にも望まれてないんだったらもうやめちゃおうって、そう思った。

でも、配信を始めて少し経ったとき、コメントが来たんだ。
『遅れてゴメン、おかえり』って。
君からだった。
君だけは待っててくれた。
君が『ここにいていいんだよ』って言ってくれた気がした。
きっとそんなつもりはなかったんだろうけど、君はあのとき私を救ったんだよ。

君のおかげで、私はまた活動を頑張ろうって思えた。
ほぼ一からのスタートになっちゃったけれど。今まで待っててくれた人をがっかりさせたくないから。

本当にありがとう。

さて、言いたいことも言えたし、帰ろうかな。
ありがとうね。急に来たのに私の話を聞いてくれて。

忘れないでね。君の存在、君の言葉が私の力になってるってこと。

またね。

・台本（ゆるボイ！）
最近復帰した推しが家に凸ってきた
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
メロンフランスパン