あ！彼氏くん！
今年のクリスマスどうする？
何しようね。
去年は彼氏くんの部屋に泊まったじゃない？
だから、今年は私の部屋に来ない？

え。
家族と、パーティー？
何言ってるの。からかうのはやめてよね。
大事な話なんだから。
彼女がいながら、クリスマス一緒に過ごさないとか、ありえないでしょ。

私よりも家族が大事とか。
そんな冗談、笑えないから。
もう、二度と、言わないでね？

ねぇ。
なんで返事しないの。
二度と言わないって約束して。

ねぇ！ちょっと！
待ってよ！
逃げないで！

あっ。
もう。行っちゃった。
彼氏くん、どうしたんだろう。


(部屋)

今日の彼氏くん、明らかに様子がおかしかった。
家族と一緒がいいなんて。
どうかしてる。
まさか、家族の誰かから脅されて仕方なく。。？
それとも、家庭内暴力。。？
何かあるに決まってる。
彼氏くんと私はこんなにも愛しあってるんだから。
絶対、家庭内に何か、ある。

明日、彼氏くんに聞いてみるか。
口止めされてたりとかで、答えてくれるかは分からないけど。。


(翌日)

あ、彼氏くん！
おはよー！
あのさ。
昨日の話だけど――
あ、ちょっと！
どこ行くの！？

トイレ、って、そっちじゃないし。
待ってよ！


ﾊｧ
やっぱり。
口封じされてるんだ。
私から逃げるようにどこかに行っちゃうなんて、これまでになかったし。
でも一体誰に。。

こうなったら、今日の夕方にでも、直接彼氏くんの家に行って確かめなきゃね。。


(昼休み)

彼氏くん、お昼になっても戻ってこないなんて。
もう帰っちゃったのかな。
家、知っててよかった。
彼氏くんを尾行しなくていいもんね。。


(彼氏くんの家)

ここね。
！
門の前にいるのは。。
妹さんか。


こんにちは。
私は、あなたのお兄さんの彼女です。
前にこの家に泊めてもらったことがあったんだけど、覚えてないかな？

わぁ、覚えてくれてたんだ。
ありがとう。
お兄さんにお部屋に呼ばれてるんだけど、入ってもいいかな？

え？
彼氏くん、帰ってないの？
一体どこへ。。？
まあいいわ。
それじゃあ、寒いし部屋で待たせてもらってもいいかな？

ありがとう。
入るね。

あ、妹さん。
クリスマスの日、家族でパーティーするって聞いたけど、本当？

へぇ。
あなたの提案なの。。
それはいい提案だったね。
ちなみに、お兄さんはどうやって誘ったの？

たまにはあたしのことも構ってよ。ねぇ。
ふふっ

あなたは、そうやって、彼氏くんの優しさにつけ込んで、無理やり誘ったのね。

あなたが全部悪いんだね。

よぉく分かったわ。
妹さん、ありがとうね。
邪魔だから、消えて欲しいな。

聞こえなかった？
私たちの愛の邪魔をするあなたは、どこかに行ってろって言ってるの。
あなたがいると、彼氏くんが困るのよ。
あなたがワガママなせいで、お兄さんが迷惑してるの。
わかる？

今からでも遅くないよ？
提案者のあなたが、クリスマスパーティーを無しにしたい、って言えばいいの。
そうすればあなたはお兄さんから今みたいに嫌われたりしないし。
あなたのためでもあるんだよ？
ね？
私の言うこと、聞けるよね。
まさか聞けないなんてことないよね？

私ね、あなたのことなんて、いなくてもいいと思ってるの。ふふっ
言うこと聞かない悪い子には消えてもらうだけ。
そして家族を失って悲しむ彼氏くんを、私が支えてあげるの。。
なでなでしてあげて、私の温もりで癒してあげるの。
頼れる人は私だけ。
私だけ。
私だけ。って、彼氏くんに教え込むの。
もう二度と、今回みたいな優しさにつけ込まれるような真似はしないようにね。。

え？
クリスマスパーティー、無しにしてくれるの？
ありがとう。
さすが彼氏くんの妹だね。
物分りがよくて助かるよ。
でも、やっぱり消えてもらった方がいいかなぁ。
彼氏くんの今後のためだもん。
あなたの命よりも、彼氏くんがもう二度と優しさにつけ込まれないようになるためのお勉強の方が大事だもん。
彼氏くんのためになるなら、妹ちゃんも本望でしょう？
嬉しいでしょう？
だからここで――
え。あれ？彼氏くん？

どうしたの。そんなに息を切らして。
何かあったの？
ゆっくりでいいから、私に話して？

え。
サプライズ？
何の話？

クリスマスの話。。？
家族とパーティーするんでしょう？
ふざけた話だわ。

え。ウソ？
私にウソをつくなんて、今まで一度も――

クリスマス一緒にいられないって言ったら私がどんな反応をするか見たかったの？
拗ねた私の姿を見たかったの？

もう！
彼氏くんのばか！
私が拗ねてるのを見たいだけでそんなウソつくなんて！
本気で信じちゃったじゃん！
私、彼氏くんが家族の誰かに脅されてるんじゃないか、って、暴力を振るわれてるんじゃないか、って。
それでそんなこと言ったのかな、って思っちゃったよ。

考えすぎ？
でもしょうがないじゃん！
彼氏くんが私以外を選ぶなんて、それくらいしか理由が考えられなかったんだもん！

笑わないでよ。
本気で心配したんだからね。。


あの。彼氏くん。妹ちゃん。

ごめんね。
彼氏くんがどんな事があっても私を蔑ろにするわけないの、分かってたはずなのに。。
妹ちゃんにまで、怖い思いさせちゃった。
こんな私なんて、彼氏くんの彼女として失格だね。。

え。
そんなこと、ない？
あ、愛してる。。？

ありがとう！
知ってる！うふふっ
私も彼氏くんのこと、愛してる！
ぎゅー
ちゅっ

え？
彼氏くん、これは？

え。プレゼント？
ウソついてごめんの気持ち？
あ、ありがとう、彼氏くん。。
今日はこれを買いに行ってたんだね。

。。開けるよ？

！
これって。。！
ペアリング！？
しかも名前入ってる！
私と彼氏くんの名前だ！
嬉しい。。！
ありがとう彼氏くん！
大好き！大好き！
愛してるよ。

クリスマス、楽しみだね！
ねぇ彼氏くん！
私の部屋に、来てくれないかな。

うん！ありがとう！
去年よりももっと素敵なクリスマスの夜にするよ！
準備、頑張らなきゃ！

これからも、ずっとずぅっと一緒にいようね？

・台本（ゆるボイ！）
ヤンデレ彼女【クリスマス】
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
kaman_zora