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公開日2024年10月19日 23:27
更新日2024年10月20日 23:44
文字数
2700文字(約 9分0秒)
推奨音声形式
バイノーラル
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
怪しげな祓い屋
視聴者役柄
祠を壊した人
場所
古い屋敷の和室
あらすじ
祠を壊したあなたの前に、煙草を吸いながら怪しい祓い屋が現れる。
祓い屋はあなたがこのままでは祠の神様に殺されると伝えた上で、プロとして助けるとなぜか耳かき棒を取り出す。
そしてあなたを畳に寝転がせ、耳かきを始める。
状況を理解できないあなたに、祓い屋はビビらせつつもあなたが祠の神様の呼び声で祠を破壊させられた経緯と、
祠の神様が怪異となった理由を教える。
一方、あなたは祓い屋の心地いい耳かきによってだんだんと眠くなっていってしまう。
あなたはそれに耐えようとするが、祓い屋はふざけてわざと眠くなるような話を続けてあなたを眠らせる。
お祓いが終わり眠ったあなたを残し、祓い屋は怪異を解決するために部屋を出ていくのだった。
祓い屋はあなたがこのままでは祠の神様に殺されると伝えた上で、プロとして助けるとなぜか耳かき棒を取り出す。
そしてあなたを畳に寝転がせ、耳かきを始める。
状況を理解できないあなたに、祓い屋はビビらせつつもあなたが祠の神様の呼び声で祠を破壊させられた経緯と、
祠の神様が怪異となった理由を教える。
一方、あなたは祓い屋の心地いい耳かきによってだんだんと眠くなっていってしまう。
あなたはそれに耐えようとするが、祓い屋はふざけてわざと眠くなるような話を続けてあなたを眠らせる。
お祓いが終わり眠ったあなたを残し、祓い屋は怪異を解決するために部屋を出ていくのだった。
本編
(扉越しの廊下を靴下で歩く音)
(ふすまの開く音)
――ふーっ。(煙草の煙を吐く音)
――アンタが祠を壊したって奴?あーあ。こりゃ駄目だね。あたしを面倒な仕事に寄越しやがって。
どれ、ちょっと顔見せてみな。
――ふーっ。(煙を吐く音)
アハハッ!咳き込んでやんの。
――今のも全く効果ナシねえ……。まあ、ド田舎でも神相手だからな。
アンタこのまま勝手に死んでりゃ良かったのに。
……あん?そりゃ死ぬよ。あの坊主に教えてもらわなかった?
……なんとかなる、ねえ。出来もしないのに適当言いやがって。
――ふーっ。(煙を吐く音)
死ぬに決まってんだろ。ただの悪霊ならともかく、あの祠が祀ってんのはここの山の神様なんだからさ。
アンタは神様に呼ばれちまったんだ。普通はこのまま生贄になって村の繁栄にでも貢献するもんだよ。
……泣きそうな顔すんなよめんどくさいなー。あー、灰皿灰皿。あった。
――そのためにあたしが呼ばれたんだろ。
ま、お代は貰ったらしっかり働くのがプロだからねえ。
――夜も近い。とりあえずその畳に寝っ転がって横向きな。
(畳に寝転がる音)
――うっし、始めるか。
(耳かき棒を取り出す)
……ん?これ?耳かき棒。
……そう。耳かき棒でお祓いやんの。
ああ、膝枕とかはやんないから。あたしあぐらで座ってるし。
あ、そういうサービスの店とか知らない?じゃあいいや。忘れて。
――とりあえず耳出しな。さっさと始めるよ。
(片側耳かき始まる)
――あーあ。お客さん汚れ溜まってますねー。普段から掃除しないと。
……あん?耳掃除のしすぎはよくないって聞いた?
汚れは汚れでしょ。っていうかあたしが言ってるのそっちじゃないし。
――話には聞いてたけど、アンタやっぱり神様に”呼ばれた”ね?
祠壊す前に聴いたでしょ、変な声。で、気付いたら祠を壊してたパターン。
その時に神様からマーキングされてんだよ、アンタ。
普段は村の外で暮らしてるんだって?
村の血が入っていて、警戒心の薄い人間。なるほど、狙われるわけだ。
とにかくそれをなんとかしないと、ほんとに命持っていかれちゃうよ。
――アハハ、ビビってる。
ま、あたしもやれることは全部やるよ。
……なら怖がらせないで欲しい?
いやー、あたし人のビビってる顔見るの好きでさ。
相手が人間でも怪異でも。それが好きでこの仕事やってるところあるし。
怪異はどんだけビビらせても裁判沙汰にならないしね。
どう、安心した?
……いや。アンタが死にそうなのはマジ。アハハッ。
――しっかし今回はほんとにめんどくさい仕事受けちゃったなあ。
坊さんの未熟な結界は手直ししなきゃいけないわ、罠にかかったバカ1名を助けてやらなきゃいけないわ。
あと5分遅く連絡してくれれば、あたしも別件に行ってこんな厄介事知らずに済んだのに……。
……ん、何?
……ああ、知りたい?何が起きてるのか。
――そうだね、あたしが調べた範囲になるけど。
――この村は数百年前、水害やら病気やらが多かった。で、村の住民は神様がお怒りだって考えて、人柱……生贄を捧げることにした。
しかし、その時に何か揉めちゃったらしいんだね。
結果として、山の神様と生贄の娘の怨念が混ざって手が付けられない化け物が生まれちゃった。
村の災いは余計に悪化して、高名なお坊さんがなんとかその化け物を封じた時にはここはもう廃村寸前だったとか。
しかし化け物を生み出したのは自分達だからってことで、住民は村に残り続けて、数百年経って人も増えて今に至ると。
祠を見た感じ何回か封印は破られてるみたいだね。だから今の住民も対処法を知ってたんだろうし。
でも今回は坊さんが修行不足だ。あれじゃ悪霊程度しか……。
……って聞いてんのアンタ?
……え、耳かきが気持ち良くてぼーっとしてた?
はあ……そうなんだよなあ……。このやり方だと耳かきがやたら上手くなるんだよなあ。
(片側耳かき終わり)
――ほら、お客さん。こっちは終わったから反対向きな。
あんまり気持ちよさそうな顔してると割増料金貰うよ。
(寝返りの音)
じゃ、今度はこっちね。両方終われば、とりあえずなんとかなるから。
(反対側耳かき始まる)
……ん?今どきは耳かきでお祓いするのかって?
するわけないじゃん。あたしだけだよこんな事してるの。
流派とかそういうの合わなくてね。使えるもん全部覚えて使ってたら、気付いたら耳かきでお祓いやってたの。
――その顔は信用してないね。
ま、それっぽい格好してそれっぽいことやれば祓えるようなのもいるけどね。
ここの坊さんが村中に張ったお札なんかそういうやつだ。
こっちもあっちもルールを信じてるから、ルール通りにやれば効果がある。
――でも本当にやばい奴はルールなんか守らない。
学校の先生じゃ銃持ったヤクザには勝てないっしょ?
本当にやばい相手にはあたしみたいなお祓いのヤクザもんが必要になってくるのよ。
――とりあえず坊さんのお札にはあたしのかっこいいサイン書いといたよ。
これで中にあたしがいる限り、神様でも気軽には村に入ってこれない。
って言ったってこっちはただの人間だから、あっちが本気出したら無理なもんは無理だけどね。
(耳かき続く)
……ん、今度は何?
……このあと自分がどうなるのか知りたい?
――ふーん。ほんとに知りたいの?
知らないお姉さんに耳かきしてもらって寝心地最高ですって顔してるけど。
……耳かきが気持ちいいから寝ちゃってそのまま死んだら洒落にならない?
――ぷふっ!寝ないように耐えてんの?
じゃあアンタのその顔が面白いから、よく眠れるようにつまらない話してあげようかな♪
(ここから先、読み聞かせるようにゆっくり喋る)
――さっきも言ったけど、アンタには神様が生贄としてマーキングしてる。
それは一種の穢れだ。だからこの耳かきで、汚れと穢れを祓う。
一般的に心は心臓の部分にあるとされているけど、古来から魂が抜けるのは口からでしょ。
つまり頭は魂の出入り口となる。アンタに対して神様は、声という形で耳から呪いを送り込んだ。
祀(まつ)られるべき、たてまつられるべき神様といえど、悪いことをしたならそれは呪いだ。
呪いはけがらわしく、だから穢れとして祓うことができる。
耳かきで汚れを取る行為を、穢れを祓う行為に被せる。
遅くなると神様が気付いて怒り出す。だから怒り出す前にさっさと終わらせてしまう。
穢れの薄れたアンタを、神様は認識できない。
神様は人なんて見ていないから。
(普通の喋りに戻る)
――そろそろ寝たかな?
あーあ♪これから死ぬかもって時に耳かきで気持ちよく寝ちゃってやんの♪
(反対側耳かき終わり)
――これでアンタについた穢れは、可能な限り祓ったよ。
このあとどうなるかは、あたしが神様をどうにか出来たか次第のお楽しみってことで。
でも、ま。出来るだけ早く戻ってくるよ。
アンタが寝落ちした自分にビビって飛び上がる顔が見たいからね♪
(去っていく足音)
(ふすまが開いて閉じる音)
(ふすまの開く音)
――ふーっ。(煙草の煙を吐く音)
――アンタが祠を壊したって奴?あーあ。こりゃ駄目だね。あたしを面倒な仕事に寄越しやがって。
どれ、ちょっと顔見せてみな。
――ふーっ。(煙を吐く音)
アハハッ!咳き込んでやんの。
――今のも全く効果ナシねえ……。まあ、ド田舎でも神相手だからな。
アンタこのまま勝手に死んでりゃ良かったのに。
……あん?そりゃ死ぬよ。あの坊主に教えてもらわなかった?
……なんとかなる、ねえ。出来もしないのに適当言いやがって。
――ふーっ。(煙を吐く音)
死ぬに決まってんだろ。ただの悪霊ならともかく、あの祠が祀ってんのはここの山の神様なんだからさ。
アンタは神様に呼ばれちまったんだ。普通はこのまま生贄になって村の繁栄にでも貢献するもんだよ。
……泣きそうな顔すんなよめんどくさいなー。あー、灰皿灰皿。あった。
――そのためにあたしが呼ばれたんだろ。
ま、お代は貰ったらしっかり働くのがプロだからねえ。
――夜も近い。とりあえずその畳に寝っ転がって横向きな。
(畳に寝転がる音)
――うっし、始めるか。
(耳かき棒を取り出す)
……ん?これ?耳かき棒。
……そう。耳かき棒でお祓いやんの。
ああ、膝枕とかはやんないから。あたしあぐらで座ってるし。
あ、そういうサービスの店とか知らない?じゃあいいや。忘れて。
――とりあえず耳出しな。さっさと始めるよ。
(片側耳かき始まる)
――あーあ。お客さん汚れ溜まってますねー。普段から掃除しないと。
……あん?耳掃除のしすぎはよくないって聞いた?
汚れは汚れでしょ。っていうかあたしが言ってるのそっちじゃないし。
――話には聞いてたけど、アンタやっぱり神様に”呼ばれた”ね?
祠壊す前に聴いたでしょ、変な声。で、気付いたら祠を壊してたパターン。
その時に神様からマーキングされてんだよ、アンタ。
普段は村の外で暮らしてるんだって?
村の血が入っていて、警戒心の薄い人間。なるほど、狙われるわけだ。
とにかくそれをなんとかしないと、ほんとに命持っていかれちゃうよ。
――アハハ、ビビってる。
ま、あたしもやれることは全部やるよ。
……なら怖がらせないで欲しい?
いやー、あたし人のビビってる顔見るの好きでさ。
相手が人間でも怪異でも。それが好きでこの仕事やってるところあるし。
怪異はどんだけビビらせても裁判沙汰にならないしね。
どう、安心した?
……いや。アンタが死にそうなのはマジ。アハハッ。
――しっかし今回はほんとにめんどくさい仕事受けちゃったなあ。
坊さんの未熟な結界は手直ししなきゃいけないわ、罠にかかったバカ1名を助けてやらなきゃいけないわ。
あと5分遅く連絡してくれれば、あたしも別件に行ってこんな厄介事知らずに済んだのに……。
……ん、何?
……ああ、知りたい?何が起きてるのか。
――そうだね、あたしが調べた範囲になるけど。
――この村は数百年前、水害やら病気やらが多かった。で、村の住民は神様がお怒りだって考えて、人柱……生贄を捧げることにした。
しかし、その時に何か揉めちゃったらしいんだね。
結果として、山の神様と生贄の娘の怨念が混ざって手が付けられない化け物が生まれちゃった。
村の災いは余計に悪化して、高名なお坊さんがなんとかその化け物を封じた時にはここはもう廃村寸前だったとか。
しかし化け物を生み出したのは自分達だからってことで、住民は村に残り続けて、数百年経って人も増えて今に至ると。
祠を見た感じ何回か封印は破られてるみたいだね。だから今の住民も対処法を知ってたんだろうし。
でも今回は坊さんが修行不足だ。あれじゃ悪霊程度しか……。
……って聞いてんのアンタ?
……え、耳かきが気持ち良くてぼーっとしてた?
はあ……そうなんだよなあ……。このやり方だと耳かきがやたら上手くなるんだよなあ。
(片側耳かき終わり)
――ほら、お客さん。こっちは終わったから反対向きな。
あんまり気持ちよさそうな顔してると割増料金貰うよ。
(寝返りの音)
じゃ、今度はこっちね。両方終われば、とりあえずなんとかなるから。
(反対側耳かき始まる)
……ん?今どきは耳かきでお祓いするのかって?
するわけないじゃん。あたしだけだよこんな事してるの。
流派とかそういうの合わなくてね。使えるもん全部覚えて使ってたら、気付いたら耳かきでお祓いやってたの。
――その顔は信用してないね。
ま、それっぽい格好してそれっぽいことやれば祓えるようなのもいるけどね。
ここの坊さんが村中に張ったお札なんかそういうやつだ。
こっちもあっちもルールを信じてるから、ルール通りにやれば効果がある。
――でも本当にやばい奴はルールなんか守らない。
学校の先生じゃ銃持ったヤクザには勝てないっしょ?
本当にやばい相手にはあたしみたいなお祓いのヤクザもんが必要になってくるのよ。
――とりあえず坊さんのお札にはあたしのかっこいいサイン書いといたよ。
これで中にあたしがいる限り、神様でも気軽には村に入ってこれない。
って言ったってこっちはただの人間だから、あっちが本気出したら無理なもんは無理だけどね。
(耳かき続く)
……ん、今度は何?
……このあと自分がどうなるのか知りたい?
――ふーん。ほんとに知りたいの?
知らないお姉さんに耳かきしてもらって寝心地最高ですって顔してるけど。
……耳かきが気持ちいいから寝ちゃってそのまま死んだら洒落にならない?
――ぷふっ!寝ないように耐えてんの?
じゃあアンタのその顔が面白いから、よく眠れるようにつまらない話してあげようかな♪
(ここから先、読み聞かせるようにゆっくり喋る)
――さっきも言ったけど、アンタには神様が生贄としてマーキングしてる。
それは一種の穢れだ。だからこの耳かきで、汚れと穢れを祓う。
一般的に心は心臓の部分にあるとされているけど、古来から魂が抜けるのは口からでしょ。
つまり頭は魂の出入り口となる。アンタに対して神様は、声という形で耳から呪いを送り込んだ。
祀(まつ)られるべき、たてまつられるべき神様といえど、悪いことをしたならそれは呪いだ。
呪いはけがらわしく、だから穢れとして祓うことができる。
耳かきで汚れを取る行為を、穢れを祓う行為に被せる。
遅くなると神様が気付いて怒り出す。だから怒り出す前にさっさと終わらせてしまう。
穢れの薄れたアンタを、神様は認識できない。
神様は人なんて見ていないから。
(普通の喋りに戻る)
――そろそろ寝たかな?
あーあ♪これから死ぬかもって時に耳かきで気持ちよく寝ちゃってやんの♪
(反対側耳かき終わり)
――これでアンタについた穢れは、可能な限り祓ったよ。
このあとどうなるかは、あたしが神様をどうにか出来たか次第のお楽しみってことで。
でも、ま。出来るだけ早く戻ってくるよ。
アンタが寝落ちした自分にビビって飛び上がる顔が見たいからね♪
(去っていく足音)
(ふすまが開いて閉じる音)
クレジット
ライター情報
ファンタジー系ASMRが好き。
耳かきしながらずっと話してるタイプの作品が好きなので、文章長くなりがちです。
pixivにも同じ内容で投稿しています。
耳かきしながらずっと話してるタイプの作品が好きなので、文章長くなりがちです。
pixivにも同じ内容で投稿しています。
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