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今日これから後輩に告白してもらいます(予定は未定)
written by さざなみ
  • 片思い
  • 2人用台本
  • ラブコメ
公開日2023年06月01日 23:16 更新日2023年06月01日 23:21
文字数
4651文字(約 15分31秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
指定なし
演者人数
2 人
演者役柄
指定なし
視聴者役柄
指定なし
場所
指定なし
あらすじ
「うううう、世界が優しい……」
「世界規模の話になったちゃったよぉ……」

20211103
本編
清水 女性推奨
山崎 男性推奨


清水:すみません、山崎さん。お待たせしました。
山崎:あ、いや、全然! だ、大丈夫だから。
清水:先に飲んでてくださいってお伝えすればよかったですね……。
山崎:いや、そんな……。えっと、何飲む……?
清水:ではオレンジジュースをお願いできますか?
山崎:……あ、えと、清水さんってお酒弱かったんだっけ……?
清水:あ、いえ。その……。
山崎:その?
清水:お酒の力を借りたくないなぁって……。
山崎:き……。
清水:き?
山崎:(来たあああああああ!!!!!!!!!!! 苦節三年、ようやく俺にも春が来たーーーーーー! うええええ、めっちゃ嬉しい、めっちゃ嬉しいんですけど!!! 俺も清水さんのことずっと好きだったけど、やっぱ先輩の俺が「付き合って欲しい」なんて言った日にはパワハラ×セクハラになっちゃうでしょ!? 言えない! 言えないよぉ! だから結構諦めかけてたんだけれど、まさか清水さんの方から告白してもらえるなんてこんな嬉しいことってある!? うわああああああ、ありがとう、世界いいいい!!!!)
山崎:き、キッコーマン……。俺はキッコーマンにしようかな!
清水:それ絶対醤油ですよね!? コップ一杯を一気に飲んだら死にますよ!?
山崎:あ、あははは、ご、ごめん冗談。じゃあ、俺はー……。(店員に)すみませーん! オレンジジュースと、ジンジャーエールくださいー!
山崎:あ、あと、何か食べる? よね?
清水:あ、はい。では、この大根たっぷりサラダと、だし巻き卵と、しらすのチヂミをください。
山崎:(チョイスがきゃわわわわ……)
清水:山崎さんは?
山崎:えっと、清水さん、苦手なモノってある?
清水:なんでもいけます。
山崎:よかった。串の盛り合わせと、長芋のきざみと、生春巻きをください。
清水:すみません、急にお呼びたてしてしまって。
山崎:いや、そんな……。
清水:業務中は、なんというか、そのどうしても言い出しにくくて……。
山崎:(かっわ……!)
清水:あの。
山崎:ん?
清水:植村さんのことは、大丈夫ですか?
山崎:へ? なんで植村さん?
清水:あ、いえ、そのよく植村さんと仲良くされていて、その……、飲みに行くお約束をしているのを何度か聞いてしまったので……。
山崎:あっ、えっ、ちがっ。植村さんとは別に特別な仲とかそんなわけじゃなくて、すごく気が合うっていうか趣味が似てるというか。
清水:趣味が……?
山崎:う、うん! そう! だから清水さんはなんも心配しなくて大丈夫だからね!
清水:心配……。
山崎:あ、飲み物来た。ありがとうございます。
清水:ありがとうございます。
山崎:えと、それでは、お疲れ様です。
清水:お疲れ様です。
0:二人、ジュースを飲む。
0:しばらくお通しをつついたりと沈黙。
清水:え、と。
山崎:は、はい。
清水:そのですね。お伝えしたいことというのが。
山崎:はい。
清水:……あ、でも……。
山崎:や、あの、本当に、大丈夫だから。
清水:本当ですか?
山崎:うん。俺も、清水さんと同じ気持ちだし……。
清水:同じ気持ち……? そう、なんですね。では……。
山崎:(ごくり)
清水:山崎さんって、歌い手のヤマーさんですよね?
0:沈黙
山崎:え……?
0:沈黙
清水:あ、あの、急に本当にすみません、でも、私、お歌だけじゃなくて雑談枠も好きで、キャスもでしたけれど、ニコ生の時代から聞いてたし、口癖とかしゃべり方も瓜二つで、そうかなって思ってて、……それに山崎さん、たまーにオフィスでお歌を歌ってるじゃないですか。
山崎:う、歌ってた!?
清水:あ、はい。たぶん、集中してる時とか無意識に?
山崎:はっず!
清水:なので、私、山崎さんの前のお席が空いてるとついつい座っちゃうんです。
山崎:(フリーアドレスの弊害!)
清水:ちっちゃく聞こえる歌声で、あっ、絶対ヤマーさんだ! ってもうずーーーーーーっと思ってて!
山崎:(うわあああ)
清水:あ、あの、2ちゃんねるのカラオケ板の頃からずっと応援してました!
0:沈黙
山崎:(うええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!)
山崎:(殺してーーーーーーーーー!!!!!!!! 誰だよ、苦節三年思いが通じたーとか、先輩の俺が「付き合って欲しい」なんて言った日にはパワハラ×セクハラになっちゃう、キリッとか言ってたの! そうだよ、俺だよ! はっず! え、はっず!! うわあああ、無理! 誰か三、四分前の俺を殺してほしい! はっず!!!!!)
清水:や、山崎さん……?
山崎:あっ、はい!
清水:ひ、人違い、でしたでしょうか……。
山崎:い、いや、人違いじゃ、ないです。ヤマーです。こんばんは。
清水:ぎゃああああああああああああ!!!!!! ほ、ほほほほほほほ本物、え、本人、はわわわわわわわ、え、しゅき、つらい、ああああ、あのあの、あく、握手してください……!
山崎:ししししし清水さん、落ち着いて? 落ち着こう? 俺も大概だけど、お互い落ち着こう!?
清水:ひっひっふー!
山崎:素直! そして場を和ませようとするとってもベタなボケをありがとう!!
清水:え、しゅき、つらい……。
山崎:清水さんがオタクの語彙力になってしまった……。
清水:え、だって、ここで「人違いです」とか「誰ですかそれ」とかって返すこともできた訳じゃないですか……。
山崎:そうだけど、勇気を出して本人確認をしてくれた人にそんなむごいことしないでしょ!
清水:うううう、世界が優しい……。
山崎:世界規模の話になったちゃったよぉ……。
清水:推しが、推しがいる世界線しゅごい……うれしい、ありがとう、ワールド……。
山崎:うわぁ、そのフレーズどっかで聞いたぁ……。
清水:ネットの世界での話をリアルに持ち込むのって本当にどうかなって思ってたんですけれど、ヤマーさん、多分、山崎さんが入社されたころから、呟く回数も極端に減っちゃって、最後の呟きも三年前ですし、
山崎:すみません……。
清水:お歌もずっと新しいものが上がってなくて、そうする間に時代はつべに移っちゃってるし、
山崎:(つべって、言った。この子、ようつべのこと、つべって言った)
清水:だから、本当に、うれしくて……。
山崎:な、なんか、ごめんね?
清水:い、いいんです! そんな! あの、こちらこそすみません。詮索して責めるような言い方になってしまって、反省しています。
山崎:いや、そんな。
清水:私、ヤマーさんのお歌、本当に本当に大好きで、つらいことがあったり、しんどいことがあったりしたときに今でもヤマーさんのお歌を聞くんです。
山崎:そうなんだ……。
清水:あ、あのあの、お歌の更新が止まっちゃう前にライブに出ていらっしゃいましたよね。
山崎:あ、うん。
清水:最前列にいました!
山崎:(マジかーーーーー!!!!!!!)
清水:お顔も似てるなーって思ったんですけれど、ハコの中、暗かったし、ステージの後ろからガンガンにライトが当たってたから、あんまり確証が持てなくて……。
山崎:そっかぁ……。あれ? ていうか、さっきさらっとものすごいこと言ってたよね?
清水:すごいこと? どれでしょう?
山崎:に、2ちゃんねるのカラオケ板って……。
清水:え? はい! ヤマーさんが登場されてから入り浸ってました!
山崎:(あばばばばばばば、さすがにそこは黒歴史……)
清水:その頃からもう、ずっとずっと好きで!
山崎:あ、ありがとう……。
清水:ふへへ、ずっと気になっていたので、お伝え出来てすごく嬉しいです。
山崎:なんか、ごめんね。
清水:はい?
山崎:好きだった歌い手が、こんな普通のおっさんで……。
清水:あの、山崎さんと私、年代が変わらないので、山崎さんがおっさんなら私もおばさんになります。やめてください。
山崎:すみません。
清水:それに、全然残念なんかじゃないです。雑談枠の時もヤマーさんはとても優しくて、その、何気ない言葉とかに私はいつも励ましてもらっていたんです。だから、あの時ずっと言いたかった感謝の言葉を、こうして直接言えることがとっても幸せなんです。
山崎:……。
清水:ヤマーさん、歌ってくれて、声をいっぱい届けてくれて、リスナーである私の支えになってくれて、本当にありがとうございます。
山崎:っ……、こ、こちらこそ……。ありがとうございます。
清水:ヤマーさんは、私の青春なんですよ!
山崎:(はっず……!)
山崎:(……はずいけど、……めっちゃ嬉しい……し、複雑!!!)
清水:あー、すっきりしたー……。
山崎:そ、そうだよね! なんかごめんね!
清水:いえいえ、そんな! 勝手に私が抱え込んでただけですから。それに、
山崎:?
清水:それに、更新がなくなって、つぶやきもなくなって、大丈夫かな、何かあったのかなってずっと気がかりではあったんです。でも、その反面、どこかで幸せに暮らしてくれていたら嬉しいなぁって思ってて。
山崎:清水さん……。
清水:私のことを幸せにしてくれた人だから、だからこの世界のどこかで笑っていてくれたらいいなって祈っていたんです。
清水:……なんて、重たいですよね、あはは。
山崎:俺も、
清水:はい?
山崎:俺も、願ってるよ。ずっとリスに来てくれてたり、リプやファボを飛ばしてくれた子達が俺のところに来なくなっても、それはきっとその子たちが次のステージにのぼったってだけで、何も悲しいことではなくて……そりゃあ寂しくはあるけれどさ、ちょっとでも楽しんでくれて、あとから振り返った時に、あー、あんな人もいたなぁ、楽しかったなぁって思い出にしてくれたらいいなって、……今、幸せでいてくれたらいいな、ってずっと願ってる。
清水:そういうところ、本当、ヤマーさんですよね、大好きです。
山崎:……、ありがと。
清水:あ、あの。
山崎:ん? 何?
清水:植村さんも、同じ趣味ということは……。
山崎:ふぁ? ……あ、ちが、違う! 植村さんとはまた別の趣味! 二人でカラオケに行ってるとかじゃないから!
清水:え、あ、そうなんですね。
山崎:うん。
清水:あの……。
山崎:なあに?
清水:その……、まだ、お伝えしたいことがあって……。
山崎:どうしたの? そんなに言いにくいこと?
清水:……。
山崎:……。
山崎:(うおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!! こ、今度こそ! 今度こそ来たんじゃないの、これ!? こ、告白!!!! そうだよな。これで俺、更に清水さんに告白しにくくなっちゃったもんな! 仕事上の先輩なうえに、かつて好きだった歌い手だよ!? これで俺が清水さんに告白しようものなら絶対幻滅される! 清水さんが重篤なリスナーだってわかってて告白しちゃった日には俺、処(しょ)されるわ!!! 言えない! 俺からは絶対告白できない!!!)
清水:あのっ、これ……!
山崎:これ……、え。
清水:そうです! ヤマーさんの唯一のCDアルバムです! コミケで手売りしてくれてありがとうございました!
山崎:ど、どういたしまして……。
清水:さ、サインください!
山崎:……はい。
0:サインをする山崎。
0:CDを受け取る清水。
清水:はわわわわわわわ、ヤマーさんのサイン入った、やば、デュフッ!
山崎:デュフ?
清水:ありがとうございます! 家宝にします!
山崎:こ、こちらこそありがとう……。
山崎:(ちがったああああああああああ!!!!!!!!!! くっそ! くっそ!!!! 俺、はずい! 本当に恥ずかしい! 無理! 死にたい!!! 穴掘って入るから誰か埋めて!!!!)
清水:あ、ああの、あの、あの。
山崎:うんうん、なあに、清水さん、どうしたの?
清水:私、ギャラお支払いするので! 今度、カラオケでお歌うたってください!
0:沈黙
山崎:清水さん……。
清水:はい?
山崎:それは! アカンやろ!!!!!!!!!!!!
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
今日これから後輩に告白してもらいます(予定は未定)
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
さざなみ
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