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おしゃべりな幽霊ちゃんとルームシェア(耳かきサービス付き)
written by ミフジ
  • 耳かき
  • ホラー
  • 幽霊
  • 敬語
  • 年下
公開日2023年08月16日 13:43 更新日2023年08月17日 01:42
文字数
1862文字(約 6分13秒)
推奨音声形式
バイノーラル
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
幽霊
視聴者役柄
指定なし
場所
新居
あらすじ
とある事情で引っ越しをしたあなた。荷解きを終えた夜、新居で眠ろうとすると女性の声が聞こえてきて…
本編
※SEは必須ではありません。

あのー…
…あ、反応した。

ってことは…
聞こえてますよね?私の声。

ちょ、すとっぷすとっぷ!
逃げないでください。
取りいたりとかしないので!

そのおびかた
もしかして、声だけじゃなくて見えてたり…します?

ぼんやり…?

…なるほど。
つまり、人間の形をした光のようなものがしゃべっている…てきな感じで合ってます?
ふむ…

え、いや、引っ越すとか困ります!
やっと話ができる人に出会えたのに。

幽霊とはいえ、可愛い女の子とルームシェアなんてラッキーなこと、滅多めったにないですよ?
…あ、でも私の顔が見えてないなら微妙…?

そ、そうだ。
今なら耳かきサービスも付けちゃいます、どん!

…お、ちょっと迷いましたね?
んふふ、それじゃあ今からお試し耳かきといきましょうか。
もし耳かきが気に入ったら、引っ越さないでくれると嬉しいです。

それでは、幽霊ちゃんのひんやり膝枕へどうぞ〜。

[衣擦れ音(頭を乗せる)]
さて、耳かき棒を…
ぅぬぬ…っと、できた!

じゃ、お耳掃除始めまーす。

(右耳かき開始)
おー、耳の中ってこんなふうになってるんだ…

へへ、実は人に耳かきをするの、初めてなんですよねー。

そんな不安そうにしないでくださいよぉ。
大丈夫です、って。
慎重しんちょう慎重しんちょうにやるので。

あ、耳かき棒ですか?
これ、前にこの部屋に住んでた人の忘れ物なんです。

やー、ものにさわれるように練習しておいてよかったぁ。
幽霊になってから、もうひまひまで。

成仏じょうぶつ仕方しかたもわかんないし、どうしよっかなーって思ってたら、こう…
親指と人差し指の間にぐぐぐ、っと力をめると、ものが持てるってことに気づいちゃって。

て言っても、重いものは無理だし、結局この耳かき棒くらいしか持てないんですけどね。

でも、そのおかげでお兄さんに耳かきができてるわけですし?
あの練習もムダじゃなかった、ってことで。


…え、幽霊になった理由ですか?
うーん…実は、突然知らない人にぐさっ、っとやられまして。

あはは、びっくりですよねー。
なんて言うんでしたっけ、無差別むさべつなんちゃら、みたいな。
多分そういうアレです。

ほんと、まさか自分がーって感じで。
気づいたら幽霊ちゃん爆誕ばくたん、ですよ。

…ありゃ。
お兄さん、体がこわばっちゃってますよー?
こういう話、苦手でした?

ほら、ちから抜いて。
次、白いふわふわ入れますねー。
(梵天開始)

そういえばお兄さん、この時期にお引っ越しなんてめずらしいですよね。
荷物にもつも少ないし、引っ越し慣れしてそうですけど…

へー、気分でいろんなところを転々てんてんと…
いいですねー、そういうの。

環境が変わると気分も変わるって言うじゃないですか。

私、生きてた頃は旅行が趣味で。
毎回まいかい心をリフレッシュできる旅行も、それと似た感じがするなーって。

ふふ、ちょっと違いますかね?

(右耳かき終了)
うん、こっちの耳はこのくらいで良さそうです。
はい、右回みぎまわりにごろーん。

[衣擦れ音(頭の向きを変える)]
反対側はじめますよー。
(左耳かき開始)

…ん?
あぁいや、私、地縛霊じばくれいじゃないんですよ。

そう、外にも出られるし、なんなら無料で旅行にも行けちゃうんです。
でも、旅先たびさきでおいしいものを食べられないのもつらいし、一緒に行く友達もいないし。

だからまぁ、生前せいぜん暮らしてたこの部屋で、私のことを認識にんしきできる入居者入居者さんを待ってたわけです。

だって、一人は寂しいですもん。
話し相手がほしかったんですよぉ…

暇な時って、いろんなこと考えちゃうじゃないですか。
なんで殺されちゃったんだろ…とか考え始めたらもうキリがなくて。

ニュースで聞いたことありません?
「誰でもよかった」みたいなやつ。

ああいうのって本当なのかなー、とかね。
お兄さんはどう思います?

えー…お兄さんは「誰でもよかった」肯定派こうていはですかー?
そこは理由がほしいってもんですよ、あっけなく死んじゃったとしては。

意味もなく殺されて、意味もなく死んじゃって。
そんな現実、受け入れたくなぁーい。

ふふっ。
なんて、こんなことお兄さんに言っても、それこそ意味がないんですけどね。


んー…よし、こっちもふわふわ入りまーす。
(梵天開始)

さてさて、お試し耳かきももうすぐ終わりですねぇ。
どうでした?
気に入ってもらえました?

…って、お兄さん大丈夫ですか?
いきぐるしそうに目を閉じちゃって…


(ため息)
…お兄さん、本当は、しっかり見えてるんですよね?私のこと。

だって最初に話しかけた時、ばっちり目が合いましたもん。
そのあとは不自然なくらいに目が合わなくなったし。

…それに。
このあせの量。

あーもう、そんなにこわがらないでください。
ひとつ、質問しつもんに答えてもらいたいだけなので。
答えてくれたら、膝の上から解放かいほうしてあげますから。
(左耳かき終了)



…ねぇ、お兄さん。
本当に、誰でもよかったんですか?
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
おしゃべりな幽霊ちゃんとルームシェア(耳かきサービス付き)
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
ミフジ
ライター情報
主に男性向けシチュエーションボイスの台本を投稿していきます。

◇フリー台本に関して

使用ルール等はありませんので、自由に使っていただいて構いません。

詳細な言葉遣いや言い回し、台本内のセリフの順番など、読みやすいように改変していただくことも問題ありません。性別変更及び、大元の流れが変わらない範囲でのアドリブ等も可能です。
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