貴方は警視庁特務課所属の異能刑事。
持ち前の異能を駆使し日々凶悪犯罪に立ち向かっている。
しかし強力な能力には多大な対価が伴う。
貴方の場合それは……耳かきであった。

よ、お疲れさん！
今日もお手柄だったな。

いやー、かっこよかったぜ？お得意の異能で犯人をバシっと捕まえたとこなんか……

……ーっと、そうだったな。今日もさんざん能力使ってたし……
いつもの、だろ？

ほら、こっち来い。
耳かき、してやるよ。
(膝をポンポンする)

(頭を膝枕に乗せる)

おし、じゃあ入れるぞ……


(耳かき開始)


……しっかし、未だに納得いかねえんだよな
能力の対価に耳かきが必要って……
……いや、別におっさんを疑ってるわけじゃねえよ？

でも耳かきが必要ってだけなら、自分でやるのでもよくねぇか？
……あ、なんで今目逸らした！やっぱ担がれてたのか俺！？


…………はあ、別に嘘つかなくても、耳かきくらいしてやるのによ。

……そりゃまあ、ほら、おっさんは命がけで戦ってるけど
俺は能力者じゃないから後方支援しかできないだろ？
だから他のことで少しでも役に立てればって……

……なんか、俺らしくねぇな、忘れてくれ。
……何ニヤニヤしてんだ、鼓膜ぶち破るぞ……ったく……


……で、耳かきの方はどうよ。
……そりゃよかった。

……お、やっぱわかる？そうそう、耳かき棒ちょっと良いやつに変えたんだよね。
結構高かったんだぜ？感謝しろよ？
……ま、経費で落としたんだけどな。
……はは、ズルいところはおっさん譲りだぜ？


(耳かき終了)


ふー……
ほい、このくらいでいいだろ。
んじゃ反対向いてくれ。

(寝返りを打つ)

よし、こっちもやってくぜ……

(反対側の耳かき開始)


……なあ、おっさんは何でこの仕事してんの？
ほら、一般人として生きる道もあったわけじゃん。
監視がつくとはいえ、今よりはずっと楽だし安全だろ。

……はあ？かっこいいから？
……ちょっとだけおっさんを尊敬してた俺がバカだったよ。

……俺？俺はその……
テレビでここの特番やってて、それ見てあこがれて……
……そうだよ、俺もかっこいいからだよ、わりぃか。

…………ぷっ、ふふ、ははは……
案外俺たち似たもの同士なのかもな。


(急にしみじみと)…………なあ、おっさん。俺と組んでくれてありがとな。
……いや、この仕事何が起こるかわかんねーだろ。
感謝は伝えられるうちに伝えとこうって。

……茶化すなよ！人が珍しく感謝してやってんだから、素直に受け取っとけ！


(しみじみと)…………わかってる、おっさんは無敵なんだろ？死ぬなんて思っちゃいねえよ。


(耳かき終了)


ふー……
よし、こんくらいでいいだろ。
ほら、しまいだ、頭上げてくれ。

(頭を上げる)

んじゃ、明日も早いんだし、とっとと寝ろよ。
頼りにしてるぜ、おっさん。

・台本（ゆるボイ！）
俺っ娘バディの能力対価耳かき
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
あまに