お昼休み。
僕は最近気になっている女の子と一緒にお弁当を食べる約束をしていた。
今日は僕のためにお弁当を作ってくれたらしい！
楽しみだなぁ。

あ！あそこにいるのは！弟くんだぁ！
やっと見つけた！
なんでこんな人気のないところに。

弟くーん！！お昼一緒に――

ん？
弟くんの隣にいるのって、弟くんの同級生の女の子、だったかな？

何をやって――
！

弟くんが、お弁当、食べさせられてる。。！
あの女。。！！


あの。そこの貴女。
貴女、「私の」弟くんの何なんですか？
彼女のつもりですか？

悪いけど、弟くんにはもう好きな人がいるんです。
そうやって誘惑するのやめてください。
弟くんが迷惑しているのが分からないんですか！？

分かったら早くどこかに行きなさい！！


ふぅ。
大丈夫？弟くん。

え？
だって、弟くんは、お姉ちゃんのことが一番好きでしょう？
ね？

そうだよね。。？

え。違うの。。？

そんなのウソよ。
もしかして、あの女に変なクスリを盛られたんじゃ。
そうよ！そうに決まってる！
だとしたら、一刻も早く、弟くんの体から、アイツの弁当の中身を取り出さなきゃ！


ここかな！？
ﾄﾞｽｯ

えい！
ｺﾞｽｯ

この辺りか、な！
ﾄﾞｺｯ

吐いて！
早く！
ﾎﾞｶｯ

おい！吐けよ！
オ゛ラッ！
吐け！吐け！

ｺﾞｽｯﾄﾞｽｯ

(嘔吐)

うん！そうそうそんな感じ。
もっと吐いて？
自分で吐けるかな？
ねぇ早く早く早く早く！
早く吐かないと、アイツの毒が弟くんに吸収されちゃう！
ねぇ！早くして！

んあぁもう見てられない！！
口を開けなさい！
口を開けるの！！


(指を喉の奥へ。)
(嘔吐)

どう？私の指は？
喉の奥まで入ったけど、痛くなかったでしょ？
すぐに吐けたね。
おめでとう！

うわぁ。こんなにベチョベチョになっちゃったぁ。
ｽﾝｽﾝ
指から変な匂いする〜
ｽﾝｽﾝ
。。『アイツの匂いがする』。
まだ、足りない。

もっと吐いて？
お腹の内側、全部外側に出して？
早くして！って言ってるでしょ！
自分で出来るでしょ！？
どうしてやらないの！
どうして逃げようとするの！
ﾊｧ
もういい。
このナイフでお腹を開いてあげる。
こっち来て？

こっち来て！！

(嘔吐)
あ、自分で吐いたのね！
おめでとう！
これで、大丈夫なはず！

。。一応確認しておくか。
(指ずぼっ)
(嘔吐)

うん、もう胃液だけだね！
バッチリ！
これで、弟くんは助かったんだよ？
良かったね！
お姉ちゃんもとっても嬉しい！

さ、お昼にしよ？
あんなやつの毒よりも、私のお弁当の方が絶対美味しいよ？
はい、あーん。
っとと、ごめんごめん。ナイフはしまわなきゃね。

じゃあはい、あーん。

美味しい？

そっかぁ〜！
良かった〜
弟くんに喜んでもらえた〜
もっと食べる？
はい、あーん。

どうかな、この卵焼き。
弟くんの好みに合わせて作ってみたんだけど。。

美味しい！？
やった！
頑張ったかいがあった！
ええっと、次は――

(チャイム)
はぁ？
もうお昼終わり？
ふざけんなよ。
まだ二口（ふたくち）しか食べてない！
まだ弟くんのことを私色に染め上げきれてない！
ねぇ弟くん、もうちょっとここにいよう？
弟くんのためなの。
弟くんがもう私から二度と離れないようにしなきゃ。
そうしなきゃ、また毒に侵されちゃう！
ねぇお願い。私のお弁当、全部食べて？
全部食べて、全部美味しいって言って？
ありがとうって言って？
お姉ちゃん大好きって言って？

ねぇ！
言ってよ！
私が欲しい言葉、言ってよ、弟くん！

あ。ち、違うの！
ごめんなさい！
私は、弟くんのためになることをしてるだけで満足なの。
見返りなんて、求めてないの。
ごめんなさい。
私、どうしちゃったんだろう。
弟くんを困らせちゃった。。

あの女のせいね。
アイツさえ。
アイツさえ！
弟くんに近づかなければ！こんな！
こんな思いしなくて済んだのに！

ねぇ。弟くんも、そう思うよね？
そうだよね！
弟くんも、あんな女に言い寄られて、迷惑してたんだもんね！

私に任せといて！
私からアイツにガツンと言ってあげるから！
言ってもきかないようなら、その時は。
私が必ず弟くんを護ってあげるから。
弟くんは安心してね！
私が弟くんをお世話してあげるからね。
さっ、早く食べちゃおう？

・台本（ゆるボイ！）
ヤンデレお姉ちゃんに目撃されて。
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
kaman_zora