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女の人(?)が棺桶から出てきたんですけど。
written by kaman_zora
  • ファンタジー
  • のじゃロリ
公開日2021年06月05日 18:00 更新日2021年06月05日 18:00
文字数
2765文字(約 9分13秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
指定なし
視聴者役柄
指定なし
場所
指定なし
あらすじ
屋敷の宝物庫の警備。
それが僕の仕事だ。
宝物庫と言っても、昔牢獄として使われていた地下室に、変な棺桶とか、歪な壺とかを詰め込んで鍵をかけているだけ。
僕は毎日ここに立っているだけの仕事だった。

ある日、後ろからガタガタと音がする。
あの変な棺桶から!?
中に誰かいるのか!?
おばけだったらどうしよう。
ん?女の、人?
本編
ん?
んあぁ?
ふわぁあぁ〜

もう500年経ったのか。
500年経っても相変わらずこの棺桶の中は静かで良いの。

さて、外に出るかの。


なんじゃここは。
眩しすぎる。
我の城はどこへ行ったのじゃ?

おい、そこの貴様。
ここはどこじゃ。
我の500年の眠りの間に何があった。

はぁ?
我のことが分からぬじゃと?
貴様はそれでも我の側近か?

なんじゃその反応は。
そんなに驚いて、どうしたのじゃ。
ん?
貴様、まさか人間か?

ほほう。
人間の身でありながら我の護衛をしようとは、見上げた根性をした奴よの。

おいおい、そんなに怖がってくれるな。
我が眠りから覚めたことに恐怖する気持ちは分からなくもないが。
貴様は我の護衛をしていたのじゃろう?
なら我は貴様のことを認めてやる。
安心せい。
別に貴様をとって喰おうってわけじゃないからの。

それで、ここはどこなのじゃ。

ほう、宝物庫とな?
確かに我は魔族の宝と言っても差し支えない魔王じゃが。
このような狭い場所に封じ込められる謂(いわ)れはないのう。

おい、貴様。はよここを開けよ。
こんな牢獄のような場所では、気が休まらん。
護衛なぞもう必要ない。
早(はよ)う開けるのじゃ。

はぁ?
貴様はここの鍵を持っておらんのか。
ならば仕方あるまい。
ちょいと準備運動がてら、ここを破壊するとしよう。
貴様はそこをどいておれ。
危ないぞ。

はぁああああ
はぁ!!!



(静寂)


なぜじゃ。

何故(なにゆえ)我の力が失われておるのじゃ!

魔力を感じぬ。
魔法が使えぬ。
なぜじゃ!

おい貴様!
何か知らぬか!?
なぜ我の力が失われた!

はぁ
何も知らぬか。。
これは困ったの。
こんなところにいつまでもいたくはないぞ。

そうじゃ、貴様、外はどうなっておる。

普通とはなんじゃ!
まったく。
ちゃんと答えよ!
我が直々に貴様に尋ねてやっているんじゃ。
我の家来はどうした?
我の眷属は?
答えよ。

魔族の友達はいない?
魔族なんて知らないだと?

バカな。
たった500年という短い間に、魔族が全滅したとでも言うのか!
そんなはずは。。

我の家来は強かった。
強かったはずなのじゃ。
一体誰が魔族を屠(ほふ)ったんじゃ?
なぜ我だけが生きておる。

我は外に出なければならん。
外に出て、魔族を屠った輩(やから)を殺さねば。
我が同胞の仇を討たねばならん!

ここの鍵は誰が持っておる。
この家の主か?

頼む。
知っているなら答えてくれ。

我が殺しをしようとしているからか?
だから何も言わぬのか?
だからこのまま閉じ込められていなければならぬのか?

貴様には分からぬか。
自分を慕うもの達が皆、殺されたこの気持ちを。
この憎しみを。
貴様は分からぬというのか!
この憎しみは、復讐で贖(あがな)うしかない。
分かってくれ。
もちろん、タダでとは言わん。
復讐を成したその後に、必ず貴様の望むものをやる。
それでも駄目か?


ありがとう。
ここに居たのが貴様で良かった。
それで鍵はどこに?


なるほど。鍵は家の主が持っているのじゃな。
貴様が話をつけて手に入れられそうか?

そうか。無理か。
ならば、奪うか。
。。いや、あまり貴様には無理をさせたくないな。
ほかの策を考えるか。

我の力が戻れば、ここから出られるが。
ここいらには魔素(まそ)が少ないようじゃし。
魔力を溜めるのは時間がかかり過ぎるな。
手っ取り早いのは、魔力を回復するアイテムじゃが。
この家には無いか?

何?
魔力の概念が無いじゃと!?
どうなっておるのじゃ一体!

それでは我はここから出られぬではないか!

いや、落ち着け。
まだ、策はある。
この棺桶に入れておいた指輪があればな。
じゃが。。。
貴様にも手伝ってもらわねばならない。

この指輪はペアになっているのじゃ。
これをつけたもの同士は、互いに魔力を共有し合うことが出来る。
また、互いの体のコントロールを得ることも出来るのじゃ。
わかるか?

つまり、我が貴様の体をコントロールして外の様子をこの目で見ることも出来るということじゃ。
まずは情報収集をせねば始まらぬからな。
どうじゃ?

危険は無い、とは言えぬ。。
魔力さえ回復できれば、安全は保証されるんじゃがな。
ひとまずは情報を集めて、できれば魔素が豊富な場所で魔力を蓄えたい。
じゃが、決して無理はせぬと約束しよう。

手伝って、貰えぬじゃろうか?


ありがとう。
本当に貴様は良い奴じゃ。
では、これを。
左手の人差し指にはめてくれ。



よし。これで互いのコントロールができるようになったはずじゃ。
貴様、試しに、我をコントロールしてみるか?


「うわ、ホントにコントロール出来てる。」
「本当に魔法とか、あるんだ。」
「本当に魔族とか、いたんだ。」

なんじゃ、信じておらんかったのか?
まぁ、こんなに魔素が少ない環境じゃ、そう思うのは無理もないか。
それで、どうじゃった? 我の体は。
なかなかのナイスバデーじゃろ?
そうじゃろうそうじゃろう。
貴様が望むなら、貴様もナイスバデーにしてやっても良いぞ?
もちろん復讐を果たした後でじゃがな。
まぁ、考えておいてくれ。

では、貴様の体、借りるぞ?
我の体は、家の主にバレぬよう、棺桶に戻しておこう。

行くぞ。






ふぅ。
今日は疲れたのぅ。
情報はなかったが、魔力は少しばかり回復できたし、あと少しでここから出られるはずじゃ。

じゃから、その。貴様。
もう少しの間だけ、我に付き合ってはくれぬか?

ありがとう。
貴様には感謝しかない。
今すぐにとはいかぬが、全てが終わったら、貴様を我のパートナーとして迎え入れよう。
どうじゃ、我と肩を並べて過ごしてくれぬか?

なんじゃ。
ちょっと考えさせて欲しいじゃと?
貴様、こんな千載一遇のチャンスを逃すなど、あってはならぬぞ。
この我と肩を並べるのじゃぞ?
光栄に思って涙すら流しても良いと思うのじゃがな。。

まぁよい。
それでこそ貴様というものやもしれぬな。
その、我を畏怖(いふ)したり崇(あが)めたりせぬ態度。
大変好みじゃ。

やはり、我のパートナーにしたいのぅ。
貴様の体も、思ったより悪くはなかったしの♡
あはは
冗談冗談。
我の体が一番じゃ。

んぅ〜(伸び)
疲れたのぅ。
我はもう寝る。

あ、いや、寝たら500年間起きぬやもしれぬな。
以前は側近に起こしてもらっていたのじゃが。

すまんが貴様、朝になったら我を起こしてはくれぬか?
牢越しに触(さわ)れる場所に棺桶を持ってくる。
朝になったら、この音叉(おんさ)を使うのじゃ。
我を目覚めさせる音が棺桶の中によく響くからの。
朝に音叉を叩いて棺桶に当てるだけじゃ。
簡単じゃろ?

ん?
これは音叉じゃ。ツノでは無いぞ。
付け外しできるようになっておるのじゃ。
便利じゃろ?
これで、いつ寝落ちしてもすぐに起こしてもらえるというわけなのじゃ。
魔王も大変なのじゃぞ?
一度眠りについたら最後、起こしてもらわねば500年は目を覚まさぬ。
不便ったらないわ。

おぉ、すまんかった。
話が長くなったな。
では貴様、また明日の朝、我を目覚めさせてくれ。
頼むぞ。
おやすみじゃ。
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
女の人(?)が棺桶から出てきたんですけど。
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
kaman_zora
ライター情報
 完全に趣味でシチュボ台本を書いてます。

 メンヘラ、ヤンデレ、励まし、謎シチュなどなど、いろいろ書いてます。

 R18Gはたまに書きますが、
 恐らく、百合、BL、女性向け、R18は、ほとんど書きません。難しい!

 ぜひ自由に改変していただき、ガンガン使ってください!

 よろしくお願いしますm(_ _)m
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