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ブタの貯金箱の運命
written by kaman_zora
  • ギャグ
  • シリアス
  • 人外 / モンスター
公開日2021年06月05日 18:00 更新日2021年06月20日 19:48
文字数
1697文字(約 5分40秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
指定なし
演者人数
1 人
演者役柄
人の言葉を話す豚の貯金箱
視聴者役柄
ただの赤べこ
場所
家の棚
あらすじ
貯金箱。
それは、硬貨を貯めておくもの。色々なデザインがある。

お金を貯めるクセをつけるために利用したり、お金を貯め、何かを購入するために利用したり。
利用目的は様々である。

昔。
貯金箱から硬貨を取り出すことは不可能であった。貯金箱本体を割らないことには。。
本編
ボクは死ぬ運命なんだ。。


誰か。
誰かいないのか。

伝えなければ。
人間たちの恐ろしさを。

もう誰にもボクと同じ運命をたどって欲しくないんだ。



あ。そこのキミ!

ちょっと話を聞いてくれるかい?

そっか。ありがとう。
えっと、キミはボクと似た格好をしてるけど、名前はなんていうんだい?

「赤べこ」くんだね。

わぁ。ありがとう。
そんなに頷いてくれるととっても話しやすいよ。赤べこくん。

あ。ごめん。
自己紹介がまだだったね。
ボクは豚野貯金箱(ブタの貯金箱)。
豚野って呼んでよ。


。。それでね。赤べこくん。
驚かないで聞いて。

ボクはわかってるんだ。
ボクはもうすぐ死ぬ運命なんだってね。

人間たちに殺されるんだ。。


。。ボクは、キミにはそんな運命をたどって欲しくないから、こうして話すんだ。

ちゃんと聞いてほしい。

いいかい?


ありがとう。
そんなに深く、頷いてくれて。


ボクはここに来てからというもの、毎日のように、人間から食事としてコインを貰い、幸せな日々を過ごしていたんだ。

そう。

幸せに感じていたんだ。
本当のことを知るまではね。


始めは、なんとは無い、少しの違和感だった。

人間はたまに、ボクを持ち上げて振るんだ。

そして、置く。満面の笑みを向けて。

運動のためかと、はじめの頃は思っていた。
けど、なんであんなに満面の笑みを浮かべるのか。
違和感があった。

そしてあるとき、ふと気付いたんだ。
その笑顔の裏にある、ボクへの殺意に。


気のせいかと思った。

殺意なんて目に見えないもの、誰だって信じられない。

けど、殺意を意識しだした瞬間から、毎日の食事のとき、そしてこちらを見つめるとき、振るとき、どんなときでもボクへの殺意を感じるようになったんだ。


そして。

ボクは聞いてしまった。


こちらを見て、殺意をばら撒き、「早く割りたい。」と言う声を。


「割りたい」の意味は、分からない。
けど、きっと、無情にボクを殺そうとしているんだ。。

その言葉を聞いてから、ボクはずっと考えていた。

そして、一つの結論が出たんだ。


ボクが食事として食べてきたコイン。
ボクは、そのせいでこんなに肥やされてしまった。
まともに動くことすらできないんだ。

ヤツらは
こうやってボクたちを肥やし
最後には、動けないボクを殺し、
中身をぶちまけようとしてるんだ!

ボクを振るのも、きっと肥え具合のチェックなんだろう。

ボクがヤツらの理想とする体重になった時。
それがボクの最期なんだ。。


そうわかった時から、ボクは恐怖に支配されてしまったんだ。。

ボクを振る。
ジャラジャラと音を立てるボクのお腹。

幸せそうにボクを置く。

こんな恐怖があっていいものか。

いずれ殺されることが分かっているんだ。
いつ殺されたっておかしくない。
そんな死の恐怖を乗り越えたとき、
ヤツらは満面の笑みをこっちに向けるんだ。

ボクは全てを見透かされているような感覚になった。
恐怖も、動揺も、緊張も、諦めも、全部。
逃げ出したかった。
でも、体は動かない。

笑顔の裏には常に無邪気な殺意があった。

いつボクを殺して、中身をほじくりだそうかと、そんなことにワクワクしながら、笑顔を向けるんだ。

ボクは毎日毎日、動けない体で、そんな殺意と対面してきた。

気がおかしくなりそうだった。

ボクを肥やす日々。日を追う事に重くなる身体。
ボクは完全に家畜だ。ヤツらの思うままに肥やされる。


だから。
こうして話せるうちに。
キミに話しておきたかったんだ。

これ以上、こんな思いを、こんな運命を。
たどる子がいてはいけないんだ。。


赤べこくん。
頼んだよ。
ここにボクと似た子がもし来たら、肥やされる前に逃げるように言うんだ。


赤べこくん。。
深く、頷いてくれてありがとう。。


ボクは、戦うよ。
死ぬまで、足掻こうと思う。
何が変わるなんてことは無いかもしれない。
けど、全てを諦めるなんてダメだ!

ここで、悲惨な運命を終わらせるんだ。。!


(チャリン)

(ねぇねぇママー、あとちょっとでブタさんいっぱいになるよ〜?)

(そうね。毎日お手伝い頑張って10円ずつ貯めてたもんね。えらいえらい。)

(えへへっ。このおかねで、おとうさんに、チョコレートかってあげるんだ〜)

(うふふっ。おとうさん泣いて喜んじゃうかもね。)

(ええ〜そうかなぁ。えへへ。。たのしみ〜)
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
ブタの貯金箱の運命
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
kaman_zora
ライター情報
 完全に趣味でシチュボ台本を書いてます。

 メンヘラ、ヤンデレ、励まし、謎シチュなどなど、いろいろ書いてます。

 R18Gはたまに書きますが、
 恐らく、百合、BL、女性向け、R18は、ほとんど書きません。難しい!

 ぜひ自由に改変していただき、ガンガン使ってください!

 よろしくお願いしますm(_ _)m
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