妹は、オレっ娘、である。

俺の事をアニキと呼んで、慕ってくれている。

学校にほとんど行っていないのは心配だが、親が仕事でいない間、家事をやってくれている。家事が好きらしい。

そんな、何にも縛られることなく、自分のやりたいことをやっている妹のことが、好きなんだ。
もし付き合えるなら。。

あ、おかえり、アニキ。
遅かったじゃん。
何かあったの？

あぁ、日直？
お疲れ。
アニキは大変だなぁ。あはは

え？
オレ？
オレは今日もサボり！

別にいいだろ？
アニキには関係ないじゃんか。

え？
理由？

そんなのないよ。
めんどくさいだけー。
オレの勝手だろ？

はいはいアニキはえらいですよー

ちょっ、そんなに怒んないでよ。
うるさいし。


てか、前から思ってたんだけど、なんでそんなにオレにこだわるんだよ。

あ、わかった。
何か母さんから言われたな？

図星か。
はぁ
オレがオレらしく生きてなにが悪いってんだ、まったく。。

は？
母さんにも、父さんにも、何も言われてない？

じゃあなんでオレなんかにこだわるんだよ。


は、はぁ？
お前が、好きだからぁ？

あのさ。
冗談で言ってるなら、面白くもなんともないよ。それ。
アニキとして、オレのことをほっとけないってのはわかったけど、「好き」とか言われても。。
その。。
困るわ！

な、なんだよ。
なんでそんな変な顔すんだよ。

本気？
ちょっと、待っ、え？
アニキ、オレのこと、好きなの？

あ、妹として、ってことだよな？
そうだよな！
あはは


え？
女性として？

お、オレなんか、女らしさの欠片もないぞ！？
そんなオレのどこが！？

自分の芯があるところ？
周りに流されないところが、いいの？


ば！ばか！
オレのことをそんな風に言うんじゃねぇ！
オレは適当に生きてるだけなんだ！
アニキに好かれる要素なんて、これっぽっちもねぇよ。。

だから！そんなにオレのことを褒めるな！
叱られんのは慣れてるけど、褒められんのは。。
なんかこしょばゆい。。

アニキ。
もうやめてってば。

もう、わかったから。
はいはい！
アニキはオレのことが大好きなんだね！
よく分かりました！



あ。
へ、返事、だよな。


あの。
その。

えぇっと。。

ちょっと、考えさせてくれないかな。
心の準備が。。


ちょっ、アニキ、なんでそんなにしつこいんだ！
今、答えて欲しい、なんて。そんな真っ直ぐな目で。。



だぁああーーー！！
やめだやめだ！
オレらしくもねぇ！

(深呼吸)

そ、そんなに言うなら、
つ、付き合う。。。

い、いや！今のは、違う！
かわいいとか言うな！このバカ！

あぁーもう！
失敗したぁぁーー！
オレらしくスパッと答えてやろうと思ったのに！

なにニヤケてんだアニキ！
こっち見んな！
早く部屋行ってろ！

はぁ！？
返事の声が小さすぎて聞こえなかっただァ？
アニキ、調子に乗ってんじゃねぇぞ！

つ、付き合ってやるって言ったんだよ！
これでいいか！バカアニキ！

はいはい、どういたしまして！
ほら、もう晩メシにするよ！
アニキはさっさと着替えてこい！

・台本（ゆるボイ！）
オレっ娘妹と付き合いたい。
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
kaman_zora