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世界はバブみに支配されました まとも?な科学者とのシェルター生活
written by 泣きんぎょ
  • ヤンデレ
公開日2021年06月05日 18:00 更新日2021年06月05日 18:00
文字数
3580文字(約 11分56秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
科学者
視聴者役柄
指定なし
場所
指定なし
あらすじ
 目覚めると見知らぬシェルターの中に居たあなた。
 傍に居たのは一人の女性。
 彼女が言うには、世界にBウィルスなるものが蔓延してまともな人間はあなたと自分しか居ないだそうな。
 固く閉ざされた扉。
 しかし、それを疑うあなたは外へと出ようとするも……それも叶わない。
 分けも分からずシェルターで暮らす日々。
 そんなものが本当にあるのかと疑い始めたところ……あなたは妙な光景に出くわす。
 それは、その女性が必死に胸から母乳を絞り出している姿だった。
 そのときは彼女の言い訳に納得して、引き下がるも、気になって色々と見て回ったところ……とんでもないものを発見する。
 そこには恐るべき真実が書かれていた。
本編
「あぁっ!よかった……よかったぁっ!起きた……起きてくれたんだねっ!」

 嬉しそうに

「痛いところはない?苦しいところは?辛いことは?」

 少しの間

「……そう、よかったぁ。何とか、間に合ったみたいだね……」

 安堵するようにほっと息を吐いて
 問いかけられたように

「あ、私?私はね……う~ん、なんていうのかな? とある細胞の研究をしていた科学者、ってところかな? で、とても急で悪いんだけど……」

「外の世界は、もう終わってしまったわ……私とあなたは、もうここから外へは出られない……このシェルターが最後の安全地帯なの」

 気落ちした声で
 それから少し間を空けて

「……うん、順を追って、説明するね? まず、ここはシェルター。全てが手遅れになる前に、何とかあなただけここへ連れてくることが出来たの」

「で、外へ出てはいけない理由……なんだけど……うん、単刀直入に言うわ」

「外の世界はBウィルスに侵されてしまったの。無事なのは私とあなただけ……この世界でまともなのはもう私とあなただけなのよ」

 辛そうな声で

「ごめんね、こんなこと言われても訳が分からないよね?でも、本当のことなの……外は見せられないから信じられないとは思うけど……外へ出たら、たちまちウィルスに侵されて全てが終わってしまうから……」

「世界中の人は、皆Bウィルスに侵されてしまったの……バブミウィルス、正式名称をバブミウムと言うわ」

「バブミウムに感染した者は……もうまともな人間ではいられない。男性は幼児退行して何歳であろうと赤ん坊に……女性には母性本能が芽生え、誰であろうと母親に……外は、地獄絵図よ」

「ママ、ママ、と喚く中年の赤ん坊と、それをあやす赤ん坊よりも若いお母さん……それだけならまだしも、相手を見つけられない感染者がそこら中にうろついている」

「自分の本当のお母さんに相応しい女性を探し求めてよちよちと歩き回る中年の赤ん坊……自分に相応しい本当の我が子を求めて、誰彼構わず甘やかそうとする年若い母親たち……外はそんな、バブミゾンビだらけなの」

「捕まったらただでは済まないわ……あなたは恐らく、子を求めて歩き回るお母さんゾンビに群がられて、望まぬ甘やかしを受けるでしょうね……四方を囲まれ、服を脱がされ、オムツを履かされて……何もさせてくれず、離してもくれず……自由の何一つない恐ろしい束縛……」

「私とてそれは例外ではないわ。バブミゾンビ……彼らに捕まれば、私は母親にされてしまうでしょうね。私よりも体格も体重も上のバブミゾンビに無数に群がられ……ママ、ママとまとわりつかれて……胸を吸われて……」


「考えるだけでも……恐ろしい、っ」


「私は……そんなのは嫌、絶対に嫌ッ! きっと、捕まったら最後よ。私たちもバブミウムに侵されて、置かれた境遇に疑問すら持たなくなる。あなたは赤ん坊に、私は誰とも知れない中年の赤ん坊の母親になる……そんなのは、嫌……絶対に、嫌。だから」

 耳元で

「これは、お願いでなくて決まり事」

 懇願するように

「扉を開けないで、絶対に開けないで……二人で協力してこのシェルターで生きていきましょ。そのためなら……何をしてもいいから」

 辛そうな声で

「お願い、よ……私を、一人にしないで……」

 場面転換
 金属の扉を叩く音

「どうしたの?そんなに扉を叩いて?」

「……あぁ、そう。外に、出たくなっちゃったんだね……でも、駄目。これだけは、駄目なの」

「あなたの言い分も分かるよ。外に出てないから信じられない。見たことないのに鵜呑みになんて出来るわけがないって……でも」

 耳元で

「本当に……外に出たら、それだけでアウトなの。それだけで……駄目なの」

「だから、堪えて……我慢して……私が一緒に居るから……不満なこととか、嫌なこととか何でも相談に乗るから……だから」

「……そう、ちょっと、落ち着いた?」

「ふぅ、なら、良かった……私だって、あなたが不安になってると不安になるもの。お互いにお互いを気遣って行きましょ? 大丈夫……ここに居る限りは絶対に安心だから」

「バブミウムなんて、ここには入り込めないから……人間として、最後の生き残りとして、頑張って生きなきゃ……」


「っ……ぅ……あ、ごめん。何でもないの、今のは、ちょっと胸が苦しくなっただけっていうか……あ、はは、ごめんね? ちょっと、疲れてるのかもね?」

「……でも、ふふ、それも無理もないことかな?」

「このシェルターには自給自足で生きていける設備がしっかりと整ってるけど……何もしないわけにはいかないもの。作物を育てて、ご飯を作って、お風呂に、洗濯に……それと、運動もね? こういう閉鎖空間に閉じ込められてるときってね、適度な運動が本当に重要なの。発散させていかなきゃ、気が狂ってしまうもの」

「……それに、私には……あれの研究もあるから」

「大丈夫……身体は辛いけど、ワクチンの研究は順調だよ。その内に、絶対に世界中のバブミウムを駆逐するワクチンを創り上げてここから外へ出られるようにしてみせるから……安心して」

 耳元で

「安心して、過ごして……そして、出られた暁には……その時は……」

 離れて

「あ、はは、な~んて、ね。全てはワクチンの開発が終わってから、だねっ!頑張っていかなくっちゃっ!えいっ、えいっ、お~!」

「ふふ、ひど~い、一緒に言ってくれないんだ? 何だか、恥ずかしい思いしちゃった……」

「ん、じゃ、私はまた研究に戻るから」

 耳元で

「もう出たいなんて言っちゃ駄目だよ~? 出たら、お母さんみたいに怒っちゃうから」

 耳ふー
 離れて

「なんちゃって♪ ではでは~」

 遠ざかる軽い足音
 場面転換
 辛そうな声で

「ンッ……はぁっ……んむっ……うぅっ、っ」

「奥からどんどん湧き出てくる……止まらない……拭っても、拭っても……垂れて……んっ、っ!ぐぅ!」

「っぁ……」

 それから呆然と気付いたように

「……ふぇ? わ、わわっ、み、見てたのっ!? あぁ、そのっ!えっと、これは……そのっ……」

 取り繕うに、恥ずかしそうに

「あ、はは、実は、その……私、昔から母乳が出る体質で、さ……あはは……こうして、絞り出さないと、ちょっと胸が張って苦しくなってくるっていうか、その……あはは~」

「あ、あ~……なんなら、飲む?搾り立てだよ?きっと甘いよ?」

「な~んちゃって……はは、は、は。恥ずかしいからこれ捨ててくるね?」

「今日見たことは忘れて。私、こんな可笑しな女じゃないから。だから、その、ね?」

 耳元で、はぁはぁと荒い息で

「ごめん……見なかった、ことに……ハァ、ハァ……して?」

 去っていく足音
 場面転換
 間を空けて
 紙を捲る音

『観察結果B4 私はついに作り上げることに成功した。あの人を永遠に私という鳥かごへと収めて最後まで捕らえておく細菌を。ここには、その効能を記していくこととする。まず被検体に見られた傾向は幼児退行化現象だった。これは当初の予定通りだ。しかし、性別が変るとまた違った反応が見られた……母性が芽生えたのだ。被検体はその幼児退行した赤ん坊に対し愛を発揮してあやすことを結果として見せた。これさえあれば、私は彼を永遠に私のモノとすることが出来る。彼を私の、愛の虜にすることが出来る……後は投与するだけ、待ち遠しい』

 紙を捲る音

『経過観察B5 変遷 効能は幼児退行と母性の芽生え、それだけに見えた。だが違った。もう一つ、目に見える副作用があった。それは……女性の身体を母親へと作り替えるものだ。分かりやすくいうと母乳が出る。それにより、バブミウムはその女性があやす赤子の口へと吸われていき……また感染を広めていく。母乳により感染を広めるだなんて恐ろしい効果だ。ただ……それを私と彼が、とそう考えると……身震いが止まらなかった。笑いが止まらなかった。それは何て甘美な光景だろうか?待ち遠しい、待ち遠しい……早く、私の胸を咥えておくれ……その母乳を吸いだしておくれ……ふふ、ふふふふふ』

紙を捲る音

『最終結果 B6 破綻。とんでもない事態が発生した。なんと被検体が脱走をしたのだ。気付いた頃にはもう遅かった。感染が広がりかけている……このままでは、私も……急いで彼を迎えに行かなければ……念のために作っておいたこのシェルターさえあればまだやり直せる……彼が、バブミゾンビどもにやられる前になんとしても、保護しなければ……』

「何を、しているの?」

 見通すように

「ふ~ん、見ちゃったんだ?」

「なら、仕方ないね? うん、そうだよ~?ぜ~んぶ、私がやったよ~?」

「バブミウム……Bウィルスの開発、研究……全部が全部、あなたを手に入れるため……でも、誤算だったのは被検体が逃げ出したこと……あれには参っちゃったよ~……世界中にウィルスが蔓延しちゃうんだもん。私の大好きなあなたがゾンビどもに奪われるんじゃって、本当にドキドキしちゃった~」

「でも……結果として、私たちは、こうして、私が望んだ結果とほぼ同じ結末を迎えているわけだから問題ないけど」

 優しく甘やかすような声で、近くで

「大丈夫……安心して……私だけはまともだから」

「私だけは……ずっとあなたの傍にいて、あなたを守ってあげるから……大好きだよ~?大好き♡」

「だから、ね? 怖がらずに、お母さんに甘えなさい……」

 耳元で

「ママはぁ、あなたのことがだ~いすきなんだから、ね?」
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
世界はバブみに支配されました まとも?な科学者とのシェルター生活
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
泣きんぎょ
ライター情報
 ASMR、シチュボ台本を主に書いています。
 細かい指定や、指示が書いてあることがありますが、不可能な場合や不明瞭なことがあれば代替あるいは無視してもらっても結構です。
 また勢いのまま書き連ねているため誤字や脱字が見られる場合がありますのでご使用の際はお気をつけ下さいますようお頼み申し上げます。
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